POKER TOURNAMENT DIRECTORS ASSN.
2024年版 ルール Version 1.0, 2024年10月9日
推奨手順と追補例解を含む
Poker TDAは、2001年に設立されたポーカー業界の任意団体である。ポーカートーナメントルールの世界的な統一性を高めることが使命である。Poker TDAルールは、ハウスルールを補足する。ハウスルールとの競合があったとき、ハウスルールを適用する。
一般概念
1: フロアの決定
フロアは、ゲームにとっての最善の利益と公平性を最優先に意思決定する。通常とは異なる状況では、公平性を考慮した常識的な決定が、技術的なルールよりも優先されることがある。フロアの決定は最終となる。
2: プレイヤーの責務
プレイヤーは、登録データと席の割り当てを確認し、サブスタンシャルアクションが起こる前に正しい枚数のカードが配られたことを確認し、ハンドを保持し、意図を明確に伝え、アクションを追い、順序に沿って適切な用語とジェスチャーを使ってアクションし、アクションを起こす権利を守り、カードを見えるようにし、チップを正しく積み、ライブハンドを持っているときは着席状態を保ち、ショーダウンではすべてのカードを適切に開き、ミスがあったときは声に出して指摘し、遅滞なくプレイし、正当なときにはクロックを要求し、速やかにテーブルを移動し、ワンプレイヤーワンハンドの原則を守り、ルールを理解したうえでそれを順守し、適切にエチケットを守り、差別的または不快な行為を見たり経験したときはハウスに報告し、すべてのプレイヤーが楽しめる秩序あるイベントに貢献すること。
4: プレイヤーの身元確認
プレイヤーは常に明確に識別可能でなければならない。トーナメントスタッフは、プレイヤーの身元確認を妨げたり、他の参加者に対して気を散らせる恐れのあるアイテム(サングラス、フード、その他の顔を覆うもの)を外すよう要求することがある。
5: 電子機器および通信
A: プレイヤーはテーブルで通話してはならない。着信音、音楽、画像、動画などはほかの人に聞こえず、邪魔にならないようにしなければならない。これらの機器やその他のデバイス、ツール、写真撮影、ビデオ撮影、通信は、他のプレイヤーに迷惑をかけたり、ゲームを遅滞させたり、競技上の優位性を生んではならず、ハウスとゲームの規制が適用される。
B. 電話やその他のデバイスはテーブル上に置いてはならない。
C: ハンドを持っているプレイヤーは、電子機器や通信機器を操作したり、関与したりしてはならない。これらのデバイスには新技術が含まれることがあり、その定めはトーナメントディレクター(TD)によって更新される。
D: ベッティングアプリやチャート、その他のポーカーストラテジーツールは、テーブルで使ってはならない。また、プレイヤーは他人や情報源からポーカーストラテジーに関するデータを受け取ったり、使ったりしてはならない。ルール第5項の違反には、ルール第71項に基づくペナルティが適用されることがある。
6: 公式言語
ハウスは、テーブルで使用できる言語を明確に掲示しアナウンスする。
シーティング、バランシングとテーブルブレイク
7: ランダムで正確な配席
トーナメントとサテライトでは、ランダムに配席する。チップスタックを持って誤った席に着いたプレイヤーは、いまの合計チップスタックを持って正しい席へ移動する。
8: オルタネイト、レイトレジストレーション、リエントリ
A: オルタネイト(空席待ち)、レイトレジストレーションとリエントリするプレイヤーには、フルスタックが与えられる。彼らはニュープレイヤーと同様に、同じシートプールからSBとボタンの間を避けてランダムに配席される。
B: リエントリイベントで、プレイヤーがチップを放棄して新たなスタックを購入できるとき、放棄されたチップはプレイから取り除く。
9: 特別な支援
特別な支援が必要なプレイヤーには、可能な限り便宜が図られる。
10: ニュープレイヤーとブレイクしたテーブルからのプレイヤー
A: トーナメントに参加するニュープレイヤーおよびブレイクしたテーブルから移動してきたプレイヤーは、SBとボタンの間を除き、SB、BB、ボタンを含むどの席にも着くことができる。
B: テーブルブレイクにより移動するプレイヤーには、2段階のランダムプロセスによって新たに配席する。追補例解10参照。
11: バランシングテーブルとプレイの中断
A: フロップゲームとミックスゲームでは、バランスをとるために、次にBBに当たるプレイヤーを、最も不利なポジションに移動する。移動するテーブルがシングルBBのとき、移動してきたプレイヤーをシングルBBとする。このとき、同じ席が2連続でBBとなるが問題ない。最も不利なポジションは常にSBではない。スタッドのみのイベントでは、プレイヤーはポジションごとに移動する(ショートテーブルで最後に空いた席が埋まる)。
B: ミックスゲーム(例: H.O.R.S.E.)で、ゲームがホールデムからスタッドに変わるとき、ホールデムの最終ハンドのあとに、ディーラーボタンは次のハンドがホールデムのときの位置に移動させ、スタッド中はそこに留め置く。スタッド中に移動してきたプレイヤーは、そのハンドがホールデムであればBBとする。ホールデムに変わったとき、ディーラーボタンは留め置かれていたところから始める。
C: どのテーブルからプレイヤーを移動させるかは、あらかじめ決めた手順で指定する。
D: (敗退によって)最も人数の多いテーブルより3人以上少ないテーブルでは、そのテーブルでブラインドの影響が出たときにプレイを中断する(追補例解11参照)。そのほかのフォーマット(例:6ハンド、ターボ)では、TDの決定でプレイを中断する。TDはプレイを中断しないことがあるが、これは裁量でありミスディールではない。イベントが進むにつれて、TDがよりタイトにバランスを調整することがある。
ポット/ショーダウン
12: 宣言とショーダウンでのカードスピーク
勝敗はカードスピークにより決定する。ショーダウンのとき、口頭によるハンド宣言は拘束力がないが、故意に偽って宣言するとペナルティとなることがある。ディーラーはショーダウンのときにハンドの強さを読み上げ、アナウンスすべきである。プレイヤーは、ハンドの有無に関わらず、ハンドの読み間違いやポット計算・授与について誤りがあると思ったときは指摘する必要がある。
13: カードの開示と勝ちハンドのキル
A: 適切な開示は、1)すべてのカードを表向きにテーブルに置き、2)ディーラーとプレイヤーがハンドをはっきり読めるようにすることを意味する。「すべてのカード」とは、ホールデムは2枚のホールカード、オマハでは4枚のホールカード、7スタッドでは7枚のカードすべてを意味する。
B: ショーダウンでは、プレイヤーはすべてのカードが読まれるまで、ハンドを保持しなければならない(ルール第65項参照)。すべてのカードが完全に開示されていないのにも関わらず、勝ったと判断してマックすることは、プレイヤー自身のリスクとなる。もし、ハンドが100%回収できず、識別できず、TDがハンドが読まれなかったと判断したとき、そのプレイヤーはポットを得る権利を失う。ハンドが十分に開示されたか否かの判断は、TDが最終決定する。
C: ディーラーは、適切に開示された明らかな勝ちハンドはキル(無効化)できない。
14: ショーダウンのときのライブカード
開示されていないカードを裏向きで捨てても、自動的にそれらのカードはキルされない。プレイヤーは、カードが100%識別な状態でカードを回収できるとき、考えを変えてカードを開示できる。カードは、マックに押し込まれたり、それ以外の方法で回収ができなくなるとキルとなる。
15: ショーダウンとカードの放棄違反
A: プレイヤーが、勝つために必要なカードを1枚だけを表にしたとき、ディーラーはそのプレイヤーに対してすべてのカードを開示するよう促すこと。もしプレイヤーがそれを拒否したときはフロアが呼ばれる。
B: ベットしたプレイヤーが、ほかのプレイヤーがまだハンドを持っていることに気がつかずカードを捨てたとき、ディーラーはカードを手で抑え、フロアを呼ぶ(ルール第58項の例外)。もしカードがマックされ、100%識別や回収ができないとき、そのプレイヤーはアウトとなり、コールされたベットを返してもらう権利はない。カードがマックされ、まだ誰にもコールされていないときは、コールされていないベットまたはレイズを返す。
16: オールインがあるときの開示
プレイヤーがオールインし、ほかのプレイヤーのベッティングアクションがすべて終わったら、すべてのハンドは遅滞なく開示する。オールインしたプレイヤーをはじめ、すべてのベッティングアクションにコールしたプレイヤーは、カードを公開せずにマックすることはできない。メインポットとサイドポットに関わるすべてのハンドは開示されなくてはならず、有効である。追補例解16参照。
