POKER TOURNAMENT DIRECTORS ASSN.

2026年版ルール Version 1.0、2026年9月6日
推奨手順と追補例解を含む

Poker TDAは、2001年に設立されたポーカー業界の任意団体である。TDAの使命は、ポーカートーナメントのルールの世界的な統一性を高めることである。Poker TDAルールは、ハウスルールを補足する。ゲーミング規制当局の規則と競合するときは、規制当局の規則を優先して適用する。

一般概念

1: フロアの決定

フロアは、ゲームにとっての最善の利益と公平性を最優先に意思決定する。通常とは異なる状況では、公平性を考慮した常識的な決定が、技術的なルールよりも優先されることがある。フロアの決定は最終となる。

2: プレイヤーの責務

プレイヤーは、登録情報と配席を確認し、SAが起きる前に正しい枚数のカードを受け取ったことを確認し、自分のハンドを保護し、意図を明確に伝え、アクションを追い、適切な用語とジェスチャーで順序に沿ってアクションし、自分のアクションの権利を守るべきである。また、カードを見える状態に保ち、チップを正しく積み、ライブハンドを持つ間はテーブルに留まり、ショーダウンで勝負するときはすべてのカードを適切に開示し、誤りに気づいたら指摘し、遅滞なくプレイし、必要なときはクロックを要求し、速やかにテーブルを移動するべきである。ワンプレイヤーワンハンドの原則を守り、ルールを理解して順守し、適切なエチケットを実践し、差別的・不快な行為を見たり受けたりしたときはハウスに報告し、すべてのプレイヤーが歓迎されていると感じられる、秩序あるイベントに貢献するべきである。

3: 公式用語とジェスチャー

A: 公式のベッティング用語とは、ベット、レイズ、コール、フォールド、チェック、オールイン、コンプリート、ポット(ポットリミットのみ)など、簡潔で誤解の余地がなく、長年使われてきた宣言をいう。地域的な用語も、この基準を満たすことがある。また、プレイヤーはアクションに直面した際、ジェスチャーの使用に注意しなければならない。テーブルをタップすることはチェックとなる。

B: アクションに直面しているプレイヤーは、公式のベッティング用語を、自分のアクションを宣言するとき以外に使ってはならない。質問や普段の会話で使った公式のベッティング用語も、そのプレイヤーが意図したアクションと合理的に解釈できるときは、拘束力のある宣言と判断されることがある。曖昧さを避けるため、プレイヤーは質問するとき、中立的な言い方をすべきである。例:「彼はレイズした?」はレイズの宣言と解釈されることがあるため、「彼のアクションは何でしたか?」と尋ねる方がよい。

C: 意図を明確に伝える責任はプレイヤーにある。標準的でない用語やジェスチャーの使用はプレイヤー自身のリスクとなり、意図とは異なる裁定が下されることがある(第2項および第44項も参照)。

4: プレイヤーの識別

プレイヤーは、常に誰であるかを明確に識別できる状態でなければならない。トーナメントスタッフは、プレイヤーの識別を妨げたり、他の参加者の気を散らせたりするもの(サングラス、フード、その他の顔を覆うもの)を外すよう求めることができる。

5: 電子機器および通信

A: プレイヤーはテーブルで電話による通話をしてはならない。着信音、音楽、画像、動画などは、他者に聞こえず、他者の妨げにならないようにするべきである。使用が認められた電子機器、写真撮影、動画撮影、通信その他の技術は、迷惑行為、ゲームの遅延、ゲームの公正性の侵害、競技上の優位性を生じさせてはならず、ハウスおよびゲーミング規制の対象となる。秘密裏の記録、通信、外部からの支援(AIエージェントを含む)が可能なウェアラブル機器(スマートグラス、隠しカメラなど)その他の技術は、TDが個別に許可したときを除き、テーブルでは禁止する。

B: 電話その他の機器をテーブル上に置いてはならない。

C: ライブハンドを持つプレイヤーは、電子機器や通信機器を操作したり、これらとやり取りしたりしてはならない。対象となる機器の定義には新たな技術も含まれ、TDが随時更新する。

D: ベッティングアプリ、チャートその他のポーカー戦略ツールをテーブルで使用してはならない。また、他者や他の情報源からポーカー戦略に関するデータを受け取ったり、使用したりしてはならない。第5項の違反には、第74項のペナルティが科されることがある。

6: 公式言語

ハウスは、テーブルで使用できる言語を明確に掲示しアナウンスする。

シーティング、バランシングとテーブルブレイク

7: チップを所持するプレイヤーのトーナメント参加

プレイヤーは、チップを所持した時点でトーナメントに参加しているものとみなす。チップを所持していて、まだ着席していないプレイヤーは、直ちに指定されたテーブルへ向かわなければならない。新規バイイン、オルタネイト、テーブルブレイクによる移動もこれに含まれる(第35項「ブラインドの回避」も参照)。

8: ランダムで正確な配席

トーナメントおよびサテライトの席はランダムに割り当てる。正しいチップスタックを持って誤った席からプレイを始めたプレイヤーは、その時点の全チップスタックを持って正しい席へ移動する。

9: オルタネイト、レイトレジストレーション、リエントリ

A: オルタネイト、レイトレジストレーション、リエントリのプレイヤーは、フルスタックを購入する。その時点の新規プレイヤーと同一の手順および同一のシートプールから、テーブルと席をランダムに決定する。SBとボタンの間を除き、配席された席からハンドに参加する(参加可能なプレイヤー数を最大にするボタン配置について、第36項-Bも参照)。

B: リエントリイベントで、チップを放棄して新たなスタックを購入することが認められているとき、放棄されたチップはプレイから取り除く。

10: 特別な支援

特別な支援が必要なプレイヤーには、可能な限り便宜が図られる。

11: 新規プレイヤーとブレイクしたテーブルからのプレイヤー

A: トーナメントに新たに参加するプレイヤーと、ブレイクしたテーブルから移動するプレイヤーは、SB、BB、ボタンを含むどの席にも配席され、その席からハンドに参加できる。ただし、SBとボタンの間ではハンドに参加できない。

B: ブレイクしたテーブルのプレイヤーには、2段階のランダム手順で、新たなテーブルと席を割り当てる(追補例解参照)。

12: テーブルバランスとプレイの中断

A: フロップゲームおよびミックスゲームのバランシングでは、次にBBになるプレイヤーを、移動先で最も不利なポジションへ移動させる。シングルBBとなる席があれば、その席も対象となり、同じ席が2ハンド連続でBBになってもよい。最も不利なポジションがSBになることはない。スタッドのみのイベントでは、ポジションに応じて移動させる(人数の少ないテーブルで最後に空いた席を埋める)。

B: ミックスゲーム(例:HORSE)でホールデムからスタッドへ移るとき、最後のホールデムのハンド終了後、次のハンドもホールデムであれば置かれる位置へボタンを進め、スタッドの間はその位置に固定する。スタッド中に移動対象となるのは、そのハンドがホールデムであればBBに当たるプレイヤーである。ホールデムに戻るときは、固定していた位置からボタンを開始する。

C: テーブルブレイクの手順は公表するべきではない。テーブルをランダムにブレイクする方法を採用してもよいが、必須ではない。

D: 敗退によって、最も人数の多いテーブルより3人以上少なくなったテーブルでは、ブラインドに影響が生じた時点でプレイを中断する(追補例解参照)。その他の形式(6人制、ターボなど)では、TDの裁量でプレイを中断する。TDは中断を免除することができ、その免除はミスディールには当たらない。イベントの進行に応じて、TDの裁量でテーブル人数をより均等に調整するべきである。

ポット/ショーダウン

13: ショーダウンでの宣言とカードスピーク

勝敗はカードスピーク、すなわち実際のカードによって決定する。ショーダウンでは、ハンドの強さに関する口頭の発言や、「フォールド」「あなたの勝ち」「持っていって」などのアクションの宣言には拘束力がない。ただし、故意にハンドを偽って申告したときはペナルティを科すことがある。ディーラーは、ショーダウンでハンドの強さを読み上げるべきである。ハンドに参加しているか否かにかかわらず、ハンドの判定、ポットの計算や授与に誤りがあると思った者は、声に出して指摘するべきである。

14: カードの開示と勝ちハンドのキル(無効化)

A: 適切な開示とは、1) すべてのカードを表向きにテーブル上へ置き、2) ディーラーとプレイヤーがハンドを明確に判定できる状態にすることの両方を満たすものをいう。「すべてのカード」とは、ホールデムではホールカード2枚、オマハではホールカード4枚、7カードスタッドでは7枚すべてなどを指す。

B: ショーダウンでは、判定を待っている間もプレイヤーは自分のハンドを保護しなければならない(第67項も参照)。すべてのカードを完全には開示せず、勝ったと思ってマックすることは、プレイヤー自身のリスクとなる。ハンドを100%確実に回収・識別できず、かつTDがハンドは明確には判定されていなかったと判断したとき、そのプレイヤーはポットを請求する権利を持たない。十分に開示されていたかどうかのTDの判断は最終決定となる。

C: ディーラーは、適切に開示された明らかな勝ちハンドをキルできない。

15: ショーダウンでのライブカード

開示していないカードを裏向きに捨てても、自動的にキルされるわけではない。カードが100%識別でき、回収できる状態であれば、プレイヤーは考えを変えて開示できる。カードは、ディーラーによってマックに押し込まれるか、その他の方法で回収・識別できない状態にされたときにキルとなる。

16: ショーダウンとカードの放棄に関する不規則な状況

A: 勝ちハンドになるカードをプレイヤーが1枚だけ開示したとき、ディーラーはすべてのカードを開示するよう促すべきである。プレイヤーが拒否するときはフロアを呼ぶべきである。

B: ベットしたプレイヤーが、他のプレイヤーがまだハンドに残っていることを忘れ、勝ったと思ってカードを捨てたとき、ディーラーはそのカードを確保してフロアを呼ぶべきである(第60項の例外)。カードがマックされ、100%の確実性で回収・識別できないとき、そのプレイヤーはハンドから外れ、コールされたベットの返却を受ける権利を失う。カードがマックされ、そのプレイヤーが行ったベットまたはレイズがまだコールされていないときは、コールされていない額を返却する。

C: ショーダウンで開示された負けハンドは、裏向きにし、勝者が決まってポットが授与されるまで、マックに混ぜず、識別できる状態で残しておくべきである。

17: オールイン時の開示

プレイヤーがオールインし、ほかのプレイヤーのベッティングアクションがすべて終わったら、すべてのハンドは遅滞なく開示する。オールインしたプレイヤーをはじめ、すべてのベッティングアクションにコールしたプレイヤーは、カードを適切に開示せずにマックすることはできない。メインポットとサイドポットに関わるすべてのハンドは開示されなくてはならず、有効である(追補例解 第17項参照)。

18: オールインのないショーダウンとその順序

A: オールインがないショーダウンで、プレイヤーが自発的にカードを開示したり捨てたりしないとき、TDは開示の順序を指定することができる。最終ベッティングラウンド(最終ストリート)で最後にアグレッシブなアクションをしたプレイヤーが、最初に開示しなければならない。最終ベッティングラウンドでベットがなかったときは、そのラウンドで最初にアクションする位置のプレイヤーが、最初に開示しなければならない。例えば、フロップゲームではボタンの左側から最初にいる、ハンドに残っているプレイヤー、スタッドでは公開カードによるハンドが最も強いプレイヤー、ラズでは公開カードによるハンドが最も低いプレイヤーなどが該当する。