17: オールインのないショーダウンとその順序
A: オールインがないショーダウンでは、カードが自然と開示されたり、捨てられたりしないとき、TDがショーダウンの順序を指示することができる。最終ベッティングラウンド(最終ストリート)で最後にアグレッシブなアクションをとったプレイヤーが、最初に開示する。最終ベッティングラウンドでベットがなかったとき、そのラウンドで最初にアクションをするプレイヤー(プロップゲームではボタンの左隣、スタッドではハンドが最も高いプレイヤー、ラズでは最も低いハンドのプレイヤーなど)が最初に開示する。
B: オールインのないショーダウンでは、一人以外のすべてのプレイヤーがカードを開示せずにフェイスダウンでマックすると、その一人はカードを開示せずに勝ちとなりポットを得る。
18: ハンドの開示要求
A:ショーダウンのときにカードを持っていないプレイヤーや、開示せずにカードをフェイスダウンでマックしたプレイヤーは、ほかのハンドを見る権利やそれを要求する特権を失う。
B:リバーでベットがあったとき、コールしたプレイヤーは、自らのハンドを保持しているか開示していることが前提として、最後にアグレッシブなアクションをとったプレイヤーのハンド(「見るために支払ったハンド」)を開示させる絶対的な権利があり、それを必要に応じて要求することができる。そのほか、コールしたプレイヤーに対する要求や、リバーでベットがなかったときの要求などは、TDの裁量による。追補例解18参照(2013年採用)。
19: ショーダウンのときのボードプレイ
ボードプレイをするとき、プレイヤーはすべてのホールカードを開示し、ポットの一部を獲得しなければならない(ルール第13項-A参照)。
20: 端数チップの授与
まず、端数チップはプレイ中の最も小さいデノミに分ける。A) ボードゲームで、ハイハンドまたはローハンドが2つ以上あるとき: 余ったチップはボタンの左隣のプレイヤーに与える。B) スタッド、ラズ、スタッド/8で、ハイハンドまたはローハンドが2組以上のとき: 余ったチップはスートの強弱を含む最も強い5枚のハイカードを持つプレイヤーに与える。C) H/L(ハイ/ロー)スプリット: ポット全体で余ったチップは、ハイハンドを持つプレイヤーに与える。
21: サイドポット
サイドポットはそれぞれ別々に分ける。
22: ハンドとポットに対する異議
開示されたハンドの判定は、次のハンドが始まるまで争うことができる(ルール第23項参照)。ポットの計算や受授の誤りに対する異議は、次のハンドでSA(サブスタンシャルアクション)が起こるまでとする。ハンドが休憩中に終了したとき、ポットが授与されてから1分後には異議が認められなくなる。
一般手続
23: 新たなハンドとレベル
新たなレベルは、フロアのアナウンスかクロックシステムのゼロ音アラートから始める。新たなレベルは次のハンドから適用する。ハンドは、最初のリフル、シャッフラーボタンのプッシュ、またはディーラーの交代で開始する。誤って前のレベルでハンドを始めてしまったとき、SAが起きるとそのハンドは前のレベルで続ける(ルール第36項参照)。ディーラーの交代中に新しいレベルが始まったとき、次のディーラーは1ハンドを前のレベルでディールする。
24: チップレース、予定されたカラーアップ
A: 予定されたカラーアップでは、1番の席からチップレースを始め、プレイヤーには最大1枚のチップを与える。チップレースでプレイからアウトされることはなく、チップレースで最後のチップを失ったプレイヤーには、プレイ中の最小デノミのチップを1枚与える。
B: プレイヤーは、すべてのチップが完全に見えるように置く必要があり、チップレースへの立ち会いを推奨する。
C: チップレースが終わったあとで、切り上げられたはずのデノミのチップをプレイヤーが持っていたとき、そのチップはいまのデノミのチップと等価で両替する。カラーアップされたチップのデノミが、最小デノミのチップ合計に満たないとき、補償せず取り除く。
25: カードとチップは、見やすく数えやすく管理する。裁量によるカラーアップ
A: プレイヤー・ディーラー・フロアは、チップの価値を妥当に見積もる権利がある。そのため、チップは数えやすくスタックされるべきである。TDAは、同じデノミのチップを20枚ずつ積むことを標準として推奨する。高いデノミのチップは、常に見えるようにし、見分けられるようにしなければならない。もしフロアがチップスタックを見てその価値を素早く見積もることができなければ、プレイヤーも同様と思われる。
B: TDは、プレイ中のチップ枚数とデノミを管理し、必要に応じて1人以上のプレイヤーのチップを裁量でカラーアップできる。裁量によるカラーアップは、アナウンスされるべきである。
C: プレイヤーは、ライブハンドを常に見えるところで保持しなければならない。
26: デックチェンジ
デックチェンジは、ディーラー交代のとき、またはレベルアップのとき、もしくはハウスが指定したタイミングで行う。プレイヤーはデックチェンジを要求できない。
27: リバイ
プレイヤーは、ハンドをプレイせずにやり過ごしてはいけない。新しいハンドが始まる前にリバイの意思を示したとき、
そのプレイヤーは、チップが後ろにあるものとしてプレイし、リバイをしなければならない。
28: ラビットハンティング
ラビットハンティング(終了したハンドにおいて、出るカードを見ること)は認めない。
29: クロック要求
プレイヤーは、ゲームの適切なペースを維持するためにも、遅滞なくアクションを起こすこと。TDが妥当な時間が経ったと判断したとき、TDはクロックを宣言することができるほか、そのイベントのプレイヤーからのクロック要求を受け入れられる。プレイヤーがクロックを要求するためには、自身の席に着いていなくてはならない(ルール第30項)。クロックが要求されたプレイヤーは、25秒とそれに続く5秒のカウントダウンのうちにアクションを起こさなければならない。そのプレイヤーが、ベットに直面したまま時間切れになったとき、デッドハンドとなる。ベットに直面していないときはチェックとなる。時間切れと同時だったときは、プレイヤーのアクションを認める。TDは、ゲームに合わせるためや、常習的な遅延行為をやめさせるために、アクションまでの時間を調整したり、そのほかの措置を講じることができる。ルール第2項、第70項参照。
プレイヤーの存在/ハンドの資格
30: 席にいることとライブハンド
プレイヤーがライブハンドを持つためには、最初のディールですべてのプレイヤーに最後のカードが配られたときに、席にいる必要がある。その時点で席にいないプレイヤーのハンドは、見ることができずキルされる。そのプレイヤーのブラインドとアンティはポットに入り、スタッドゲームではブリングインのカードが配られたとき、ブリングインをポストしなければならない。プレイヤーがクロックを要求するときは席にいる必要がある。「席にいる」とは、椅子に手が届く範囲にいる状態を意味する。本ルールは、ハンド中に席を離れる行為を推奨するものではない。
31: アクション継続中にテーブルにいること
プレイ中のハンドを持つすべてのプレイヤー(オールインをしたプレイヤーや、アクションがないプレイヤーを含む)は、すべてのベットラウンドとショーダウンが終わるまで、席にいなければならない。席を離れる行為はハンド保持やアクションを追うことと矛盾し、ペナルティの対象となる。
ボタン/ブラインド
32: デッドボタン
トーナメントにおいては、デッドボタン方式を採用する。
33: ブラインドの回避
ブラインドを意図的に回避するプレイヤーにはペナルティを科す。ルール第71項-B参照。
34: ボタンの位置と移動
A: 誤ったボタンの移動がSA前に判明したとき、誤りを修正する。しかし、SA後はそのままプレイを継続する。例: ボタンが2回移動され、SAが起きたときは、そのまま継続し、次のハンドでボタンは戻さない。すべてのプレイヤーは、ボタンの位置を確認し、間違いに気がついたときは指摘する責務がある(ルール第2項参照)。
B: ヘッズアップでは、SBがボタンとなり、最後にカードが配られ、プリプロップでは最初にアクションを起こし、その他のベッティングラウンドでは最後にアクションを行う。ヘッズアップ開始時は、同じプレイヤーが連続してBBにならないよう、ボタン位置の調整が必要になることがある。
ディールルール
35: ミスディールとファウルデック
A: ミスディールは次の場合が該当するが、これに限らない。1) 最初のディールで2枚以上のボックスカードが発生したとき。2) 最初のカードが誤った席に配られたとき。3) ハンドを持つことができない席にカードが配られたとき。4) ハンドを持つことができる席にカードが配られなかったとき。5) いずれかのプレイヤーに間違った枚数のカードが配られたとき(ルール第37項を除く)。6) SAが起こる前に、ゲームの種別に適さないカードが見つかったとき(例: ジョーカー、ショートデックの2-3-4-5など)。7) フロップゲームで、最初に配られる2枚のカードのどちらか、または計2枚のカードがディーラーのエラーによってエクスポーズしたとき。ドローゲーム(例: ローボール)ではハウスルールを適用する。
B: ボタンのプレイヤーは、2枚連続でカードを受け取ることがある(ルール第37項参照)。
C: ミスディールが起きたとき、再ディールでは同じ状況を再現する: ボタンは動かさず、新しいプレイヤーは着席させず、レベルも変えない。元のディールで席に着いていなかったプレイヤーにもカードが配られ、再ディールでプレイすることができる(ルール第30項)。ペナルティを受けているプレイヤーが元のディールでカードを受け取っていたとき、彼らにはカードが配られるが、その後ハンドは無効となる。元のディールと再ディールは、ペナルティを受けているプレイヤーにとって1ハンドと見なされ、2ハンドとはならない。
D: 一度SAが起こると(ルール第36項参照)、ファウルデックが見つからない限り、ミスディールを宣言することはできず、ハンドは継続されなければならない。SA後に規定外のカードが見つかったときは、それを取り除く(例外: ファウルデック)。
E: ファウルデック: 同じスーツとランクのカードが2枚以上見つかったとき、そのデックはファウルデックとなる。そのほかの条件は、地域のゲーミング規制やハウスポリシーによって定義されることがある。ファウルデックが見つかったときは、SAの有無に関わらずプレイを中断し、すべてのベットを返却する。ハンドが終了すると、ルール第22項に基づきファウルデックに基づく異議申し立ての権利は失う。
37: 少ない枚数でのボタン
ボタンのプレイヤーに通常よりも少ない枚数のカードしか配られたとき、そのことをすぐに報告しなければならない。配られなかったボタンのカードは、ゲームタイプが許せば、SA後でもカードを配ることができる。しかし、カードの枚数が少ないまま、ボタンのプレイヤーがアクションを起こしたとき(チェックやベットをしたとき)、デッドハンドとなる。
39: 不規則なフロップと早く配られてしまったカード
A: フロップが4枚のとき。フロップが3枚ではなく4枚のとき、エクスポーズされているかどうかに関わらず、また、ドアカードが分かっているかどうかに関わらずフロアを呼ぶ。そのあと、ディーラーが4枚のカードを裏向きで混ぜ、フロアがランダムに1枚を選んで次のバーンカードとし、残りの3枚をフロップのカードとする(推奨手順-14: 特別な状況ではランダム性を適用することがあるを参照)。
B: バーンをせず3枚のフロップが出されたとき。エクスポーズやドアカードの判別に関係なく、アクションが起きていなければ、3枚のカードを裏向きに混ぜ、1枚をバーンカードとして選ぶ。フロップは、残りの2枚とスタブの次のカードとする。何らかのアクション(1回のチェックでも)があったときは、最初の3枚のカードでプレイを進める。ターンは1枚だけバーンする。
C: 早くディールしてしまったカードの取り扱いは、推奨手順-5参照。
D: ハンド中のリシャッフル。ゲームの整合性を保つために、ハンドのプレイ中にスタブをリシャッフルする必要があるとき、常にカードはエクスポーズしないようにシャッフルしなければならない。例えば、早く配られてしまったカード(ルール第39項と推奨手順-5)、順序が乱れたスタブ(推奨手順-4)、スタッドカードでスタブが足りなくなったとき(推奨手順-10-H)など。
プレイ: ベットとレイズ
40: ベットの方法: 声に出すこととチップ
A: ベットは、声に出すことおよび/またはチップを前に出すことで行われる。プレイヤーがその両方を行ったとき、先に行われた方がベット内容を決定する。同時に起こったとき、合理的で明確な声の宣言を優先し、それ以外ではチップが有効となる。はっきりしないときや声に出した宣言とチップが矛盾しているとき、TDは状況とルール第1項を勘案してベットを決定する。追補例解40とルール第57項参照。
B: 声を出す宣言は、一般的な用語(コール、レイズなど)、額のみ(ワンサウザンドなど)またはその両方(レイズ、ワンサウザンド)で行うことができる。
C: すべてのベッティングルールにおいて、特定の額のみ声に出して宣言することは、その額のチップを黙って前に出したときと同じこととみなされる。例: 「ツーハンドレッド」と声に出して宣言することは、黙って200のチップを前に出すことと同じ。
41: コールの方法
標準的で好ましいコールの方法は、A) 「コール」と声に出す、B) コール額と同額のチップを前に出す、C) 黙ってコール額以上のチップ1枚を出す、D) 複数チップベットルール(ルール第45項)に従い黙ってコールと同額の複数チップを前に出すことである。ベット額に対して極端に小額なチップを前に出す(例: NLHEで、ブラインドが2,000-4,000。Aが50,000にベットしたあと、Bが1,000のチップを1枚出す)ことは標準的でなく、とても推奨されない行為であり、ペナルティ対象となる。フルコールとみなすかも含め、TDの裁量で解釈する。
42: レイズの方法
ノーリミットまたはポットリミットで、レイズは、A) 一回の動作で全額を前に出す、B) チップを前に出すより先に総額を声に出して宣言することである。意思を明確に示すことは、プレイヤーの責務である。
43: レイズ額
A: レイズ額は、現行のベッティングラウンドにおける最大のフルベットまたはフルレイズの額と同額以上でなければならない。直前の最大ベットの50%以上かつミニマムレイズ未満のレイズをしたプレイヤーは、ミニマムレイズにしなければならない。もし、50%未満のレイズ額で最初にレイズを宣言していないとき、あるいは、そのプレイヤーがオールイン(ルール第45項-B)ではなかったとき、それはコールとなる。額を声に出して宣言することと同額のチップを前に出すことは同じこととみなす(ルール第40項-C)。例: NLHEで1,000のオープンベットのあと、「フォーティーンハンドレッド」と声に出して宣言することと、1,400のチップを前に出すことはどちらも、その前にレイズという宣言がなければ、コールとなる。追補例解43参照。
B: ほかに明らかにする情報がなければ、レイズの宣言額は、トータルベット額を意味する。例: Aが2,000でオープン、Bは「レイズ8,000」と宣言。このときトータルベット8,000となる。
44: 大きな額のチップによるベット(オーバーチップ)
ベットやブラインドにおいて、プレイヤーが大きな額のチップ(最後のチップを含む)を1枚前に出したとき、先にレイズが声に出して宣言されなければコールとみなす。大きな額のチップ1枚でレイズをするとき、チップがテーブルに触れる前にレイズと宣言しなければならない。レイズが宣言されたが、額が宣言されなかったとき、そのチップで認められる最大額がレイズ額となる。ベットに直面していない状態で、宣言せずにオーバーチップを前に出すと、そのチップが示す最大額のベットとなる。
45: 複数チップでのベット
A: ベットに直面したとき、レイズやオールインが先に宣言されない限り、複数のチップ(最後のチップのベットを含む)は、どのチップもコールに必要なときはコールとなる。言い換えると、最も小額のチップを1枚のぞいてもコール額未満のとき、コールとなる。例1: プレイヤーAが400にオープン。Bが合計1,100へとレイズした。Cは、1枚の500チップと1枚の1,000チップを黙って前へ出した。このときコールとなる。なぜなら、1枚の500チップを取りのぞくと、コール額となる1,100に満たない額となってしまうからである。例2: 25-50で、プレイヤーAがポストフロップで1,050にオープン。Bは、最後のチップである2枚の1,000チップを出した。このとき、レイズやオールインが最初に宣言されていなければ、コールとなる。
B: すべてのチップがコールするために必要ではないとき、例えば、最小単位のチップを1枚取りのぞいても、コール額以上のとき、1) プレイヤーの手元にチップが残っているとき、ルール第43項の50%基準にしたがってベット額を決定する。2) プレイヤーのすべてのチップを使ってベットしたとき、それが50%基準を満たしているか否かに関わらず、オールインとなる。追補例解45参照。
46: さげられていない以前のベットでのチップ
A: 混乱を避けるためにも、レイズに直面しているプレイヤーが、以前のベットで出したチップをまだ下げず残しているとき、以前のベットに新たなチップを加える前に、自分のアクションを声に出して宣言すべきである。