B: オールインのないショーダウンで、1人を除く全員がカードを開示せずに裏向きでマックしたとき、ライブカードを持つ最後の1人が勝ちとなる。そのプレイヤーは、カードを開示する必要はない。

19: ハンドの開示要求

A:ショーダウンのときにカードを持っていないプレイヤーや、開示せずにカードをフェイスダウンでマックしたプレイヤーは、ほかのハンドを見る権利やそれを要求する特権を失う。

B:リバーでベットがあったとき、コールしたプレイヤーは、自らのハンドを保持しているか開示していることが前提として、最後にアグレッシブなアクションをとったプレイヤーのハンド(「見るために支払ったハンド」)を開示させる絶対的な権利があり、それを必要に応じて要求することができる。そのほか、コールしたプレイヤーに対する要求や、リバーでベットがなかったときの要求などは、TDの裁量による(追補例解 第19項参照)(2013年採用)。

20: ショーダウンでのボードプレイ

ボードプレイによってポットの一部を獲得するには、プレイヤーはすべてのホールカードを開示しなければならない(第14項-A参照)。

21: 端数チップの授与

まず、端数チップをプレイ中の最小額面のチップに両替する。

A) ボードゲームで同順位のハイハンドまたはローハンドが2つ以上あるとき、端数チップはボタンの左側から最初の該当席に与える。

B) スタッド、ラズ、およびスタッド/8で同順位のハイハンドまたはローハンドが2つ以上あるとき、勝ちハンドを構成する5枚のうち、スートによる優劣も含めて最も高いカードを持つプレイヤーに与える。

C) ハイ/ロースプリットでは、ポット全体を分けた際の端数チップはハイ側に与える。

D) ハイ/ローではない非標準的なゲームでは、最も不利なポジションに端数チップを与える。

22: BBAにおける順位とバウンティプライズ

ビッグブラインドアンティを採用するゲームで、入賞圏内において2人以上のプレイヤーが敗退したとき、アンティを支払った後の開始スタックが大きいプレイヤーを上位とする。同様に、バウンティが設定されているとき、アンティ支払い後のスタックが大きいプレイヤーが、より高額なプライズを受け取る。

23: サイドポット

サイドポットはそれぞれ別々に分ける。

24: ハンドとポットへの異議

開示されたハンドの判定には、次のハンドが始まるまで異議を申し立てることができる(第25項参照)。ポットの計算・授与に関する計算上の誤りには、次のハンドでSAが起きるまで異議を申し立てることができる。休憩中にハンドが終了したとき、あらゆる異議申立ての権利は、ポット授与から1分後に失われる。

一般手続

25: 新たなハンド/新たなベッティングリミット

A: 新たなレベルは、フロアのアナウンスまたはトーナメントクロックの音による合図で正式に始まる。新たなベッティングリミットは、次のハンドから適用する。

B: ハンドは、最初のリフル、シャッフラーボタンの押下、またはディーラー交代によって始まる。誤って前のレベルでハンドを始めたとき、サブスタンシャルアクションが起これば、そのハンドは前のレベルで続行する(第38項参照)。ディーラー交代中に新たなレベルが始まったとき、交代後のディーラーは1ハンドを前のレベルで配る。

C: ディーラーが正式なレベル変更に気づいていないとき、誰でもそのことを指摘でき、ディーラーは直ちに正しいベッティングリミットを適用しなければならない。

26: チップレース、予定されたカラーアップ

A: 予定されたカラーアップでは、1番席からチップレースを行い、1人に与えるチップは最大1枚とする。チップレースによってプレイヤーを敗退させてはならない。チップレースで最後のチップを失うプレイヤーには、プレイ中に残る最小額面のチップを1枚与える。

B: プレイヤーはすべてのチップを完全に見える状態にしなければならず、チップレースへの立ち会いが推奨される。

C: レース後に、取り除かれた額面のチップを持っているプレイヤーがいたとき、現在使用している額面のチップと等価でのみ交換する。取り除かれた額面のチップの合計が、現在の最小額面に満たないときは、補償せずに取り除く。

D: テーブルでアクションが行われていないときに、他のプレイヤーからチップを買い集める役として、プレイ中のプレイヤー1人を指定してもよい。

27: カードとチップの視認性、数えやすさ、管理、および裁量によるカラーアップ

A: プレイヤー、ディーラーおよびフロアは、チップ量を合理的に見積もれる状態を求める権利がある。このため、チップは同じ額面を20枚ずつ、整った縦のスタックにして置かなければならない。高額面のチップは、常に見え、識別できる状態にしなければならない。フロアがスタックを見てすぐに額を見積もれないなら、プレイヤーにとっても同様であると考えられる。

B: TDはプレイ中のチップの枚数と額面を管理し、いつでも裁量により1人以上のプレイヤーのチップをカラーアップできる。裁量によるカラーアップはアナウンスしなければならない。

C: プレイヤーはライブハンドを常にはっきり見える状態で保持しなければならない。

28: デックチェンジ

デックチェンジは、ディーラー交代のとき、またはレベルアップのとき、もしくはハウスが指定したタイミングで行う。プレイヤーはデックチェンジを要求できない。

29: リバイ

プレイヤーは、ハンドをプレイせずにやり過ごしてはいけない。新しいハンドが始まる前にリバイの意思を示したプレイヤーは、リバイ分のチップをまだ受け取っていなくても、そのチップを保有するものとしてプレイし、必ずリバイを行わなければならない。

30: ラビットハンティング

ラビットハンティング(ハンドが終了していなければ配られていたカードを見ること)は認めない。

31: クロック要求

プレイヤーは適切なゲーム進行速度を保つため、遅滞なくアクションするべきである。TDが合理的な時間が経過したと判断したとき、TDはクロックを宣言でき、また、そのイベントのいずれかのプレイヤーからのクロック要求を認めることができる。クロックを要求するプレイヤーは、自分の席にいなければならない(第32項参照)。クロックを宣告されたプレイヤーには、最大25秒と、その後の5秒のカウントダウンが与えられる。ベットに直面したまま時間切れになったときはデッドハンドとなり、ベットに直面していないときはチェックとなる。時間切れとアクションが同時のときは、プレイヤーのアクションを認める。TDは、ゲームに合わせ、継続的な遅延を防ぐため、制限時間の調整その他の措置を講じることができる(第2項、第73項、第74項も参照)。

プレイヤーの在席/ハンドの資格

32: 自分の席にいることとライブハンド

ライブハンドを持つには、最初のディールで全プレイヤーへの最後のカードが配られる時点で、プレイヤーは自分の席にいなければならない。その時点で席にいないプレイヤーはカードを見ることができず、ハンドは直ちにキルされる。そのプレイヤーが出したブラインドとアンティはポットに入り、不在のプレイヤーにスタッドのブリングインカードが配られたときはブリングインも支払う。「自分の席にいる」とは、自分の椅子に手が届く範囲にいることをいう。このルールは、ハンド中に席を離れることを推奨するものではない。

33: アクション継続中にテーブルにいること

ライブハンドを持つプレイヤーは、オールインしたプレイヤーやベッティングを終えたプレイヤーも含め、すべてのベッティングラウンドとショーダウンの間、テーブルに留まらなければならない。テーブルを離れることは、自分のハンドを保護し、アクションを追う責務に反するため、ペナルティの対象となる。

ボタン/ブラインド

34: デッドボタン

トーナメントにおいては、デッドボタン方式を採用する。

35: ブラインドの回避

ブラインドを意図的に回避するプレイヤーにはペナルティを科す(第74項-B参照)。

36: ボタンの位置と移動

A: ボタンの移動の誤りがSA前に判明したときは修正する。SA後に判明したときは、そのままプレイを続ける。例:ボタンを2回進めてSAが起きたとき、その誤りは確定し、次のハンドでボタンを戻すことはしない。すべてのプレイヤーはボタン位置を確認し、誤りに気づいたら指摘する責任を負う(第2項参照)。

B: ボタンは特定の席に属するものではない。プレイヤーの敗退によってデッドボタンとなり、新たなプレイヤーを受け入れられる空席が複数あるとき、通常のブラインドの順序を保ち、できるだけ多くの新たなプレイヤーを着席させるため、ボタンを1席以上の空席分進める。ただし、BBを飛ばされるプレイヤーや、連続してBBを支払うプレイヤーが生じてはならない。例:9番席がボタン、1番席がSB、2番席と3番席は空席、4番席がBBである。このハンドで1番席のSBが敗退したとき、次のハンドではボタンを3番席まで進め、4番席をSB、5番席をBBとして配る。これにより、新たなプレイヤーはボタンとブラインドの間に入ることなく、1番席と2番席に着席できる。

C: ヘッズアップでは、SBがボタンとなり、最後のカードを受け取り、プリフロップでは最初に、以後のベッティングラウンドでは最後にアクションする。ヘッズアップ開始時には、同じプレイヤーが2回連続でBBにならないよう、ボタン位置の調整が必要となることがある。

ディールルール

37: ミスディールとファウルデック

A: ミスディールには次の状況が含まれるが、これに限らない。1) 最初のディールで2枚以上のボックスカードがあった。2) 最初のカードが誤った席に配られた。3) ハンドを受ける資格のない席にカードが配られた。4) ハンドを受ける資格のある席にカードが配られなかった。5) いずれかのプレイヤーに誤った枚数のカードが配られた(第39項を除く)。6) フロップゲームで、デックから最初に配られる2枚のうち1枚、またはその他の裏向きに配るカード2枚が、ディーラーのエラーによってエクスポーズした。ドローゲーム(ローボールなど)にはハウスルールを適用する。

B: ボタンのプレイヤーには、2枚連続でカードが配られることがある(第39項も参照)。

C: ミスディール後の再ディールは、元の状況をそのまま再現する。ボタンを動かさず、新たなプレイヤーを着席させず、ベッティングリミットも変更しない。元のディールでカードが配られたが席にいなかったプレイヤーにも配り、そのプレイヤーは再ディールに参加できる(第32項参照)。元のディールでカードが配られたペナルティ中のプレイヤーにもカードを配り、その後ハンドをキルする。ペナルティ中のプレイヤーにとって、元のディールと再ディールは合わせて1ハンドであり、2ハンドとは数えない。

D: 一度SAが起きると(第38項参照)、ミスディールを宣言できない。ファウルデックでない限り、そのハンドを続行しなければならない。

E: ファウルデック。同じスート・ランクのカードが2枚以上含まれるとき、またはゲーム種別に適さないカード(通常のゲームにおけるジョーカー、ショートデックにおける2・3・4・5など)が含まれるとき、そのデックはファウルデックとなる。その他の条件は、地域のゲーミング規制およびハウスポリシーで定めることができる。ファウルデックが見つかったときは、SAの有無にかかわらずプレイを中断し、すべてのベットを返却する。ハンド終了後は、第24項に従い、ファウルデックを理由とする異議申立ての権利が失われる。

38: サブスタンシャルアクション(SA)

サブスタンシャルアクションとは、A) 順序に沿った2つのアクションで、その少なくとも1つがチップをポットに入れるもの(2回のチェック、または2回のフォールドを除く任意の2アクション)、またはB) 順序に沿った3つのアクションの任意の組合せ(チェック、ベット、レイズ、コール、フォールド)をいう。ブラインドのポストはSAに数えない(第37項-Dおよび第55項-A-2〔原文は第55項-B〕参照)。注:これは「シグニフィカントアクション(Significant Action)」とも呼ばれ、両者は同じ意味である。