B: レイズに直面しているときに、前のベットで出したチップを明らかにさげる動作を行ったとき、コールまたはレイズのアクションが義務付けられ、そのチップを戻してフォールドすることはできない。
C: もし新たなチップが黙って足され、そのベットがハウスにとって曖昧なとき、コールおよびレイズに関するルール第41-45項は以下のように適用する。1) もし以前に出されたチップがコール分を充たしておらず、なおかつ、そのまま残されているかまたは完全にさげられているかのどちらかのとき、コール額を越えるチップ1枚を出すとコールとなり、新たに複数枚のチップを出すと50%レイズ基準(ルール第43項)を適用する。2) もし以前に出されたチップが部分的にさげられている、または、以前に出されたチップがコール額を充たしているとき、最終的なチップ額の合計が50%基準(ルール第43項とルール第45項)を満たしていればレイズとなり、もし満たしていなければコールとなる。追補例解46参照。
48: 許されるレイズの回数
ノーリミットとポットリミットでは、レイズの回数に制限はない。リミットでは、イベントの残りプレイヤー数が2人に減るまでは、ヘッズアップのときでさえレイズ回数が制限される。制限される回数は、ハウスが定める。
50: 順序に沿ったアクション
A: プレイヤーは順序沿って、声に出した宣言とチップを前に出すことの両方、またはどちらか一方を行うことで、アクションを起こさなければならない。順序に沿ったアクションは拘束力があり、投入したチップはポットに入れられる。
B: プレイヤーはベット額が明確になるまでは、自身のアクションを待たなければならない。例: NLHEで、プレイヤーAが「レイズ」と言ったものの、額は言っていないときに、Bがすぐにフォールドしてしまった。Bは本来、レイズ額が明確になるまでアクションを待つべきである。
51: 拘束力を持つ宣言/順序に沿ったアンダーコール
A: 順序に沿って声に出した標準的な宣言(コールやレイズなど)は、そのプレイヤーにそのアクションを約束させる。追補例解51参照。
B: 最初に「コール」と宣言せずに、コールに必要な額未満の額で、宣言またはチップを出すとアンダーコールとなる。プレイヤーが順序に沿ったアンダーコールを 1) ヘッズアップのあらゆるベットもしくは 2) あらゆるベッティングラウンドにおけるマルチウェイのオープニングベットに直面した状況で行ったとき、そのプレイヤーはフルコールをしなければならない。それ以外の状況は、TDの裁量で決定する。オープニングベットとは、それぞれのベットラウンドにおいて最初のチップによるベット(チェックではなく)である。ブラインドゲームにおいてポストされたBBは、プリフロップにおける、オープンベットとみなす。オールインボタンはアンダーコールの頻度を抑える効果がある(推奨手順-1を参照)。このルールは、プレイヤーがフルコールしなければならない状況およびTDの裁量によりアンダーコールされた額を放棄した上でフォールドができるときに適用する(追補例解51参照)。アンダーベット、アンダーレイズについては、ルール第43項参照。
C: 2人以上のアンダーコールが続けて起きたとき、1人目となるアンダーコールをしたプレイヤーまでプレイを戻した上で、そのプレイヤーのベットアクションを、ルール第51項-Bに従って、修正させなければならない。ほかのベッターのハンドの取り扱いは、TDが状況を鑑みて決定する。
52: 不正確なベット、足りないベット、レイズ
A: リミットとノーリミットにおいて、正しい最低限の額に達していないオープンやレイズは、そのストリートの間(リバーはショーダウンされる前)であれば修正する。例: NLHEで、ブラインドは100-200。ポストフロップでAが600にオープンし、Bが(200だけ足りない)1000へのリレイズをした。CとDがコールしたあと、Eがフォールドし、その誤りが見つかった。ターンを始める前までは、すべてのベッターに対してベット額を合計1200に訂正し、ターンを始めたあとは、誤りを訂正しない。アンダーコールについては、ルール第51項参照。
B: ポットリミットで不正確なポットカウントがあり、ポットが実際より多い額で計算された(本来できないベット)とき、そのストリート中は額を訂正する。ポットが実際より少ない額で計算されたとき、SA前であれば訂正する。追補例解52参照。
53: 順序にそわないアクション(アウトオブターン: OOT)
A: OOT(チェック、コール、レイズ)があるとき、正しい順序のプレイヤーまで、アクションを戻す。OOTは、ペナルティを受ける対象となり、またそのプレイヤーまでのアクションに変更がないとき、そのアクションは拘束力がある。本来の順序のプレイヤーのチェック、コール、フォールドは、アクションを変更するものではない。アクションが変わるとき、OOTに拘束力はなくなり、ベットやレイズはそのプレイヤーに一旦戻された上で、コール、レイズ、フォールドの、すべての選択肢がある。順序にそわないフォールドは拘束力がある。追補例解53-A参照。
B: OOTにより順序を飛ばされたとき、そのプレイヤーのアクションを起こす権利は守られなければならない。合理的な時間があったにも関わらず、順序を飛ばされたプレイヤーが、サブスタンシャルアクション(ルール第36項)が起こる前に何も言わず、そのプレイヤーの後ろでOOTが起きたとき、OOTは拘束力を持つ。フロアはアクションを差し戻し、飛ばされたハンドをデッドハンドとするか、アグレッシブではないアクションに制限するかなど、状況をみて決定する。追補例解53-B参照。
54: ポットサイズとポットリミットでのベット
A: プレイヤーは、ポットリミットゲームに限って、ポットサイズのカウントを要求する権利がある。ディーラーはリミットゲームとノーリミットゲームは、ポットをカウントしない。推奨手順-22 ポットの広げ方を参照。
B: プリフロップでは、デッドまたはブラインドによるショートオールインは、ポットの算出に影響しない。すべてのプリフロップのポットとリポットのベットは、フルブラインドがポストされたとみなす。例1: PLO 100-200のブラインド、SBがデッド、BBが200をポスト。例2: SBが100をポスト、BBがショートで100をポスト。どちらの例でも、最初にアクションするプレイヤーのポットリミットベットは700となる。
C: ポストフロップでは、ベットは実際のポットに基づく。
D: 「ポットベット」と宣言することは、ノーリミットゲームでは有効なベットではないが、そのプレイヤーはミニマムベット額以上の有効なベットを行わなくてはならない。また、ペナルティの対象となることがある。ベットに直面しているプレイヤーは、有効なレイズを行わなければならない。
55: 無効となるベットの宣言
ベットに直面していないプレイヤーが、A) 「コール」と宣言したときそれはチェックとなり、B) 「レイズ」と宣言したとき少なくともミニマムベットとなる。ベットに直面したプレイヤーが、「チェック」と宣言したとき、コールまたはフォールドとなるが、レイズはできない。
56: ストリングベット
ストリングベットおよびレイズは禁止されている。これは、プレイヤーが一度ベットしたあと、再びスタックに手を伸ばし、追加のチップをベットする複数の動作を伴うものを指す。
57: 標準的でない、不明確なベット
非公式なベット用語やジェスチャーは、プレイヤーのリスクのもとで使わなければならない。これらは、プレイヤーの意図する意味以外に解釈されることがある。また、宣言されたベットのサイズが法的に複数の意味を持つとき、ベットをする前のポット額*以下で考えられる最も高い合理的な額のベットとする。例: NLHEで、ブラインドは200-400。ポットが5,000未満のとき、ここで「ベット、5」と宣言したとき、それ以外に明確な情報がないとき、ベット額は500とみなす。仮にポット額が5,000以上のとき、ベット額は5,000とみなす。*ポットの額は、それまでに行われ、プレイヤーの前に出されている、ひかれていないすべてのベット額の合計である。ルール第2項、ルール第3項とルール第40項、ルール第42項参照。
58: 標準的でないフォールド
最後のベットラウンドが終わるまで、自分の番までのあいだにフォールドがないとき(チェックで回ってきたときや自分がポストフロップで最初にアクションを起こすプレイヤーのとき)に行う正しい順序に沿ったフォールドや、そもそも順序にそわないフォールドは、いずれもペナルティの対象となるうえ、そのフォールドは拘束力を持つ。ルール第15項-B参照。
59: 条件付きの、完了していない宣言
A: 将来のアクションに関する条件付きの宣言は、標準的ではなく強く推奨しない。そうした宣言は、TDの決定により、拘束力があり、かつ/またはペナルティの対象となることがある。例: 「もしベットするなら、私はレイズするよ」といった宣言。