39: 少ない枚数でのボタン

ボタンのプレイヤーに通常よりも少ない枚数のカードしか配られたとき、そのことをすぐに報告するべきである。配られなかったボタンのカードは、ゲームタイプが許せば、SA後でもカードを配ることができる。しかし、カードの枚数が少ないまま、ボタンのプレイヤーがアクションを起こしたとき(チェックやベットをしたとき)、デッドハンドとなる。

40: サブスタンシャルアクション後のバーン

バーンカードの目的はスタブの保護であり、カードの順序を維持することではない。SA後、カードの枚数が誤っているためにハンドがキルされたとき、そのハンドのカードはすべてマックし、以後のディールにはランダム性を適用する(推奨手順-14も参照)。スタブは通常のスタブとして扱い、以後の各ストリートでは、スタブから必ず1枚だけバーンする。バーンは常に1ストリートにつき1枚であり、それ以上は行わない(追補例解参照)。

41: 不規則なフロップとアクションが終わる前に配られたカード

A: 4枚のフロップ。フロップが3枚ではなく4枚であったとき、表向きになっているか否か、最初のカードが分かっていると推測されるか否かにかかわらず、フロアを呼ぶ。ディーラーは4枚を裏向きで混ぜ、フロアがランダムに1枚を次のバーンカードとして選び、残る3枚をフロップとする(推奨手順-14も参照)。

B: 3枚のフロップの前にバーンしていなかったとき、表向きになっているか否か、最初のカードが分かっていると推測されるか否かにかかわらず、まだアクションがなければ、3枚を裏向きに混ぜて1枚をバーンカードとして選ぶ。残る2枚とスタブの次の1枚をフロップとする。すでに何らかのアクションがあったときは、1回のチェックだけであっても、最初の3枚でプレイを続ける。ターンの前には1枚だけバーンする。

C: アクションが終わる前に配られたカードについては、推奨手順-5を参照。

D: ハンド中の再シャッフル。ゲームの公正性を守るため、ハンドの進行中にスタブをシャッフルし直すときは、必ずカードを裏向きのまま、表を見せずにシャッフルする。アクションが終わる前に配られたカード(第41項、推奨手順-5参照)、順序が乱れたスタブ(推奨手順-4参照)、ドローやスタッドで追加のカードが必要となるとき(推奨手順-10-H参照)などが該当する。

プレイ: ベットとレイズ

42: ベットの方法:口頭の宣言とチップ

A: ベットは、口頭の宣言、チップを前に出す動作、またはその両方によって行う。プレイヤーが両方を行ったとき、先に行われた方がベット内容を決定する。同時に行われたときは、明確で合理的な口頭の宣言を優先し、それ以外は出されたチップによって決定する。状況が不明確なときや、口頭の宣言とチップが矛盾するとき、TDは状況と第1項に基づいてベットを決定する(追補例解 第42項-A参照)(第59項も参照)。

B: 口頭の宣言は、一般的な用語のみ(「コール」「レイズ」)、具体的な額のみ(「1,000」)、またはその両方(「レイズ、1,000」)で行うことができる。

C: すべてのベッティングルールにおいて、具体的な額のみを宣言することは、同額のチップを黙って前に出すことと同じに扱う。例:「200」と宣言することは、200のチップを黙って前に出すことと同じである。

43: コールの方法

標準的で認められるコールの方法には、A) 「コール」と言う、B) コール額と同額のチップを前に出す、C) 黙ってオーバーチップ1枚を前に出す、D) 複数チップルール(第47項参照)によりコールに当たる複数のチップを黙って前に出す、という方法がある。ベットに対して極端に少額のチップを黙って出すこと(例:ブラインド2,000-4,000で、Aの50,000のベットに対し、Bが黙って1,000チップを1枚出す)は標準的でなく、強く推奨されない。ペナルティの対象であり、フルコールとすることを含め、TDの裁量で解釈する。

44: レイズの方法

ノーリミットとポットリミットでは、レイズはA) 全額のチップを1回の動作で前に出す、またはB) チップを出す前に総額を口頭で宣言する方法で行わなければならない。意図を明確に伝える責任はプレイヤーにある。注:2段階の動作によるレイズは2019年に廃止された。

45: レイズ額

A: レイズの上乗せ額は、そのベッティングラウンドでそれまでに行われた最大のフルベット額またはフルレイズの上乗せ額以上でなければならない。上乗せ額がこの基準額の50%以上で、ミニマムレイズに満たないとき、プレイヤーはフルミニマムレイズとなる額まで補わなければならない。上乗せ額が50%未満のときはコールとなる。ただし、先に「レイズ」と宣言したとき、またはプレイヤーがオールインしているときは除く(第47項-B参照)。額を宣言することと、同額のチップを出すことは同じに扱う(第42項-C参照)。例:NLHEでオープンベットが1,000のとき、「1,400」と口頭で宣言することも、黙って1,400のチップを出すことも、先にレイズと宣言していなければコールとなる(追補例解参照)。

B: 他に意図を明らかにする情報がなければ、「レイズ」と額を宣言したとき、その額はベットの総額を表す。例:Aが2,000でオープンし、Bが「レイズ、8,000」と宣言したとき、総額は8,000である。

46: オーバーチップによるベット

ベットまたはブラインドに直面しているとき、コールに必要な額を超えるチップ1枚(最後の1枚のときも含む)を前に出すことは、先に「レイズ」と宣言していなければコールとなる。オーバーチップ1枚でレイズするには、チップがテーブル面に触れる前に「レイズ」と宣言しなければならない。「レイズ」と宣言したものの額を示さなかったとき、そのチップで認められる最大の総額へのレイズとなる。ベットに直面していないとき、何も宣言せずにオーバーチップを前に出すことは、そのチップの最大額のベットとなる。

47: 複数チップでのベット

A: ベットに直面しているとき、先に「レイズ」または「オールイン」と宣言していなければ、複数チップによるベット(手元の最後のチップを使うときも含む)は、すべてのチップがコールに必要なときにはコールとなる。すなわち、最小額面のチップを1枚取り除くと、残る額がコール額に満たなくなるときである。例1:Aが400でオープンし、Bが700を上乗せして総額1,100にレイズした。Cが500チップ1枚と1,000チップ1枚を黙って出したとき、コールとなる。500チップを取り除くと、コール額1,100に満たなくなるためである。例2:NLHE、ブラインド25-50。ポストフロップでAが1,050でオープンし、Bが手元の最後のチップである1,000チップ2枚を出したとき、先に「レイズ」または「オールイン」と宣言していなければコールとなる。

B: 最小額面のチップを1枚取り除いても、コール額以上が残るとき:1) プレイヤーの手元にチップが残っていれば、第45項の50%基準に従ってベット額を決定する。2) 手元の最後のチップを使ったベットであれば、50%基準に達するかどうかにかかわらず、オールインとなる(追補例解 第47項参照)。

48: まだ回収されていない以前のベットチップ

A: 混乱を避けるため、以前のベットチップがまだポットに回収されていないプレイヤーがレイズに直面したときは、そのチップに追加する前に、アクションを口頭で宣言するべきである。

B: レイズに直面しているときに、以前のベットチップを明らかに引き戻すと、コールまたはレイズをしなければならない。チップを再び前に置いてフォールドすることはできない。

C: 新たなチップが黙って追加され、ハウスにとってベットが不明確なとき、第43〜47項のコールとレイズのルールを次のように適用する。1) 以前のチップがコール額に足りず、かつ、そのまま残されているか、すべて引き戻されているとき、オーバーチップ1枚の追加はコールとなり、新たな複数チップには50%レイズ基準(第45項参照)を適用する。2) 以前のチップが一部だけ引き戻されているとき、または以前のチップだけでコール額を満たしているとき、最終的に出されたチップの合計が50%基準(第45項、第47項参照)に達すればレイズ、達しなければコールとなる(追補例解参照)。

49: ベッティングのリオープン

A: ノーリミットとポットリミットでは、オールイン(複数のショートオールインの累積を含む)の上乗せ額がフルベット額またはフルレイズの上乗せ額に満たないとき、すでにアクションしたプレイヤーにアクションが戻った際、そのプレイヤーが少なくともフルベット額またはフルレイズの上乗せ額に相当する追加額に直面していなければ、ベッティングはリオープンしない。複数のショートオールインによってベッティングがリオープンするときも、ミニマムレイズの上乗せ額は、そのラウンドの最後の有効なフルベット額またはフルレイズの上乗せ額である(第45項も参照)。

B: リミットでは、すでにアクションしたプレイヤーに対してベッティングがリオープンするには、フルベット額またはフルレイズの上乗せ額の少なくとも50%に相当する追加額が必要となる(追補例解参照)。

50: 許されるレイズの回数

ノーリミットとポットリミットでは、レイズの回数に制限はない。リミットでは、イベントの残りプレイヤー数が2人に減るまでは、ヘッズアップのときでさえレイズ回数が制限される。制限される回数は、ハウスが定める。

51: 受け入れられたアクション

ポーカーは、注意深く継続して状況を観察するゲームである。他者が何を述べたかにかかわらず、コールする前に相手の正しいベット額を確認する責任は、コールするプレイヤーにある。カウントを求めたものの、ディーラーやプレイヤーから誤った情報を受け、その額のチップを出すか「コール」と宣言したときでも、そのプレイヤーは本来の正しいアクションの全額を受け入れたものとみなされ、正しいベット額またはオールイン額に拘束される。他の状況と同様、TDの裁量により第1項を適用することがある(推奨手順-12も参照)。

52: 順序に沿ったアクション

A: プレイヤーは、口頭の宣言、チップを前に出す動作、またはその両方によって、順序に沿ってアクションしなければならない。順序に沿ったアクションには拘束力があり、そのチップはポットに入って、そのままポットに残る。

B: プレイヤーは、ベット額が明確になるまでアクションを待たなければならない。例:NLHEでAが額を言わずに「レイズ」と宣言し、Bがすぐにフォールドした。Bは、Aのレイズ額が明らかになるまで待つべきである。

53: 拘束力を持つ宣言/順序に沿ったアンダーコール

A: 順序に沿って行う「コール」「レイズ」などの一般的な口頭の宣言は、その時点で求められるアクションの全額についてプレイヤーを拘束する(追補例解参照)。

B: 先に「コール」と宣言せず、コールに必要な額に満たない額を宣言したり、その額のチップを出したりすることをアンダーコールという。順序に沿ったアンダーコールが、1) ヘッズアップでのあらゆるベット、または2) マルチウェイのいずれかのラウンドのオープンベットに対して行われたとき、必ずフルコールしなければならない。それ以外はTDの裁量による。オープンベットとは、各ベッティングラウンドで最初にチップを出すベットであり、チェックではない。ブラインドゲームでは、ポストされたBBがプリフロップのオープンベットとなる。オールインボタンはアンダーコールを減らす効果がある(推奨手順-1参照)。本項は、フルコールが必要なときと、TDの裁量によりアンダーコールのために意図した額を放棄してフォールドできるときを定める(追補例解参照)。アンダーベットおよびアンダーレイズは第54項を参照。

C: 2人以上のアンダーコールが連続したとき、最初のアンダーコールをしたプレイヤーまでプレイを戻し、そのプレイヤーは第53項-Bに従ってベットを修正しなければならない。残るベッターのハンドの扱いは、状況に応じてTDが決定する。