B: プレイヤーAが、「ベット」もしくは「レイズ」を宣言したあとに、正確なベット額が知られる前に、プレイヤーBがコールしたとする。このとき、Bに対して任意の額へのコールの義務を課すという決定を含めた、その状況に最適なベット額をTDが決定する。
61: お釣りを望んだオーバーベット
お釣りを得るためのベッティングアクションを起こしてはならない。意図したベット額以上のチップを前に出すと、周りのプレイヤーを混乱させることがある。宣言せずに出されたチップは、すべてベットの一部とみなされるリスクがある。例:オープンベットが325であり、プレイヤーAが200のお釣りを期待して、525(1枚の500と1枚の25)を宣言せずに出したとき、これは複数のチップルール(ルール第45項)により、650へのレイズとみなす。
62: チップが後ろに残っているとあとで分かったオールイン
Aがオールインし、あるプレイヤーがそれをコールしたあとに、隠れたチップが見つかったとき、そのチップが許容されたアクションの一部になるか、TDが決定する(ルール第49項)。アクションの一部とならないとき、Aが勝ったとしてもそのチップ分は得られない。Aが負けたときには、そのチップ分を節約することはできず、TDは勝ったコールしたプレイヤーにそれを渡すことができる。
プレイ: そのほか
63: 隠れているチップと移動中のチップ
プレイヤーは、チップを見えない状態で保持、移動してはならない。そのプレイヤーは、隠したチップを没収、失格処分となることがある。没収されたチップは、ゲームから除外する。チップを移動するとき、必要に応じてラックやバッグを提供することを、TDAは推奨する。
64: 遺失物のチップ
遺失物のチップが見つかり、誰のものかが分からないとき、プレイから除外し、トーナメント用備品に戻す。
65: 誤ったキル/反則/エクスポーズとされたハンド
A: プレイヤーは、ショーダウンのときに判定を待つまでのあいだも含めて、自身のハンドを常に保持(プロテクト)しなければならない。ディーラーが、誤ってキルしたり、TDの決定でキルしたりして、100%の確実性を持って特定できないとき、プレイヤーはいかなる処置も受けず、ベット分を取り戻す権利もない。プレイヤーがベットやレイズし、まだコールされていないとき、そのベットやレイズ分のチップはプレイヤーに戻す。
B: 一度キルされたものの、それが特定可能であるとき、カードが開かれてしまったとしても、プレイの続行は可能である。
66: スタッドでのデッドハンドとマック
スタッドポーカーで、プレイヤーがアクションのときにアップカードを取り上げると、そのハンドはデッドハンドとなる。スタッドにおける正しいマックは、すべてのアップカードを裏にして前に出すことである。
エチケットとペナルティー
67: 情報開示の禁止、ワンプレイヤーワンハンド
プレイヤーは、トーナメントにおいて常にほかのプレイヤーのことを守らなければならない。そのためプレイヤーは、ハンドに参加しているかどうかに関わらず:
1. ライブカードやマックしたハンドの内容を話してはならず
2. プレイについて、いつでもアドバイスしたり批判したりしてはならず
3. まだ開かれていないハンドを推測してはならない
ワンプレイヤーワンハンドを採用する。なかでも、特にこのルールでは、ほかのプレイヤー、アドバイザー、見学者に対して、ハンドを見せたり、戦略を議論することが禁止されている。
68: カードのエクスポーズと適切なフォールド
アクション保留中のハンドのエクスポーズは、そのプレイヤーが最後にアクションを起こすときを含めて、ペナルティの対象となることがあるが、デッドハンドにはならない。任意のペナルティは、そのハンドが終了したときから始まる。フォールドのとき、カードをテーブル上で低く出さなければならず、故意にそれをエクスポーズしたり、高く投げたりしてはならない。ルール第66項参照。
69: 倫理的なプレイ
ポーカーは、個人のゲームである。ソフトプレイはペナルティとなり、そのペナルティにはチップの没収やイベントの失格も含まれる。チップダンピングやそのほかの様々な共謀も失格の原因となる。
70: エチケット違反
エチケット違反は、ルール第71項の強制的な執行の対象となる。たとえば、常習的なゲームの遅延、ほかのプレイヤーの身体やカードまたはチップへの不必要な接触、OOTの繰り返し、カードやチップを見えにくかったり数えにくい形での保持、ディーラーの届かない場所へのベット、罵倒行為、他者を不快にする体臭、および過度の私語を含むが、これに限らない。
71: 警告、ペナルティー、失格
A: 執行の選択肢には、口頭による注意、1ハンド以上の「ミスハンド」または1周以上の「ミスラウンド」ペナルティ、失格が含まれるが、これに限らない。ミスラウンドのとき、ペナルティが科されたときにテーブルにいたプレイヤー数に、ペナルティの周回数をかけたハンド数を退席とする。同じ違反を繰り返したときは、ペナルティは段階的に厳しくなる。テーブルを離れたプレイヤーはペナルティを受けているプレイヤーは、アンティまたはブラインドによってトーナメントからアウトすることがある。
B: ペナルティは、マナー違反(ルール第70項)、アクション保留中にカードを開く、カードを投げる、ワンプレイヤーワンハンドルールの原則への違反、デバイスやストラテジーツールの不適切な使用(ルール第5項)、またはこれに類する行為に対して科されることがある。さらにソフトプレー、暴言、妨害行為、ブラインド回避や不正行為に対してもペナルティを科す。リバーの最後のアクションで、ナッツ(最も強いハンド)を持ってチェックすることは、自動的にソフトプレイによる違反にはならない。状況に応じてTDが決定する。
C: ペナルティを受けているプレイヤーは、テーブルから離れなければならない。そのプレイヤーの席では、アンティやブラインドが出され、カードが配られるが、その後キルする。スタッドでブリングインが配られたとき、そのプレイヤーはブリングインをポストしなければならない。
D: 失格となったプレイヤーのチップは取り除く。
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2024年版 推奨手順, バージョン1.0, 2024年10月
TDA推奨手順は、エラーを減らし、イベント管理を改善するための指針の提案である。また、多くのバリエーションがある状況のため、ひとつの共通的なルールでは対処できないときに適用する。このときの公正な決定には、ルール第1項の指針のもと、複数のルールを使い、すべての状況を評価することが必要となる。
推奨手順-1: オールインボタン
オールインボタンは、プレイヤーが「オールイン」したことを、明確に示すためのものである。オールインボタンは(プレイヤーが持つよりも)ディーラーが預かっておくべきものである。プレイヤーがオールインしたとき、ディーラーはテーブルにいるほかのプレイヤーから見えるよう、そのプレイヤーの目の前にオールインボタンを置く。
推奨手順-2: ベットをブリンギングすることは推奨されない
ベットやレイズのたびに、そのチップから前のベット額を引くブリンギングは、ディーリングとしてよくない。ベットスタックを減少させることは、アクションに影響を与えたり、混乱を招いたり、エラーを増やしてしまう。アクションに直面するプレイヤーに限って、ディーラーにブリンギングを求めることができる。
推奨手順-3: 個人の持ち物
テーブル上はチップスタックの管理、ディーリング、ベッティングのための重要な場所である。テーブルとその周辺(足元と通路)は、不要な私物で散らかしてはならない。各カードルームは、トーナメントエリアで許可するアイテムを明確に表示するべきである。
推奨手順-4: 順序が乱れたスタブ
配られるカードが残っている状態で、スタブを誤って落としてしまい、順序が変わったと思われるときは: 1)可能であれば元の順序に復元することを優先し、2) 不可能なときは、スタブのカードだけで(マックやそれまでにバーンされたカードを混ぜずに)新しいスタブを作る。そのとき、しっかりシャッフル、カットをして作った新しいスタブを使ってプレイを進行する。3) 落としたスタブが、マックやバーンカードと混ざったとき、マックやバーンカードと一緒にスタブをよく混ぜ、シャッフル、カットして作った新しいスタブを使ってプレイを続ける。
推奨手順-5: 予定より早く出されてしまったカード
進行中のラウンドのアクションが終わる前に、誤って次のラウンドのボードやバーンカードが配られてしまうことがある。 このとき、一般的な対処法は次の通り。