54: 不正確なベット、アンダーベット、アンダーレイズ

A: リミットとノーリミットで、有効な最低額に満たないオープンベットまたはレイズがあったとき、そのストリート中であれば修正する。リバーでは、ショーダウンが始まる前まで修正できる。例:NLHE、ブラインド100-200。ポストフロップでAが600でオープンし、Bが総額1,000にレイズした(必要額に200不足)。CとDがコールし、Eがフォールドした後、誤りが発覚した。ターンが配られる前であれば、すべてのベッターの額を総額1,200に増やす。ターンが配られた後は、その誤りを確定とする。アンダーコールについては第53項を参照。

B: ポットリミットで、誤って伝えられたポット額に基づいてプレイヤーがベットしたとき、伝えられた額が実際のポット額より多ければ(そのベットは認められないベットとなる)、そのストリート中はすべてのプレイヤーについて修正する。伝えられた額が実際のポット額より少なければ、そのベット後にSAが起こるまで修正できる(追補例解参照)。

55: 順序に沿わないアクション(アウトオブターン:OOT)

A: マルチウェイ(そのハンドに3人以上いるとき): 1: OOTのアクション(チェック、コール、レイズ)があったとき、本来の順序のプレイヤーまでアクションを戻す。OOTはペナルティの対象であり、OOTしたプレイヤーに至るまでのアクションが変わらなければ、そのアクションには拘束力がある。本来の順序のプレイヤーによるチェック、コール、フォールドは、アクションの変更には当たらない。アクションが変わったとき、OOTは拘束力を失い、そのベットまたはレイズは返却され、OOTしたプレイヤーはコール、レイズ、フォールドのすべてを選択できる。OOTのフォールドには拘束力がある(追補例解参照)。 2: OOTによって順序を飛ばされたプレイヤーは、自分のアクションの権利を守らなければならない。合理的な時間があったにもかかわらず、自分より後の位置でOOTによるSA(第38項参照)が起こる前に指摘しなかったとき、そのOOTには拘束力が生じる。アクションは順序を飛ばされたプレイヤーに戻し、そのハンドの扱いはフロアが状況に応じて決定する。非アグレッシブなアクションに制限することや、デッドハンドとすることもある(追補例解参照)。

B: ヘッズアップ(そのハンドにAとBの2人だけが残っているとき)で、Bが順序を飛ばして受動的なアクション、すなわちチェックをしたとき、BはAからのどのベットに対してもコールまたはフォールドしかできず、そのベッティングラウンドでレイズすることはできない。

56: ポットサイズとポットリミットのベット

A: プレイヤーがポットのカウントを要求できるのは、ポットリミットのみである。ディーラーはリミットとノーリミットではポットを数えない(推奨手順-21「ポットの広げ方」も参照)。

B: プリフロップでは、デッドブラインドや、ブラインド額に満たないショートオールインはポット計算に影響しない。プリフロップのポットベットとリポットは、ブラインドが全額ポストされたものとして計算する。例1:PLO、ブラインド100-200、SB不在、BBは200をポスト。例2:SBは100をポストし、BBはショートスタックで100だけをポスト。どちらも、最初のプレイヤーのポットリミットベットは700である。

C: ポストフロップのベットは、実際のポット額に基づく。

D: ノーリミットで「ポットをベット」と宣言しても、有効なベット額の宣言にはならない。ただし、そのプレイヤーは少なくともミニマムベット以上の有効なベットをしなければならず、ペナルティの対象となることもある。ベットに直面しているときは、有効なレイズをしなければならない。

57: 無効なベットの宣言

ベットに直面していないプレイヤーが、A) 「コール」と宣言したときはチェックとなる。B) 「レイズ」と宣言したときは、少なくともミニマムベットをしなければならない。ベットに直面して「チェック」と宣言したプレイヤーは、コールまたはフォールドを選べるが、レイズはできない。

58: ストリングベットとストリングレイズ

ストリングベットおよびストリングレイズは禁止する。これは、プレイヤーが一度ベットしたあと、再びスタックに手を伸ばし、追加のチップをベットする複数の動作を伴うものを指す。

59: 標準的でない、不明確なベッティング

非公式なベッティング用語やジェスチャーの使用は、プレイヤー自身のリスクとなり、意図とは異なる意味に解釈されることがある。また、宣言した額がルール上複数の意味に取れるときは、ベット前のポット額以下で、合理的に解釈できる最大の額とする。例:NLHE、ブラインド200-400、ポットが5,000未満のときに「5をベット」と宣言したとき、他に意図を明らかにする情報がなければ500のベットとなる。ポットが5,000以上であれば5,000のベットとなる。ここでいうポットには、それまでのすべてのベットが含まれ、プレイヤーの前にあり、まだ回収されていないベットも含む(第2項、第3項、第42項、第44項参照)。

60: 標準的でないフォールド

最終ベッティングラウンドが終了する前に、ベットに直面していない状況(チェックで回ってきたときや、ポストフロップで最初にアクションするときなど)で順序に沿ってフォールドしたとき、または順序に沿わずフォールドしたとき、そのフォールドには拘束力があり、ペナルティの対象となる(第16項-Bも参照)。

61: 条件付きの宣言と早すぎる宣言

A: 将来のアクションに関する条件付きの発言は標準的でなく、強く推奨されない。TDの裁量で拘束力を持たせたり、ペナルティを科したりすることがある。例:「あなたがベットしたら、私はレイズする」といった「もし〜なら」という発言。

B: Aが「ベット」または「レイズ」と宣言し、正確な額が分かる前にBがコールしたとき、TDは状況に最も適した裁定を行う。Bに対して、どのような額でもコールする義務を課すこともある。

62: 相手のチップスタックのカウント

プレイヤー、ディーラーおよびフロアは、相手のチップスタックを合理的に見積もれる状態を求める権利がある(第27項〔原文は第25項〕参照)。より正確なカウントを要求できるのは、オールインベットに直面し、かつ自分のアクションの順番であるプレイヤーのみである。オールインしたプレイヤー自身に数える義務はなく、要求があればディーラーまたはフロアが数える。受け入れられたアクションのルールを適用する(第51項参照)。見やすく数えやすいチップスタック(第27項参照)は、カウントの正確性を大きく高める。

63: お釣りを期待したオーバーベット

ベットを両替の手段として使うべきではない。意図したベットより多くのチップを前に出すと、テーブルの全員を混乱させる可能性がある。黙って前に出したチップは、すべてベットに含められるリスクがある。例:オープンベットが325で、Aが200のお釣りを期待し、黙って525(500を1枚、25を1枚)を出したとき、複数チップルール(第47項参照)により総額650へのレイズとなる。

64: オールイン後に残っていたチップが見つかったとき

Aがオールインし、他のプレイヤーがコールした後、Aの手元に隠れていたチップが見つかったとき、そのチップを受け入れられたアクション(第51項参照)の一部とするかどうかはTDが決定する。アクションに含めないとき、Aが勝ってもそのチップ分の支払いは受けられない。Aが負けたとき、そのチップを残して敗退を免れることはできず、TDは勝ったコーラーにそのチップを与えることができる。

プレイ: その他

65: 見えない状態のチップと移動中のチップ

プレイヤーは、チップを他者から見えなくなる方法で保持したり運んだりしてはならない。違反したとき、そのチップは没収され、失格となることもある。没収されたチップはプレイから取り除く。TDAは、必要に応じてハウスがチップ運搬用のラックやバッグを提供することを推奨する。

66: 遺失物のチップ

遺失物のチップが見つかり、誰のものかが分からないとき、プレイから除外し、トーナメント用備品に戻す。

67: 誤ってキルされたハンド/問題が起きたハンド(ファウルハンド)/エクスポーズしたハンド

A: プレイヤーは、ショーダウンでハンドの判定を待っている間も含め、常に自分のハンドを守らなければならない。 ディーラーが誤ってハンドをキルしたとき、または他のカードが混ざるなどしてハンドに問題が起き、TDがそのプレイヤーのカードを100%確実には見分けられないと判断したときは、プレイヤーは救済を受けられず、コールされたベットの返却も受けられない。 そのプレイヤーがベットまたはレイズを行い、まだコールされていないときは、コールされていない額を返却する。

B: 他のカードが混ざるなどしてハンドに問題が起きても、そのプレイヤーのカードを見分けられるなら、カードがエクスポーズしていても、そのハンドでプレイを続ける。

68: スタッドでのデッドハンドとマック

スタッドポーカーで、プレイヤーがアクションのときにアップカードを取り上げると、そのハンドはデッドハンドとなる。スタッドにおける正しいマックは、すべてのアップカードを裏にして前に出すことである。

エチケットとペナルティ

69: 情報開示の禁止、ワンプレイヤーワンハンド

プレイヤーは、トーナメントの他のプレイヤーを常に保護しなければならない。そのため、ハンドに参加しているか否かにかかわらず、次のことをしてはならない。

1. ライブハンドやマックしたハンドの内容を話すこと。2. プレイについて、いつであっても助言したり批判したりすること。3. まだ適切に開示されていないハンドを読み上げること。

ワンプレイヤーワンハンドの原則を適用する。この原則は、他のプレイヤー、アドバイザー、観客にハンドを見せることや、これらの者と戦略を議論することなどを禁止する。

70: カードのエクスポーズと適切なフォールド

アクションが残っている間にカードをエクスポーズさせることは、最後にアクションするプレイヤーも含め、ペナルティの対象となることがあるが、デッドハンドにはならない。科されたペナルティは、そのハンドの終了後から開始する。フォールドするときは、カードをテーブル近くの低い位置で前に押し出すべきであり、意図的にカードをエクスポーズさせたり、高く投げたり(ヘリコプター投げ)するべきではない(第68項参照)。

71: 倫理的なプレイ

ポーカーは個人のゲームである。ソフトプレイにはペナルティを科し、チップ没収や失格となることもある。リバーで最後にアクションするプレイヤーが、単独のナッツを持ってチェックしても、自動的にソフトプレイ違反になるわけではない。状況に応じてTDが判断する。チップダンピングその他の共謀は失格とする。

72: プレイヤーの行動規範

すべての参加者は、安全で、礼節があり、平穏なトーナメント環境で参加する権利を持つ。スポーツマンシップに反する行為、ハラスメント、有害な言動は容認しない。これらの基準に違反したプレイヤーへのペナルティは、TDおよびフロアスタッフが専らその裁量で決定する。

禁止する行動には次が含まれるが、これに限らない。

・暴言や嫌がらせ:プレイヤー、スタッフ、観客への個人攻撃、侮辱、脅迫、性差別的発言、ヘイトスピーチ、ハラスメント。
・威圧的な行為:他の参加者への挑発、威嚇、敵意のある発言。
・カードやチップを用いた攻撃的行為:カードをテーブル外やスタッフ・プレイヤーに向けて投げること、物品を損壊すること。
・批判的な発言:他のプレイヤーのプレイや戦略への批判、嘲笑、その他の否定的な発言。
・ゲームの妨害:過度な私語、大声、ゲームの流れを妨げる迷惑行為。
・不適切な服装:侮蔑的、偏見に基づく、攻撃的、または違法なメッセージが記された衣服の着用。
・身元の隠蔽:身元を意図的に隠すマスクその他の物品の使用。
・飲酒や薬物による支障:社会的な振る舞いを変化させたり、イベントに支障を及ぼしたりする酩酊や薬物使用の兆候を示すこと。
・他者に不快感を与える衛生状態:個人の清潔を怠り、同じテーブルの他者に害や不快感を与えること。

73: ゲームの進行速度、動作・接触に関するマナー、プレイ手順

プレイヤーは、トーナメントの公正性と適正な進行速度を保つため、動作・接触に関する適切なマナーとプレイ手順を守らなければならない。禁止する戦術上・身体上の行為には次が含まれるが、これに限らない。

・継続的な遅延:意図的に、または繰り返しプレイの進行を遅くすること(ストーリング)。
・順序に沿わない行為:意図的に、または不注意に、自分の順番以外でアクション、フォールド、マック、退席をすること。
・ショーダウンでの虚偽申告:ショーダウンで実際と異なるハンドを意図的に、または繰り返し宣言すること。
・早すぎるカードのエクスポーズ:アクション完了前に、意図的に、または繰り返しカードを見せること。
・マックに関する違反:ハンド進行中に、すでにマックされたカードを公開すること。
・ゲームの操作:他の参加者の判断に影響を与えるため、虚偽の発言や行動をすること。
・共謀とソフトプレイ:ワンプレイヤーワンハンドへの違反、他者への助言、アクションの指示、ソフトプレイや最後までチェックすることへの合意。
・不必要な接触:他のプレイヤーの身体、カード、チップに不必要に触れること。
・チップとベットのエチケット違反:ポットの上にチップを投げ込んで混ぜること、ディーラーの手が届かない位置にベットすること。
・スタックの視認性に関する違反:カードを完全に見える状態にしないこと、または高額面のチップを前に置き、整った数えやすいスタックにしないこと。

74: 警告、ペナルティ、失格

A: 執行の選択肢には、口頭の警告、ハンド単位の参加停止ペナルティ(1ハンド以上)、周回単位の参加停止ペナルティ(1周以上)、チップペナルティ(推奨手順-26参照)、失格などがある。周回単位の参加停止ペナルティでは、ペナルティを科した時点のテーブル人数(本人を含む)にペナルティの周回数を掛けたハンド数だけ参加できない。同じ違反を繰り返したときは、段階的に厳しいペナルティを科す。テーブルを離れているプレイヤーやペナルティ中のプレイヤーも、アンティまたはブラインドの支払いによって敗退することがある。

B: 暴言、妨害行為、ブラインド回避、不正行為、ソフトプレイにはペナルティを科す。第72項および第73項のその他の違反にも、ペナルティを科すことがある。

C: ペナルティ中のプレイヤーは、テーブルから離れなければならない。その席にはカードを配り、ブラインドとアンティをポストし、最初のディール後にハンドをキルする。スタッドのブリングインカードが配られたとき、ブリングインもポストしなければならない。

D: 失格となったプレイヤーのチップはプレイから取り除く(推奨手順-23も参照)。

POKER TOURNAMENT DIRECTORS ASSN.

2026年版 推奨手順, バージョン1.0, 2026年8月24日

TDAの推奨手順は、ミスを減らし、イベント運営を改善するための方針の提案である。状況の種類が多く、単一の普遍的なルールでは対応できないときにも適用することがある。そのような状況で最も公平な裁定を行うには、複数のルールを用い、すべての事情を評価し、第1項を主たる指針とすることが必要となることがある。

推奨手順-1: オールインベットとオールインボタン

オールインをベットするとき、プレイヤーのチップはすべて明確に前へ出すか、まったく出さないかのいずれかにするべきである。スタックの一部だけを前に出し、残りを手元に残すと、他のプレイヤーを誤解させるおそれがある。オールインボタンは、プレイヤーがオールインしていることを明確に示す。ボタンはプレイヤーではなくディーラーが管理するべきである。プレイヤーがオールインをベットしたら、ディーラーはそのプレイヤーの前の、テーブルの他の全員からよく見える場所にオールインボタンを置くべきである。

推奨手順-2: ベット途中のチップ回収は推奨しない

テーブルでベットやレイズが進むたびに、習慣的にベットチップをポットへ回収することは、好ましいディール手順ではない。各プレイヤーの前のベットスタックを減らすと、アクションに影響を与え、混乱や誤りを増やすおそれがある。ディーラーにベットチップの回収を求められるのは、その時点でアクションに直面しているプレイヤーのみである。

推奨手順-3: 個人の持ち物

テーブル上はチップスタックの管理、ディーリング、ベッティングのための重要な場所である。テーブルとその周辺(足元と通路)は、不要な私物で散らかしてはならない。各カードルームは、トーナメントエリアで許可するアイテムを明確に表示するべきである。

推奨手順-4: 順序が乱れたスタブ

そのハンドでまだ配るカードがあるときに、スタブを誤って落として順序が乱れたと思われるとき:1) まず、可能であれば元の順序への復元を試みる。2) 不可能なら、マックやすでに使ったバーンカードを含めず、スタブのカードだけで新たなスタブを作る。カードを裏向きで混ぜ、シャッフルし、カットした後、新たなスタブで続行する。3) 落とした際にスタブがマックやバーンカードと混ざったときは、混ざったカードをまとめて混ぜ、シャッフルし、カットする。その新たなスタブでプレイを続ける。

推奨手順-5: アクションが終わる前に配られたカード

前のラウンドのアクションが終わる前に、ボードやバーンカードを配ってしまうことがある。このようなときの一般的な手順は次のとおりである。

A: アクションが終わる前に配られたフロップ。フロップのバーンカードはそのままバーンとして残す。アクションが終わる前に配ったボードカードをスタブに戻し、スタブ全体をシャッフルし直す。そのスタブから、追加のバーンをせずにフロップを配り直す。

B: アクションが終わる前に配られたターン。ターンのバーンカードはそのままバーンとして残す。アクションが終わる前に配ったターンカードをスタブに戻し、スタブ全体をシャッフルし直す。そのスタブから、追加のバーンをせずにターンを配り直す。

C: アクションが終わる前に配られたリバー。リバーのバーンカードはそのままバーンとして残す。アクションが終わる前に配ったリバーカードをスタブに戻し、スタブ全体をシャッフルし直す。そのスタブから、追加のバーンをせずにリバーを配り直す。

D: スタッドでアクションが終わる前に配られたカード。そのカードをスタブに戻してシャッフルし直し、追加のバーンをせずに、新たなスタブからそのストリートを配り直す。

推奨手順-6: 効率的なプレイヤー移動

テーブルブレイクやバランシングによるプレイヤー移動は、不当にブラインドを免れたり、ゲームを遅らせたりしないよう、迅速に行うべきである。可能であれば運搬用ラックを用意し、プレイヤーが著しく多い枚数のチップを運ばずに済むよう、十分なカラーアップを行うべきである(第11項、第12項、第65項参照)。

推奨手順-7: ディーラー交代のタイミング

TDAでは、休憩やブラインドアップ90秒前からのディーラー交代は避けることを推奨している。これにより、ゲームの極めて重要な局面で時間切れになることを防ぐ。

推奨手順-8: ハンドフォーハンド(H4H)の手順

A: 賞金を受け取る資格は、「現在のハンドを終えたら、そのままお待ちください。ハンドフォーハンドに入ります」とアナウンスした時点から生じる。進行中のハンドで入賞圏に達するだけの人数が敗退したとき、そのハンドで敗退したプレイヤーは、そのハンドで発生した入賞枠の賞金を分配される資格を持つ。例:50人が入賞するNLHEトーナメントで、アナウンス時点に52人が残っており、そのハンドで3人が敗退したとき、その3人で50位の賞金を分ける。

B: H4H中は、1ハンドにつき最大3分をクロックから差し引く。

C: プレイヤーがレベル変更の時点を明確に把握できるよう、可能であれば複数ハンドをまとめて差し引くのではなく、1ハンドごとに2分ずつ差し引く。

D: 1ハンドにつき2分の割合でクロック上の時間が経過し、新たなレベルに達するごとに、ブラインドも上がり続ける。

E: H4H中、プレイヤーは着席したままでいることが推奨されるが、必須ではない。

F: H4H中にオールインとコールがあったとき、そのハンドの全プレイヤーのカードは裏向きのままにするべきである。ディーラーは、指示を受けるまで追加のカードを配るべきではない。

推奨手順-9: ファイナルテーブルの構成人数

9人テーブル(ナインハンデッド)および8人テーブル(エイトハンデッド)のイベントでは、5人プレイヤーの2テーブルから9人のファイナルテーブルへと統合する。7人テーブル(セブンハンデッド)および6人テーブル(シックスハンデッド)のイベントでは、4人プレイヤーの2テーブルから7人のファイナルテーブルへと統合する。

推奨手順-10: スタッドトーナメントのディール手順

A: 最初のディールで裏向きに配るカードがエクスポーズしたとき、それをそのプレイヤーのアップカードとし、3rdストリートのカードを裏向きに配る。そのプレイヤーがブリングインになることもある。

B: 7thストリートの裏向きに配るカードをディーラーが誤ってエクスポーズさせたとき、そのハンドにベッティングアクションが残っていれば交換する。エクスポーズしたカードを残りのスタブに混ぜてシャッフルし、バーンをせずに、7枚目が必要な残る全プレイヤーへのディールを完了する。エクスポーズしたカードを受け取ったプレイヤーが、そのカードを保持してオールインを宣言することは認めない。そのハンドでベッティングが残っていなくても、7thストリートは裏向きで配るべきであり、オールインの状況では敗退の危険がないプレイヤーから先にカードを開く。

C: ディール時に自分の席にいないプレイヤーのカードはキルする(第32項参照)。有効でないハンドには4thストリートのカードを配らない。

D: スタッド(スタッド/8を含む)で同順位の最も高い公開ハンドが2つ以上あるとき、またはラズで同順位の最も低い公開ハンドが2つ以上あるとき、いずれのゲームでもスートによる優劣を含めて最も高いカードを持つハンドからベッティングを始める。

E: スートによる優劣を含めて最も低いカードを受け取ったプレイヤーが、アンティの支払いでオールインとなっているとき、その左隣からベッティングを始める。チップのあるプレイヤーは、少なくともブリングイン額をベットするか、フォールドしなければならない。

F: 4thストリートで公開カードにペアがあっても、ベット額を2倍にしない。

G: スタッドでアクションが終わる前に配られたカードについては、推奨手順-5-Dを参照。

H: 7thストリートでスタブが不足するとき。配る前のスタブ枚数が「必要枚数」(残るプレイヤー数+バーン1枚+配らずに残す最後の1枚)に満たないとき、次の手順による。A) 4th・5th・6thストリートのバーン3枚を加えれば必要枚数に達するとき、現在のスタブとそのバーンカードを混ぜて新たなスタブを作る。カットし、1枚バーンして、各プレイヤーに1枚ずつ配る。B) 現在のスタブに少なくとも3枚あるが、以前のバーンを加えても必要枚数に達しないとき、現在のスタブの最上部をバーンし、次の1枚をテーブル中央にコミュニティカードとして配る。C) 現在のスタブが3枚未満のとき、以前のバーン3枚と混ぜて新たなスタブを作り、カットし、1枚バーンして、次の1枚をコミュニティカードとする。D) コミュニティカードを使用するとき、6thストリートで最初にアクションする位置のプレイヤーが、7thストリートでも最初にアクションする。

推奨手順-11: アンティ形式と減額禁止

1人が全員分のアンティを支払う形式を採用するとき、BBを先に支払う計算方法によるビッグブラインドアンティ(BBA)を推奨する。イベントの進行に伴って、ファイナルテーブルを含め、アンティを減額すべきではない。