A: 早々のフロップカード: バーンカードはそのまま正しいバーンカードとする。早々なフロップカードは一度スタブに戻し、リシャッフルする。そのスタブから(バーンカードなしで)新たなフロップを開く。B: 早々のターンカード: ターンのバーンカードはそのまま残す。早く出されてしまったターンカードは一度スタブに戻し、リシャッフルする。そのスタブから(バーンなしで)新たなターンカードを開く。C: 早々のリバーカード: リバーのバーンカードはそのまま残す。早々なリバーカードはスタブに戻し、リシャッフルする。そのスタブから(バーンなしで)新たなリバーカードを開く。D: スタッドで早々なカード: 早々なカードはスタブに戻し、リシャッフルする(推奨手順-17: リシャッフル参照)。そのスタブから(バーンなしで)新たなストリートを配る。推奨手順-7: ディーラー交代のタイミング
TDAでは、休憩やブラインドアップ90秒前からのディーラー交代は避けることを推奨している。これにより、ゲームの極めて重要な局面で時間切れになることを防ぐ。
推奨手順-8: H4H(ハンドフォーハンド)の手順
A: 払い出しを受ける資格は: 「このハンドでゲームを止め、H4Hに入ります」とアナウンスがあったときから始まる。その進行中のハンドで、インザマネー(入賞)となるのに十分な人数がバスト(負けて)しまったとき、バストしたプレイヤーが払い出しを受けることがある。例: 50人入賞のNLHEのトーナメントで、アナウンス時には52人が残っていたが、そのハンドで3人が一度にバストした。その3人は、50位に払い出す額を分け合う。
B: H4H中、1ハンドごとに時計から最大3分を差し引く。
C: プレイヤーがレベルアップのタイミングを明確に知ることができるよう、複数ハンドごとではなく、それぞれのハンドごとに、時計を2分ずつ減らす。
D: 1ハンド2分ずつの時間経過および新しいレベルに達したとき、ブラインドも上がる。
E: H4H中、プレイヤーたちは自分の席にとどまることを推奨するが、義務ではない。
F: H4H中、オールインに対するコールがあったとき、それに関わるすべてのハンドは裏向きのままを保つ。ディーラーは、指示があるまで追加のカードを配ってはいけない。
推奨手順-9: ファイナルテーブルの構成人数
9人テーブル(ナインハンデッド)および8人テーブル(エイトハンデッド)のイベントでは、5人プレイヤーの2テーブルから9人のファイナルテーブルへと統合する。7人テーブル(セブンハンデッド)および6人テーブル(シックスハンデッド)のイベントでは、4人プレイヤーの2テーブルから7人のファイナルテーブルへと統合する。
推奨手順-10: スタッドトーナメントのディーリング手順
A: 最初のディールのときにダウンカードがエクスポーズした(表向きに配られた)とき、そのカードはプレイヤーのアップカード(表向きカード)とし、3rdストリートはそのプレイヤーに対してダウンカードで配る。そのプレイヤーはブリングインになり得る。
B: 7thストリートのカードがエクスポーズしたとき、もしまだベットアクションが残されていれば交換する。7thストリートのカードは、そのハンドでのベットアクションがもう残されていなくても伏せて配られるべきであり、オールインの状況では敗退の危機にないプレイヤーから先に開くべきである。
C: 席にいないプレイヤーへのカード(ルール第30項参照)はキルされる。4thストリートのカードは、ライブハンドのないプレイヤーには配られない。
D: スタッド(またはスタッド8)のハイハンドやラズのローハンドで、みえている2人以上のハンドが同じとき、どちらのゲームでも、スートによるハイカードを持つプレイヤーから始めにベッティングをスタートさせる。
E: ローカードを配られたプレイヤーがアンティでオールインとなるとき、ベットアクションは、そのプレイヤーの左隣のプレイヤーから始める。チップを持つプレイヤーたちは、少なくともブリングインするか、フォールドしなければならない。
F: ペアが表にみえているときでも、4thストリートでのベットは2倍にならない。
G: スタッドで、本来配られるべきときより前に配られてしまったカードの取り扱いについては推奨手順5-D参照。
H: 7thストリートでスタブが足りなくなったときの手続き。もし7thストリートまでにスタブが「必要とされる数」(残りのプレイヤー数+バーンカード+配られていない最後のカード)を下回ったとき、次のように進行する。A) もし必要とされる数がそこまでの3枚のバーンカード(4th、5th、6thストリート)を加えることで充たされるなら、そのスタブにそこまでのバーンカードを加えた上でスクランブルし、新たなスタブを作る。新しいスタブはカットされ、カード1枚がバーンされ、各プレイヤーに1枚ずつ配られる。B) もし、いまのスタブに最低3枚のカードが残っているが、これまでのバーンを加えても必要とされる数を充たさないなら、ディーラーはいまのスタブの一番上のカードをバーンして、その次のカードはテーブルの中央にコミュニティカードとしてディールする。C) もし、いまのスタブが3枚未満であるとき、それまでのバーンカード3枚を加えてスクランブルし、新しいスタブはカットされ、カード1枚がバーンされ、その次のカードがコミュニティカードとしてディールする。D) コミュニティカードが使われているとき、6thストリートでの最初のプレイヤーが7thストリートで最初にアクションを起こすプレイヤーとなる。
推奨手順-11: アンティ形式と減額禁止
シングルプレイヤーアンティが使用されるときは、BBアンティ形式(BBA)でBBファースト計算を推奨する。イベントの進行に伴う(ファイナルテーブルを含めて)、アンティを減額すべきではない。
推奨手順-12: ディーラーはベットやレイズをアナウンスすべき
ディーラーは、オールインではないベットの額をテーブルでベッティングが進行しているあいだ、常にアナウンスし続けるべきである。オールインベットは、そのときアクションを起こすべきプレイヤーからの要求があったときのみ数える。受け入れられたアクションのルール(ルール第49項)は、ここでも継続して適用する。スケジュールとして組み込まれた、あるいはその場の決定によるカラーアップは、ベットのカウントしやすさを向上させる。
推奨手順-13: ディーラーはスプリットポットゲームではチップをスタックにするべき
それが可能であれば、ディーラーはスプリットポットゲームでは、ポットを定期的にスタックにするべきである。チップをスタックにすることで、プレイヤーからの視認性を不明瞭にしたり、ゲーム進行の妨げになることは避けるべきである。
推奨手順-14: 特別な状況ではランダム性が適用することがある
TDAルールおよび手順の中で取り上げられていない誤りを修復する目的で、TDは解決法を編み出すに当たってランダム性の概念を用いることがある。
推奨手順-16: ブレイクするテーブルにいないプレイヤー
テーブルをブレイクする際、離席しているプレイヤーのチップはスタッフが新しいテーブルに移動するべきである。
推奨手順-17: トーナメントにおけるドローゲームのベッティング手順
リンプは全てのシングルドローゲームで許可されている。
推奨手順-18: ミックスゲームの順序
エラーを減らすため、ミックスゲームイベント(例:H.O.R.S.E.)において、スタッドとスタッド8は連続してプレイする必要はない。
推奨手順-19: 遅延行為の抑制
ハウスは遅延行為を抑制する意図をはっきりとアナウンスし、プレイヤーに遅滞ないプレイが望まれていることを理解させるべきである。それぞれのハウスは、遅延行為を減らすための創意工夫が求められる。TDAに加盟するハウスが行った方法には次のようなものがある。ランダムなテーブルのブレイク、レベルごとにハンド数を固定する、オービットフォーオービット、ソフトハンドフォーハンド、ショットクロックの追加など。
推奨手順-20: シャッフル準備
トーナメント開始時や休憩終了時、プレイ開始または再開の1分前に、フロアは「ディーラーは、デックの準備をしてください」とアナウンスするべきである。テーブルに少なくとも2人のプレイヤーがいるとき、ディーラーはデックをウォッシュしてからまとめ、レベル開始時にシャッフルができるよう準備する。
推奨手順-21: ポットの広げ方
ポットのカウントはポットリミットゲームに限って行なう。要求があれば、チップの視認性を高めるためにポットを広げることができる。ルール第54項ポットサイズとポットリミットベット参照。
推奨手順-22: 額面のないアイテムでのベット(バウンティチップ、クロックトークンなど)
額面のないアクションアイテム(バウンティチップ、クロックトークンなど)は、標準のベッティングチップとは異なるサイズであるべきである。これらのアイテムでのベットは、ハウスポリシーまたはルール第1項に基づいて解釈され、TDの裁量でコールまたはオールインと見なす場合がある。
POKER TOURNAMENT DIRECTORS ASSN.
2024年版 追補例解, Version 1.0, 2024年10月
Poker TDAは、2001年に設立されたポーカー業界の任意団体である。ポーカートーナメントルールの世界的な統一性を高めることが使命である。Poker TDAルールは、ハウスルールを補足する。ハウスルールとの競合があったとき、ハウスルールを適用する。
第10項: テーブルブレイクのときの2段階のランダムな手順
2段階のランダムな「ダブルブラインド」と呼ばれる方法により、新しい席の割り当てに不正のないような方法をとることができる。以下は例である。1) ブレイクするテーブルでプレイヤーにシートカードを見せたあと、それを裏向きにしてシャッフルし束にする。2) ディーラーは、プレイヤーに表向きでトランプを1枚ずつ配る。数字とスートの強いトランプを持っているプレイヤーからシートカードを配る。
第11項-D: テーブルバランスとプレイの中断
例: 9人制のNLHEで、Aテーブルが5人、Bテーブルが8人で最もプレイヤー数が多いとき。AテーブルでBBが空席にさしかかるとプレイを中断する。
第16項: オールイン時のホールカードのフェイスアップ
「プレイヤーがオールインし、他のプレイヤーのすべてのベッティングアクションが完了した時点で、すべてのハンドは遅滞なく公開される」。このルールの意味することは次の通りである。少なくとも1人のプレイヤーがオールインをし、ほかのプレイヤーに、これ以上のベットアクションの機会がないとき、すべてのプレイヤーのホールカードを表向きにする。ショーダウンとなるまで、カードの開示を遅らせることもなければ、メインポットのみしか関与していないプレイヤーのカードの開示を、サイドポットの決着がつくまで遅らせることもない。ショーダウンの前のどのストリートにおいても、ベットアクションが完了したときに、カードをすべて表向きにしたあと、残りのコミュニティーカードをめくる。
例1: NLHEで2人のプレイヤーが残っている。ターンにおいて、スタックの少ないプレイヤーAがオールインし、それをプレイヤーBにコールされた。このとき、AとB両方のカードを表向きにする。そしてバーンをし、リバーを開き、ショーダウンに進む。
例2: NLHEで3人のプレイヤーが残っている。プリフロップで、1番ショートスタックのプレイヤーAがオールインし、プレイヤーBとCの2人にコールされた。このとき、BとCの両方が、さらなるベットアクションの可能なチップを持っているため、カードはまだ表向きにしてはいけない。
フロップにおいてBとCがチェックをした。まだベットはできるため、カードは表向きにしない。
ターンでBがオールインをし、Cがコールした。このときこれ以上のベットアクションは起こらないため、A、B、Cのカードをすべて表向きにしなければいけない。バーンをして、リバーを開いて、ショーダウンに進まなければいけない。まず、BとCの2人のあいだのサイドポットを決定し、そのあと、メインポットを与える。注意: BとCのあいだのサイドポットを決定するまで、Aの持つカードを裏向きにしておくということはない。
例3: NLHEで3人のプレイヤーが残っている。プリフロップで、1番ショートスタックのプレイヤーAが700をオールインしたところ、数千チップを残しているプレイヤーBとCのふたりにコールされた。BとCは、さらにベットアクションができるチップを持っているので、ここではまだカードを表向きにしない。フロップにおいて、BとCがチェックした。まだベットアクションができるため、カードは表向きにしない。ターンにおいて、Bが1,000をベット、Cがコールした。BとCの両者はどちらもまだチップを持っていて、リバーカードが残っているため、ベットアクションは可能な状況である。そのため、ここではまだカードを表向きにしない。リバーにおいて、BとCがチェックした。ベットアクションは終了し、ハンドがショーダウンの段階となっているため、AとBとCはハンドを表向きにしなければいけない。まず初めに、BとCのあいだの2,000のサイドポットを決定する。そのあと、メインポットの決定をする。注意: BとCのあいだのサイドポットを決定するまで、Aの持つカードを裏向きにしておくことはない。
第18項: ハンドの開示要求
例1: NLHEで3人のプレイヤーが残っている。リバーの段階で誰もベットやオールインをしていない状況である。ショーダウンで、プレイヤーAはカードを裏向きのまま投げた。ディーラーによって、それらのカードはマックされた。プレイヤーBはカードを表向きにし、プレイヤーCは裏向きのままカードを前に押し出した。このときBは自分だけがカードをみせたことになるため、Cにハンドを見せるよう要求することができる。しかし、この要求はTDの裁量に委ねられる。なぜならば、リバーの段階でプレイヤーBはベットしておらず、ハンドをみる権利がないとみなすためである。また、AとCは自分の持つハンドを見せておらず、カードを持っていないため、ほかのプレイヤーにハンドの開示を求めることはできない。
例2: NLHEで4人のプレイヤーが残っている。リバーの段階でプレイヤーAは1000ベットし、Bはコールした。Cが5000にレイズしたあと、D、A、Bはそれぞれコールした。誰もオールインはしていない。Bがカードを表向きにし、トリップスをみせた。Dはすぐにカードを裏向きでマックし、それをディーラーがキルした。Cは裏向きでカードを押し出そうとした。このとき、AとBは、Cのハンドの開示を要求することができる。理由は以下の通りである。1) Cはリバーにおけるラストアグレッサーであり、AとBの2人は、Cのカードを見るために、コール分のチップを払っているため。2) AとBの2人は、自身のカードを所持しているためDは自身のカードを開示せずフォールドしたので、Cにハンド開示を要求する権利はない。この状況で、BがAのハンドの開示を要求するなどのほかの要求(ほかのコールしたプレイヤーのハンド開示要求)は、すべてTDの裁量に委ねられる。
第38項: サブスタンシャルアクションのあとのバーン
例1-A: ブラインドは、50-100。1, 2番席がSB, BBである。プリフロップで、すべてのプレイヤーに最初のハンドが配られた。3番席(UTG)がフォールド、4番席がコールをして、サブスタンシャルアクションが完了した。ここで5番席のプレイヤーが、自身のハンドに1枚のカードしかないことに気が付いた。このとき、そのプレイヤーのハンドはデッドハンドとなる。すでに、サブスタンシャルアクションが完了しているためである。このあとディーラーは、1枚バーンカードを出してからフロップを開く。カードを「元の順序へ戻す」ために2枚のカードをバーンすることはない。
例1-B: ブラインドは、50-100。1, 2番席がSB, BBである。プリフロップで、すべてのプレイヤーに最初のハンドが配られた。3番席(UTG)がフォールド、4番席がコールをして、サブスタンシャルアクションが完了した。ここで、5番席のプレイヤーが、自身のハンドに3枚のカードがあることに気が付いた。このとき、そのプレイヤーのハンドはデッドハンドとなる。すでに、サブスタンシャルアクションが完了しているためである。このあとディーラーは、1枚バーンカードを切って、フロップを開くことになる。5番席の3枚目のカードをバーンカードとして切り、スタブからはバーンを使わないといった取り扱いをすることはない。
第40項-A: ベットの方法: 不明確、あるいは矛盾しているベット
はっきりしないときや声に出す宣言とチップが矛盾しているとき、TDは、その場の状況とルール第1項を勘案して、そのベットを決定する。
例1: リバーのヘッズアップにおいて、プレイヤーAが「フォーティトゥーサウザンド」と声に出して宣言をしつつ、5000チップを1枚しか出さなかった。テーブル全員が、声に出した宣言を聞いたわけではなかった。プレイヤーBはコールしようと5000チップを出した。両者がハンドをみせ、Aがベストハンドだった。決定の基準は様々複合している: 声に出した宣言が先にあったが必ずしも明確ではなかった。チップでは5000のベットが示されている。こうした不明確で矛盾している状況のとき、TDはルール第1項を適用してできる限り公正に決定する。
第43項: レイズ額「いまのベットラウンドにおける最大のベット額もしくはレイズ額」
この一説の意味するところは、いまのラウンドにおける、前のベッターによる最大の追加的なアクション、もしくは「適切な(額の)増分」を意味する。いまのラウンドとは、「いまのストリート」のことを意味し、ボードゲームであれば、例えば、プリフロップ、フロップ、ターン、リバーであり、7スタッドであれば、3rd-4th-5th-6th-7thストリートのことを意味する。
例1: NLHEで、ブラインドは100-200。ポストフロップにおいて、Aが600にオープンし、Bが1000を追加した1600のレイズをした。さらにCが、2000を増やした3600のリレイズをした。この状況でDがさらにレイズをしたいとき、彼は少なくとも「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」であるCの2000という額を上乗せしなければいけない。そのためDは、3600に2000を加えた、少なくとも5600以上の額にしなければならない。注意しなければいけないのは、Dが最低でも上乗せしなければいけない額が、Cのベット額全体の3600ではなく、Cが上乗せした額の2000であるという点である。
例2: NLHEで、ブラインドは50-100。プリフロップにおいて、UTG にいるAが、トータル150(ベット額の増分は50)のオールインをした。つまり我々にとっては、100のブラインド分のベット額に加えて、50の分だけ増えたオールインを受けていることになる。どちらの額が大きいだろうか。100という額が、「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」であるため、もしBがリレイズをしたいとき、少なくとも100を増分とした、250以上の額をトータルの額とするレイズをしなければならない。