推奨手順-12: ディーラーによるベットとレイズのアナウンス

ディーラーは、ベッティングが進む際、オールイン以外のベット額をその都度アナウンスするべきである。オールインベットを数えるのは、その時点でアクションに直面しているプレイヤーから要求があったときのみとする。受け入れられたアクションのルールは引き続き適用する(第51項参照)。予定されたカラーアップと裁量によるカラーアップは、ベットを数えやすくする。

推奨手順-13: スプリットポットゲームでのチップの積み重ね

スプリットポットゲームでは、可能なときは、ディーラーはポットのチップを定期的に積み重ねて整理するべきである。その際、プレイヤーの視界を遮ったり、ゲームの進行を妨げたりするべきではない。

推奨手順-14: 特別な状況ではランダム性を適用することがある

TDAルールおよび手順の中で取り上げられていない誤りを修復する目的で、TDは解決法を編み出すに当たってランダム性の概念を用いることがある。

推奨手順-15: トーナメントスタッフの適切な情報共有

A: 交代するディーラーは、次のディーラーにテーブルに関する必要な情報を伝えるべきである。ブラインド情報、警告やペナルティを受けているプレイヤー、妨害行為などが含まれる。

B: ディーラーは、第2項(プレイヤーの責務)、第71項(倫理的なプレイ)、第72項(行動)、第73項(進行速度、エチケット、プレイ手順)の違反、および違反のおそれを、すべてフロアに報告するべきである。特定のプレイヤーやスタッフに向けられたものを含め、差別的・不快な行為には特に注意する。

推奨手順-16: ブレイクするテーブルにいないプレイヤー

テーブルをブレイクする際、離席しているプレイヤーのチップはスタッフが新しいテーブルに移動するべきである。

推奨手順-17: トーナメントにおけるドローゲームのベッティング手順

リンプは全てのシングルドローゲームで許可されている。

推奨手順-18: ミックスゲームの順序

エラーを減らすため、ミックスゲームイベント(例:H.O.R.S.E.)において、スタッドとスタッド8は連続してプレイする必要はない。

推奨手順-19: 遅延行為の抑制

ハウスは、迅速なプレイが求められることをプレイヤーが理解できるよう、遅延行為を減らす方針を明確にアナウンスするべきである。各ハウスが、遅延を抑えるための工夫を凝らした方法を定めることを推奨する。TDA加盟ハウスで効果的に用いられた方法には、次のものがある。 テーブルドローに代えてランダムにテーブルをブレイクすること、レベルごとのハンド数を固定すること、オービット・フォー・オービット、ソフト・ハンドフォーハンド、ショットクロックの導入。

推奨手順-20: シャッフルの準備

トーナメント開始時または休憩終了時、プレイの開始または再開まで、あと1分以内となったら、フロアは「ディーラーはデックを準備してください」とアナウンスするべきである。テーブルに少なくとも2人のプレイヤーがいれば、ディーラーはカードをウォッシュしてデックを整え、レベル開始時にシャッフルできる状態にする。

推奨手順-21: ポットの広げ方

ポットを数えるのはポットリミットのイベントのみとする。要求があれば、チップを見やすくするためにポットを広げてもよい(第56項「ポットサイズとポットリミットのベット」も参照)。

推奨手順-22: 額面のないアイテムでのベット(バウンティチップ、クロックトークンなど)

バウンティチップ、クロックトークンなど、額面のないアイテムは、通常のベッティングチップと異なる大きさにするべきである。これらを使ったベットは、ハウスポリシーまたは第1項に従って解釈し、TDの裁量でコールまたはオールインと判断することがある。

推奨手順-23: 不在プレイヤーのチップ

プレイヤーがテーブルにチップを残してトーナメントを離れたとき、次の扱いを推奨する。

A: 失格となったプレイヤー。チップをプレイから取り除くべきである(第74項-Dも参照)。入賞しているときの賞金配分は、ハウスおよびゲーミング規制の規則による。

B: 失格ではない不在プレイヤー。1) すでに入賞している、または入賞する可能性が少しでもあるとき、チップはテーブルに残し、ブラインド・アンティなどの強制ベットを支払いながら、チップがなくなるまでトーナメントへの参加を継続させるべきである。2) プレイヤーが戻らないとハウスが確信しており、入賞の可能性もないとき、チップを取り除くべきである。3) 最終的に入賞したとき、賞金配分はハウスおよびゲーミング規制の規則による。

推奨手順-24: プレイヤーからの情報要求

アクションに直面しているプレイヤーが情報を求めたとき、該当するルールの文言をそのまま示し、選択できるベッティングアクションに関する直接的な情報を提供してもよい。例1:「私のコール額はいくらですか?」には「5,000です」と答え、「たった5,000です」とは答えない。例2:第三のプレイヤーがオールインしているとき、「私がコールしたら、彼はレイズできますか?」には「はい」または「いいえ」と答える。ハウスは、プレイヤーに戦略上の助言をしてはならない。

推奨手順-25: ドロートーナメントのディール手順

ドローイベントで、そのラウンドを配り終えるのに十分なカードがスタブに残っているか疑わしいとき:

A: スタブの最後の1枚を使えばディールが完了するとき、そのカードを使うべきである。

B: スタブだけでは不足するが、バーンカードを加えれば配り終えられるとき、残るスタブとバーンカードを混ぜて新たなスタブを作るべきである。そのすべてのカードがディール完了に必要なら、バーンせずに配る。そうでなければ最上部の1枚をバーンし、各プレイヤーにそのラウンドのドローカードを配る。

C: Bの手順でもディールを完了できないとき、またはバーンカードのいずれかが以前にエクスポーズしていたとき、残るスタブ、バーン、マックを一緒にシャッフルし、新たなスタブを作るべきである。最上部の1枚をバーンし、各プレイヤーにそのラウンドのドローカードを配る。

D: ドローは、カードを押し出す動作と引き取る動作を組み合わせて行うべきである。例:プレイヤーへ2枚を押し出し、2枚を引き取る。

推奨手順-26: チップペナルティ(CP)

A: CPでは、一定のハンド数や時間だけ参加できなくする代わりに、プレイヤーのチップを没収する。

B: CPの考えられる利点 ・退席ペナルティ中に何もせず賞金の上位段階へ進むことを防ぐ。特にバブルで影響がある。 ・時間やハンド数によるペナルティでは、その間、アクティブなプレイヤー数と獲得可能なチップ量が一時的に減る。 ・退席ペナルティ中のプレイヤーの左隣はブラインドを守りにくくなり、右隣はそのプレイヤーが不在の1周ごとにボタンを2回得る。 ・ハンド数によるペナルティは、ブラインドのハンドを欠くか、それ以外のハンドを欠くかで影響が異なる。 ・時間によるペナルティ中にテーブルブレイクで移動すると、ブラインドを一度も失わないことも、2回分失うこともある。 ・時間やハンド数によるペナルティで退席したプレイヤーが終了後に速やかに戻らないと、ゲームが遅れる。

C: CPの考えられる欠点 ・この形式のペナルティを知らないプレイヤーや、計算されたペナルティが重すぎると感じるプレイヤーから、混乱や反発が生じる可能性がある。 ・CPではチップがプレイから取り除かれるため、トーナメント全体の流通チップ量が減る。

D: CPは、TDが専らその裁量で使用できる複数のペナルティ手段の一つにすぎない(第70〜74項参照)。

推奨手順-27: ディール交渉

ディール(賞金分配の合意)を認めるトーナメントでは、威圧を減らし、全参加者が受け入れられる合意に至るよう、ハウスが合理的な支援と監督を提供することをTDAは推奨する。一般的な方法には、Yes/Noや赤/黒のカードを使い、提案されたディールへの賛成・反対をプレイヤーが匿名で示せるようにすることなどがある。

推奨手順-28: 時間管理

A: タイムバンクを用いるトーナメントでは、最初のアクションに割り当てる時間を、それ以降より短く設定してもよい。例:最初のアクションは20秒、それ以降は30秒。

推奨手順-29: ライブ配信でのカードの提示

ライブ配信するトーナメントでは、ハウスは最初にカードを配るときを含め、常にカードをライブ配信に提示するよう求めることができる。プレイヤーにはこれに従うことが求められ、同意書にもこの必須事項を反映するべきである。

POKER TOURNAMENT DIRECTORS ASSN.

2026年版 追補例解・用語集, Version 1.0, 2026年9月7日

Poker TDAは、2001年に設立されたポーカー業界の任意団体である。TDAの使命は、ポーカートーナメントのルールの世界的な統一性を高めることである。Poker TDAルールは、ハウスルールを補足する。ゲーミング規制当局の規則と競合するときは、規制当局の規則を優先して適用する。

追補例解 第11項: テーブルブレイクの2段階のランダム手順

2段階のランダム手順、すなわち「ダブルブラインド」の手順により、新しい席の割当てで特定のプレイヤーが優遇されないようにする。例:1) ブレイクするテーブルのプレイヤーに新しいシートカードを見せ、裏向きに混ぜて山にする。2) ディーラーが各プレイヤーにトランプを1枚ずつ表向きで配る。スートによる優劣も含めて最も高いカードを受け取ったプレイヤーから順に、山の最初のシートカードを配っていく。

追補例解 第12項-D: テーブルバランスとプレイの中断

例:9人制NLHEで、テーブルAには5人、最多人数のテーブルBには8人いる。テーブルAでは、BBが空席に当たった時点でプレイを中断する。

追補例解 第17項: オールイン時の開示

「プレイヤーがオールインし、他の全プレイヤーのベッティングアクションが終わったら、すべてのハンドを遅滞なく開示する」。これは、少なくとも1人がオールインしており、他のプレイヤーによる追加のベッティングが不可能になった時点で、全員のすべてのダウンカードを一斉に表向きにするという意味である。ショーダウンまで待ってはならず、メインポットだけに参加するオールインプレイヤーの開示を、サイドポットの分配後まで待ってもならない。ショーダウン前のいずれかのストリートでベッティングが終了したら、その時点で開示し、その後に残るカードを配る。

例1:NLHE、残り2人。ターンで、ショートスタックのAがオールインし、Bがコールした。この時点でAとBのダウンカードを開示し、バーンしてリバーを配り、ショーダウンを行う。

例2:NLHE、残り3人。プリフロップで最も少ないスタックのAがオールインし、BとCがコールした。BとCにはチップが残っており、追加のベッティングが可能なため、まだ開示しない。フロップでBとCがチェックしても、以後のベッティングが可能なので、まだ開示しない。ターンでBがオールインし、Cがコールしたら、追加のベッティングは不可能となるため、A・B・Cすべてのハンドを開示する。バーンしてリバーを配り、ショーダウンを行う。先にBとCのサイドポットを授与し、その後メインポットを授与する。BとCのサイドポットを授与するまでAのカードを裏向きにしておく、という手順ではない。

例3:NLHE、残り3人。プリフロップで最も少ないスタックのAが700をオールインし、BとCがコールした。BとCにはそれぞれ数千のチップが残っており、追加のベッティングが可能なので、まだ開示しない。フロップでBとCがチェックしても、まだ開示しない。ターンでBが1,000をベットし、Cがコールした。両者にはチップが残り、リバーもまだ配られていないため、ベッティングは可能であり、まだ開示しない。リバーでBとCがともにチェックしたら、ベッティングが終了し、ショーダウンに移るため、A・B・Cすべてのハンドを開示する。先にBとCの2,000のサイドポットを授与し、その後メインポットを授与する。サイドポットを授与するまでAのカードを裏向きにしておいてはならない。

追補例解 第19項: ハンドの開示要求

例1:NLHE、残り3人。リバーでベットはなく、誰もオールインしていない。ショーダウンでAはカードを裏向きに捨て、ディーラーがマックへ押し込んだ。Bはハンドを開示し、スリーカードを示した。Cはカードを裏向きに前へ出した。Bは自分のカードを開示しているため、Cのハンドを見ることを要求できる。ただし、リバーでベットがなく「Cのハンドを見るために支払った」わけではないので、要求を認めるかはTDの裁量であり、絶対的な権利ではない。AとCは、自分のカードを開示しておらず、保持もしていないため、相手のハンドの開示を要求できない。

例2:NLHE、残り4人。リバーでAが1,000をベットし、Bがコール、Cが5,000にレイズし、D・A・Bが全員コールした。オールインした者はいない。Bがハンドを開示し、スリーカードを示した。Dは直ちに裏向きで捨て、ディーラーがマックしてキルした。Cがカードを裏向きに前へ出し始めた。AとBは、1) リバーで最後にアグレッシブなアクションをしたCのハンドを見るために支払い、2) 自分のカードを保持しているため、要求すればCのハンドを開示させる絶対的な権利を持つ。同じくCにコールしたDは、開示せずに捨てた時点で、その権利を放棄している。Bが他のコーラーであるAのカードを見たいと要求するときなど、それ以外の要求はTDの裁量による。

追補例解 第40項: SA後のバーン

例1-A:ホールデム、ブラインド50-100。1番席がSB、2番席がBBで、最初のカードを全員に配った。3番席のUTGがフォールドし、4番席がコールしたため、チップ投入を伴う2アクションによってSAが成立した。その後、5番席がカードを1枚しか持っていないことに気づいた。すでにSAがあるため、そのハンドはデッドとなる。ディーラーは1枚だけバーンしてフロップを配る。「元のスタブの順序に戻す」ために2枚バーンしてはならない。

例1-B:同じゲームと最初のディールで、3番席がフォールド、4番席がコールしてSAが成立した。その後、5番席がカードを3枚持っていることに気づいた。SA後のため、そのハンドはデッドとなる。ディーラーは1枚バーンしてフロップを配る。5番席の3枚目をバーン扱いにして、スタブからのバーンを省略してはならない。

追補例解 第42項-A: 不明確または矛盾するベット

「状況が不明確なとき、または口頭の宣言とチップが矛盾するとき、TDはその状況と第1項に基づいてベットを決定する」。

例1:ホールデム、リバーのヘッズアップ。Aは「42,000」と口頭で宣言したが、5,000チップを1枚だけ前に出した。テーブルの全員が宣言を聞いたわけではなかった。Bはコールとして5,000を出した。両者がハンドを開示し、Aが勝ちハンドだった。裁定の判断材料は一様ではない。口頭の宣言が先だったが、必ずしも明確ではなく、チップからは5,000のベットに見えた。このような不明確で矛盾する状況では、TDは第1項を用いて可能な限り公平な裁定を行う。

追補例解 第45項: レイズ額

「そのベッティングラウンドでそれまでに行われた最大のフルベットまたはフルレイズ」とは、そのラウンドの先行するベッターによる、最大のベット額またはレイズの上乗せ額、すなわち「最後の有効な上乗せ額」を指す。「現在のラウンド」は「現在のストリート」であり、ボードゲームではプリフロップ、フロップ、ターン、リバー、7カードスタッドでは3rdから7thまでの各ストリートなどをいう。

例1:NLHE、ブラインド100-200。ポストフロップでAが600でオープンし、Bが1,000を上乗せして総額1,600にレイズ、Cが2,000を上乗せして総額3,600にリレイズした。Dがレイズするには、そのラウンドで最大の上乗せ額であるCの2,000以上を上乗せし、少なくとも総額5,600にしなければならない。Dのミニマムレイズの上乗せ額は、Cの総額3,600ではなく、Cが上乗せした2,000である。

例2:NLHE、ブラインド50-100。プリフロップでUTGのAが総額150をオールインした(50の上乗せ)。この時点では100のブラインドベットと、50を上乗せするオールインがある。大きいのは100であり、引き続きこれが、そのラウンドのベット額とレイズの上乗せ額の中で最大の額である。したがって、Bがリレイズするには100以上を上乗せし、総額250以上にしなければならない。

例3:NLHE、ブラインド100-200。ターンでAが300をベットし、Bが500チップを2枚出して総額1,000とした(700を上乗せするレイズ)。Cのコール額は1,000である。Cがレイズするには、そのラウンドのベット額とレイズの上乗せ額の中で最大の額である、Bの700以上を上乗せする必要がある。ミニマムレイズは700を上乗せする総額1,700であり、上乗せ額がBの総額1,000になるわけではない。

例4-A:NLHE、ブラインド25-50。Aが75を上乗せして総額125にレイズした。125はベット50と上乗せ額75の合計である。次のレイズの上乗せ額は少なくとも75となる。Bはそのミニマム75を上乗せし、総額200にレイズした。Cはさらに300を上乗せして総額500とした。ここまでの内訳は、ベット50、75の上乗せが2回、300の上乗せが1回である。Dがリレイズするなら、そのラウンドの最大の上乗せ額である300以上を上乗せし、総額800以上にする。

例4-B:4-Aと同じブラインドで、Dのコール額も500だが、Aが450を上乗せして総額500にレイズし、BとCがコールしたとき。内訳はブラインド50と上乗せ額450である。このラウンドのベット額とレイズの上乗せ額の中で最大の額はAの450なので、Dのコール額は500、リレイズは450以上を上乗せした総額950以上となる。

追補例解 第47項: 複数チップのベッティング

「A: ベットに直面したとき、先にレイズまたはオールインと宣言しない限り、複数チップによるベット(最後のチップのベットを含む)は、すべてのチップがコールに必要であればコールとなる。すなわち、最小額面のチップ1枚を取り除くとコール額に満たなくなるときである。B: 最小額面のチップ1枚を取り除いてもコール額以上が残るとき、1) 手元にチップが残っていれば第45項〔原文は第43項〕の50%基準を適用する。2) 最後のチップをベットしたときは、50%基準に達するか否かにかかわらずオールインとなる」。

例1:1枚でも取り除くとコール額に足りなくなるとき。 1-A:ポストフロップでAが1,200でオープンし、Bが黙って1,000チップを2枚出した。どちらかを取り除くと1,200未満になるのでコールである。 1-B:NLHE、ブラインド250-500。プリフロップでUTGが600を上乗せして総額1,100にレイズした。UTG+1は黙って500を1枚、1,000を1枚出した。どちらかを取り除くと1,100未満になるのでコールである。

例2:1-Bと同じだが、UTG+1が黙って1,000を1枚、100を5枚出したとき。100を4枚取り除いてもコール額1,100が残るため、第45項〔原文は第43項〕の50%基準を適用する。ミニマムレイズの上乗せ額は600、その50%は300であり、UTG+1が1,400以上を出したとき、総額1,700のフルレイズが必要となる。この例では1,500を出しているため、UTG+1〔原文末文はUTG〕はレイズしなければならない。

例3:例2と同じだが、UTG+1が黙って1,000を1枚、100を3枚出したとき。100を2枚取り除いてもコール額1,100が残るため、第45項〔原文は第43項〕を適用する。ミニマムレイズの上乗せ額の50%に達していないため、コールとし、200を返却する。

例4:すべてのチップを使う複数チップベット。A) すべてのチップがコールに必要なら、手元にチップが残るプレイヤーと同じ扱いにする(例1参照)。B) 最小額面のチップ1枚を除いてもコール額以上が残るなら、50%レイズ基準に達しているか否かにかかわらず、オールインとなる。

例4-A:Aが1,400でオープンし、手元に多くのチップが残るBが、黙って1,000を1枚、500を3枚出した。50%基準の2,100(1,400+700)に達しているため、総額2,800のミニマムレイズをしなければならない。

例4-B:同じ1,400のオープンに対し、手元に多くのチップが残るBが1,000を1枚、500を2枚出したとき。50%基準の2,100未満なのでコールとなる。

注:例4-A、4-Bのどちらも、Bが最後のチップをすべて出したのであれば、オールインとなる。

追補例解 第48項: まだ回収されていない以前のベットチップの状況例

シチュエーション1:以前のチップがコール額に足りず、そのまま残されているとき。例:ホールデム、ブラインド25-50。BBが25チップを2枚ポストし、ボタンが総額600にレイズした(BBには550の追加)。 1: オーバーチップを1枚加えるとコールとなる(25を2枚置いたところに1,000を1枚加える)。 2: 新たに複数チップを加え、それらすべてがコールに必要ならコールとなる。a) 25を2枚置いたところに500を2枚加える。b) 同じところに100を1枚、500を1枚加える。どちらも、以前のチップと合わせてコールするには、新たなチップのすべてが必要である。 3: 新たに加えたチップのうち最小額面の1枚がコールに不要なら、第47項〔原文は第45項〕の複数チップベットとなる。例:25を2枚置いたところに1,000と500を加えると総額1,550となる。第47項〔原文は第45項〕に従い、黙って複数チップを出したベットは、50%基準に達していればレイズ、達していなければコールとなる。

シチュエーション2:以前のチップがコール額に足りず、すべて引き戻されたとき。 1) 以前のチップをすべて取り除き、オーバーチップ1枚を加えるとコールとなる(25を2枚戻し、1,000を1枚出す)。 2) 以前のチップをすべて取り除き、新たに複数チップを出すと、第47項〔原文は第45項〕のベットとなる(25を2枚戻し、新たに2枚以上を出す)。

シチュエーション3:以前のチップを一部だけ引き戻すとき。以前のチップがコール額を満たしているか否かを問わない。25を1枚引き戻し、もう1枚を残して新たなチップを加えると、第47項〔原文は第45項〕の複数チップベットとなる。50%基準に達していればレイズ、達していなければコールとなる。

シチュエーション4:以前のチップだけでコール額を満たすとき、新たなチップを加えると第47項〔原文は第45項〕の複数チップベットとなる。例:ホールデム、ブラインド50-100。BBが1,000チップを1枚ポストし、プリフロップで総額700へのレイズがあった(BBには600の追加)。以前の1,000だけでレイズ額を満たすため、新たなチップを加えると、全チップに対して第47項〔原文は第45項〕を適用する。最初の1,000を引き戻しても、そのまま残しても同じである。

シチュエーション5:上記にかかわらず、すべてのチップをまとめて前へ押し出したり投げ出したりする動作は、その全額をベットする意図と解釈され、第47項の対象となることがある。

追補例解 第49項: ベッティングのリオープン

例1:複数のショートオールインの上乗せ額が合計でフルレイズに達し、ベッティングがリオープンするとき。 NLHE、ブラインド50-100。ポストフロップでAが最低額の100でオープンした。Bが総額125をオールインし、Cが125をコール。Dが総額200をオールインし、Eが200をコールした。 Aにアクションが戻ると、合計100の追加額に直面している。100はフルレイズの上乗せ額に相当するので、Aに対してベッティングがリオープンし、Aはフォールド、コール、レイズのいずれも選べる。Bの上乗せ額25もDの上乗せ額75も、単独ではフルレイズではないが、合計すればフルレイズになる。このため、アクションが戻ったときに少なくともフルレイズに相当する追加額に直面するプレイヤーに対して、ベッティングがリオープンする。

例1-A:例1の最後にAが100を追加し、総額200を単にコールした。次のCが直面する追加額は75にすぎない。Cはすでに125をコールしており、現在の総額は200だからである。Cに対してリオープンするには、少なくとも総額225に直面する必要がある。75はフルレイズに相当する追加額ではないため、Cは75を追加してコールするかフォールドすることしかできず、レイズはできない。

例1-B:例1の最後にAがミニマムの100を上乗せして、総額300にレイズした。Cはすでに125をコールしているので、追加のコール額は175である。175はフルレイズの上乗せ額を超える。Cはすでにアクションしているが、いま少なくともフルレイズに相当する追加額に直面しているため、ベッティングがリオープンし、フォールド、コール、リレイズができる。

例2:複数のショートオールインがあるときでも、ミニマムレイズは最後の有効なフルベットまたはフルレイズに基づく。 NLHE、ブラインド50-100。ポストフロップでAが300でオープンし、Bが総額500をオールイン、Cが650をオールイン、Dが800をオールイン、Eが800をコールした。Fのミニマムレイズはいくらか。オープンベット300が最初のミニマムレイズの上乗せ額を定める。いずれのプレイヤーのオールインも単独の上乗せ額が300を超えていないため、Fのミニマムレイズの上乗せ額は300のままである。Fは800をコールするか、少なくとも総額1,100にレイズできる(追補例解 第45項の例2〔原文は第43項〕も参照)。

例3:ショートオールインの2つの状況。NLHE、ブラインド2,000-4,000。プリフロップでAがBBの4,000をコールし、Bがフォールド、Cが総額7,500をオールインした(BBの4,000に対して3,500の上乗せ)。その後SBまでフォールドで回り、SBもフォールドした。

例3-A:まだ選択権を行使していないBBには、3,500の追加が必要である。BBはフォールド、3,500を追加するコール、または4,000以上を上乗せして総額11,500以上にするレイズを選べる。BBがコールしたとき、Aには3,500の追加が必要となる。Aはすでにアクションしており、直面する3,500はフルレイズに相当する追加額ではないため、フォールドまたはコールしかできない。アクションが戻ったときに少なくともフルベットに相当する追加額に直面していないため、レイズはできない。

例3-B:BBがミニマムの4,000を上乗せし、総額11,500にレイズしたとき、Aにとっては7,500の追加となる。これはフルミニマムレイズを超えるため、Aに対してベッティングがリオープンし、フォールド、コール、リレイズを選べる。

追補例解 第53項: 拘束力を持つ宣言/順序に沿ったアンダーコール

例1:NLHE、ブラインド1,000-2,000。ポストフロップでAが2,000でオープン、Bが8,000にレイズし、Cが黙って2,000を出した。CはBのベットに対してアンダーコールしている。オープンしたのはAであってBではなく、まだマルチウェイであるため、第53項-B〔原文は第51項-B〕により、TDの裁量でCにフルコールを求めるか、アンダーコールの2,000を放棄してフォールドすることを認める。

例2:NLHE、ブラインド1,000-2,000。ポストフロップで4人が残り、Aが8,000でオープンし、Bが黙って2,000を出した。第53項-B〔原文は第51項-B〕により、Bはオープンベットをアンダーコールしたため、8,000をフルコールしなければならない。

例3:NLHE、ブラインド1,000-2,000。ポストフロップでAが2,000でオープン、Bが8,000にレイズし、Cが「コール」と宣言した。第53項-A〔原文は第51項-A〕により、Cは順序に沿って一般的な口頭の宣言を行ったため、Bの8,000を全額コールしなければならない。

例4:NLHE、ブラインド200-400。オープナーが400をベットし、Aが1,200にレイズした。Bが黙って500チップを1枚出した。ディーラーが1,200であることを伝えると、Bはフォールドした。TDの裁量により、Bは400を放棄し、100の返却を受ける。

追補例解 第54項-B: ポットリミットの不正確なベット額

例1:PLO、ブラインド500-1,000。ポストフロップのポット総額は10,500。Aがポットベットを希望し、ディーラーにカウントを求めた。ディーラーは「9,500」と答え、Aは9,500を出した。Bがフォールドし、Cが9,500をコールしたため、誤ったベットの後にSAが成立した。その後、ディーラーは正しいポットベット額が10,500であることに気づいた。案内された額が実際のポットより少なく、すでにSAがあるため、9,500のベットには拘束力があり、10,500には増やさない。

例2:例1と同じだが、Bのフォールド後にディーラーが正しいポットベット額10,500に気づいたとき。まだSAがないため、Aは総額10,500まで増やさなければならない。

例3:PLO、ブラインド500-1,000。ポストフロップのポット総額は10,500。Aがポットベットのためカウントを求めると、ディーラーは「11,500」と答えた。Aが11,500を出し、Bがフォールド、CとDが11,500をコールした。次のカードをバーンして配る前に、ディーラーは最初のベットが認められないオーバーベットであることに気づいた。SAが成立していても、認められないベットであるため、そのストリート中であれば、コールした全プレイヤーの額を10,500に減らす。次のカードが配られたときは、その誤りを確定とする。

追補例解 第55項-A-1: マルチウェイでのOOT

例1:ホールデム、ブラインド50-100。ポストフロップで3番席が300でオープンし、4番席がフォールド。本来5番席の順番で、6番席が「800にレイズ」と宣言した。 手順1:300のベットに直面している、本来の順番の5番席までアクションを戻す。 手順2:5番席がコールまたはフォールドしたとき、6番席が直面する300のベットは変わらず、OOTの総額800へのレイズは拘束力を持つ。しかし、5番席が例えば総額600にレイズすると、6番席にとってのアクションは300から600へ変わる。そのとき、800のチップを6番席に返却でき、6番席は600のコール、総額900以上へのリレイズ、フォールドのすべてを選べる。

例2:ホールデム、ブラインド50-100。ポストフロップで3番席と4番席がチェック。本来5番席の順番で、6番席が「チェック」と宣言した。 手順1:ベットに直面していない、本来の順番の5番席までアクションを戻す。 手順2:5番席もチェックしたとき、アクションは変わらず、6番席のOOTチェックには拘束力がある。5番席が例えば300をベットしたとき、6番席にとってのアクションはチェックから300のベットへ変わるため、6番席は300のコール、総額600以上へのレイズ、フォールドのすべてを選べる。

追補例解 第55項-A-2: マルチウェイでのOOTによるSA

OOTによって順番を飛ばされたプレイヤーは、自分のアクションの権利を守らなければならない。指摘するための合理的な時間があったにもかかわらず、その左側でOOTによるSA(第38項参照)が成立するまで指摘しなかったとき、そのOOTには拘束力がある。フロアを呼び、飛ばされたハンドの扱いを決定する。

例1:NLHE、ブラインド100-200。UTGの3番席が600とした。4番席が飛ばされ、5番席がOOTで600をコールした。6番席は少し考えてからフォールドした。4番席の左側で、チップ投入を伴う2人のアクションが起きたため、SAが成立している(第38項参照)。4番席には、飛ばされたことをディーラーに指摘する合理的な時間もあった。OOTによるSAのため5番席のコールは拘束力を持ち、6番席のOOTフォールドも拘束力を持つ(第60項参照)。フロアを呼び、4番席のハンドの扱いを決定する。

例2:NLHE、ブラインド100-200。4人がターンへ進んだ。ディーラーがターンカードを出した後、UTGの3番席が600でオープンした。4番席が飛ばされ、5番席がチェックし、6番席がOOTで600をコールした。フロアを呼び、4番席のハンドの扱いを決定する。

追補例解 第55項-B: ヘッズアップでのOOT

例1(受動的なアクション):NLHE、ブラインド100-200。2人がターンへ進んだ。本来は1番席の順番だが、2番席がOOTでチェックした。アクションを1番席に戻すと、1番席が1,000をベットした。2番席は1,000をコールするかフォールドすることしかできず、レイズはできない。

用語集

ゲームの種類

Dealer’s choice(ディーラーズチョイス):ミックスゲームで「ディーラー」に指定されたプレイヤーが、次のラウンドの種目を選ぶ方式。

FL:フィックスドリミット。

HEROS:リミットホールデム、スタッド/8、ラズ、オマハ/8、スタッド。

Mixed games(ミックスゲーム):複数のポーカー種目を、定めた順番またはディーラーズチョイスで組み合わせてプレイするもの。

NL:ノーリミット。

NLH:ノーリミットホールデム。

O8:オマハ・エイトオアベター。

PL:ポットリミット。

PLO:ポットリミットオマハ。

PLO/8:ポットリミットオマハ・エイトオアベター。

2-7 SD:2-7シングルドロー。

2-7 TD:2-7トリプルドロー。

テーブルのポジション

BB:ビッグブラインド。

BTN:ポストフロップのベッティングラウンドで最後にアクションする席。

CO:カットオフ。ボタンの右隣の席。

HJ:ハイジャック。COの右隣の席。

MP:ミドルポジション。ベッティングラウンドの最初でも最後でもない、中ほどの席。

SB:スモールブラインド。

UTG:プリフロップで最初にアクションするプレイヤー。

アクション用語とプレイスタイル

BBA:ビッグブラインドアンティ。

Bring-in(ブリングイン):ベッティングを始めるための強制ベット。例:スタッドでは、ランクとスートによる優劣を含めて最も低いアップカードを持つプレイヤーがブリングインとなる。

The Bubble(バブル):あと1人の敗退で賞金の支払い対象となる状態。

C-Bet:コンティニュエーションベット。プリフロップのレイザーがフロップで行うベット。

H4H:ハンドフォーハンド。

KO:ノックアウト。

OOT:アウトオブターン(順序に沿わないアクション)。

PKO:プログレッシブノックアウト。

SA:サブスタンシャルアクション。「シグニフィカントアクション」ともよく呼ばれる。

VPIP:自発的にポットへチップを入れること。

XR:チェックレイズ。最初にチェックし、相手がベットした後にレイズすること。

環境とトーナメントの形式

Add-on(アドオン):登録締切時に、保有スタックの大きさにかかわらず、あらかじめ定められた金額で追加のチップを購入すること。

EV:期待値。

Freezeout(フリーズアウト):バイインは1回限りで、リエントリやリバイのないトーナメント。

FT:ファイナルテーブル。

GTO:ゲーム理論最適戦略(原文の「Game Theory Optional」は「Game Theory Optimal」の誤記とみられる。)

ICM:インディペンデント・チップ・モデル。

ITM:インザマネー。プレイヤーが入賞圏に達していること。

M:Mレシオ。

MLR:レイトレジストレーションの締切直前。

MTT:マルチテーブルトーナメント。

NIT:極端にタイトなプレイヤー。

Rebuy(リバイ):通常はテーブルで、スタックが開始時のスタック以下となったプレイヤーが追加のチップを購入すること。リバイ期間中にすべてのチップを失ったとき、ダブルリバイが認められる。

REC:レクリエーショナルプレイヤー。

Reentry / RE(リエントリ):敗退した同じイベントに、再び登録手続を行って2回目のバイインをすること。

REG:レギュラープレイヤー。

RFID:無線による個体識別技術。ライブ配信で読み取るためにカードへ埋め込まれる。

ROI:投資収益率。ポーカーの収益性を記録・比較する指標。

TD:トーナメントディレクター。

TDA:トーナメントディレクターズアソシエーション。

出典

TDA Poker Rules
https://www.pokertda.com/poker-tda-rules/

翻訳

MIYATA Tatsumune
Japan Open Poker Tour / JOPT
Sep 14, 2026.

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