例3: NLHEで、ブラインドは100-200。ターンにおいて、Aが300をベットした。Bは2枚の500チップで、合計1000のレイズ(増分は 700)をした。Cがコールをするときの額は1000 となる。Cがレイズをしたいとき、「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」は、Bのレイズの増分である700である。そのため、Cの最小のレイズ額は、700を加えた合計1700となる。彼の最小レイズのための増分は、Bのベット額の1000ではないことに注意してほしい。例4-A: NLHEで、ブラインドは25-50。Aは75を加えた合計125のレイズをした。これは、50に75を加えた額であることに注意したい。このストリートにおいて、さらにレイズをしたいとき、「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」は75である。そして今Bは、そのミニマムのレイズ分(75)を加えた200のレイズをした。そしてCはさらに、300を加えた500のレイズをした。いまの状況は、最初のベット額の50に対して、75の額の増加が2回あったあと、300の額の増加があった。もしDがリレイズしたいとき、「レイズの増加額は少なくとも、いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」 である、300を加えなければならない。そのため、Dは少なくとも300を加えた合計800のレイズをしなければならない。例4-B: 4-Aと同じブラインドであり、Dまで500で回ってきた部分は同じであるものの、Aによって450の増分を加えた500のレイズがあり、BとCがそれにコールをした状況である。このとき、ブラインドのベット額である、50とレイズの増額が450である状況となっている。「レイズの増加額は少なくとも、いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」 であるため、今回それはAの増分である450となる。Dがコールをしたければ500のままであり、レイズをしたければ少なくとも450を加えた、950以上にしなければならない。第45項: 複数チップのベッティング
A: ベットのとき、レイズやオールインを先に宣言することなく(最後のチップによるベットを含み)複数の同一単位のチップを押し出すことは、すべてのチップがコールをするために必要なとき、コールとみなす。B: すべてのチップがコールをするために必要ではないとき、たとえば最小単位のチップ1枚をのぞいたときにもコール額以上あるときには、1) プレイヤーの手元にチップが残っているときには、ルール第47項の50%の基準に従って決定する。2) プレイヤーの最後のチップを使ったベットであってオールインであったとき、50%の基準に達しているかどうかで、オールインとなるかを決定する。
例1: 1枚のチップを引いてもコールの額未満のときには、コールとみなす。
1-A: フロップでプレイヤーAが1,200ベットし、Bが宣言せずに1,000を2枚出したとき。これは、 どちらかのチップをのぞくと1,200を下回るため、コールとなる。
1-B: NLHEで、ブラインドは250-500。プリフロップでUTGがレイズ600、トータル1,100。次のプレイヤーが宣言せずに500点1枚と1,000点1枚を出した。これは、500点か1,000点のチップをのぞくと1,100を下回るため、コールとなる。
例2: 1-Bのとき、UTG+1のプレイヤーが宣言せずに1,000を1枚と100を5枚出した。このとき、コール額以外の4枚の100は取りのぞかれ、1,100のコール分を残す。さらに、ルール第43項に従って、ミニマムレイズの増分は600の50%は300となる。このため、UTG+1はコール額の1,100に300を加えた1,400以上を出しているので、フルレイズの1,700となる。UTG+1はレイズしなければならない。
例3: 例2と同じように、UTG+1のプレイヤーが宣言せずに1枚の1,000と3枚の100を出した。このとき、1,100をのぞいた増分は200で、ミニマムレイズ額の50%の300に達していないため、コールとなり、200はプレイヤーに返す。
例4: すべてのチップによる複数ベットA) もしすべてのチップがコールに必要なとき、プレイヤーの手元にチップが残っているときと同じように取り扱う(例1参照)。B) 最小単位のチップ1枚を取りのぞいてもコール額以上のとき、そのベット額が50%のレイズ基準に達しているかどうかに関わらず、そのプレイヤーはオールインをしたものとみなす。
例4-A: Aが1,400にオープンし、(手元にまだ多くチップの残る)Bが宣言せずに1枚の1,000チップと3枚の500チップを出した。このとき、強制的に2,800のミニマムレイズとなる。なぜなら、50%の基準値である2,100(1,400+700)に達している額であるためである。
例4-B: 同じように1400へのオープンに対し、Bが1枚の1,000チップと2枚の500チップを出した。このときコールとなる。なぜなら、50%の基準値である2,100には満たない額であるためである。注意: 4-A, 4-Bどちらの例でも、プレイヤーがすべてのチップを使ってそのベットを行ったとき、オールインとなる。
第46項: さげられなかった前のベットのチップ、状況例
シチュエーション1: 前のベットのチップがコール額を満たさない状態でそのまま置かれているとき。例: NLHEで、25-50、BBが2枚の25をポストしていて、ボタンが600へとレイズした(BBに550を上乗せ)ケース。
1: 1枚のオーバーチップを加えるとコールとなる(2枚の25 チップに対し1枚の1,000チップを入れるとき)。
2: 複数枚の新しいチップを加えたときで、新たに加えたチップすべてがコールに必要ならコール。a) 2枚の25チップに対し、2枚の500チップを加えたとき、b) 2枚の25チップに対し、1枚の100チップと500チップを加えたとき。上記の例2つは、それ以前のチップに合算されたとき、新たに加えたチップすべてがコールに必要である。
3: 新たに加えたチップのうち、最小単位のものがコールに必要のない分として1枚以上あったとき、ルール第45項の複数チップでのベットとなる。(2枚の25チップに対して1,000と500を1枚ずつ入れ、合計1,550のベットをしているとき)ルール第45項の複数枚のチップによるベットとなる。ルール第45項にしたがって、宣言せずに出された複数枚のチップによるベットは、それが50%の額にたっしているときにはレイズとなり、それ以外はコールとなる。
シチュエーション2: 以前のチップがコール額を満たしておらず、それがすべて回収されたとき:
1) 前のチップをすべて回収し、オーバーチップを1枚追加するとコールと見なされる(25チップ2枚を回収し、1kチップを追加する)。
2) 前のチップをすべて回収し、複数枚の新しいチップを追加すると、ルール第45項に基づいてベットと見なされる(25チップ2枚を回収し、2枚以上の新しいチップを追加する)。
シチュエーション3: 以前のチップを一部回収したとき(コール額を満たしているがどうかに関わらず):
1) 前のチップを一部回収した(25チップを1枚だけ回収し、1枚残している)状態で、新しいチップを追加したときは、ルール第45項の複数チップでのベットと見なす(50%基準に達していればレイズ、達していないときはコール)。
シチュエーション4: 以前のチップがコール額を満たしているとき、新しいチップが追加するとルール第45項の複数チップでのベットと見なす。
1) ホールデム ブラインド50-100、BBが1000をポスト。プリフロップで700にレイズ(BBに600追加)。前の1000チップがレイズをカバーしているため、新しいチップを追加するときルール第45項のベットとなり、全額がベットと見なされる。この適用は、最初の1000チップが回収されるか残されているかに関わらない。
シチュエーション5: 上記にかかわらず、すべてのチップを合わせてから、押し出したり前に投げたりするジェスチャーは、ルール第45項にしたがって、すべてのチップでベットする意図と解釈されることがある。
第47項: ベットのリオープン(再オープン)
例1: 複数のショートオールインが累積でフルレイズと同額にたっし、ベッティングがリオープンするケース
NLHEで、ブラインドは50-100。ポストフロップ、Aが100のミニマムでオープンベット。
Bが125をオールイン、Cが125をコール。
Dがトータル200となるオールインをし、Eが200をコール。
Aにアクションが戻り、Aは合計100のレイズに直面している。100はフルレイズの額を満たしていて、Aに対してベッティングがリオープン(再オープン)されているため、Aはフォールド、コール、レイズのいずれも行うことができる。注目すべき点は、Bの増加分25とDの増加分75は、ともにそれだけではフルレイズに満たないが、それらが合わさることでフルレイズとなり、したがって「アクションが戻ってきたときに、少なくともフルレイズに直面しているプレイヤー」に対してベッティングがリオープンしていることである。
例1-A: 例1で最後にAが合計200をスムースコール(100を加えた)した。Cのアクションであるが、このとき、Cが直面しているのは75の増加分のみである。Cは前のアクションで125コールしていて、彼が直面しているのは合計200(75の増加分)である。Cがベッティングをリオープンするためには少なくとも合計225に直面していなくてはならない。75はフルレイズに満たないため、Cに対してはベッティングがリオープンされておらず、Cは75を加えてコールするか、フォールドすることができるが、レイズはできない。
例1-B: 例1で最後に、Aがミニマムレイズ(100)行い、Cに対して合計300へとベットした。Cはすでに125をコールしていて、コールにはCは175を加えることになる。175はフルレイズ額を越えている。したがってCはすでにアクションを起こしていて「アクションが戻ってきたときに、少なくともフルレイズに直面したプレイヤー」となるため、ベッティングがリオープンされていて、フォールド、コール、リレイズができる。
例2: 複数のショートオールインがあり、ミニマムレイズは最後の有効なフルベットまたはフルレイズであるとき。NLHEで、ブラインドは50-100。ポストフロップでAが300へとオープン、Bが合計500をオールイン、Cが合計650をオールイン、Dが合計800をオールイン、Eは800をコール。プレイヤーFにとってのミニマムレイズはいくらか? オープンベット(300)が最初のミニマムレイズ額を設定する。どのプレイヤーも単独では300を越えるオールインとなっていないため、Fにとってのミニマムレイズは300のままである。Fは800をスムースコールするか、あるいは最低1100へとレイズできる。追補例解第43項例2参照。
例3: ショートオールインでの2つのシナリオ
NLHE、ブラインドは2000-4000。プリフロップでAがBBの4000をコール、Bがフォールドし、Cが合計7500となるオールイン(4000に対して3500の増加分)をした。SBまでフォールドで回り、SBもフォールド。
例3-A: まだアクションを起こしていないBBに対しては3500が上乗せされている。BBは、フォールド、3500をスムースコール、最低4000を加えた合計11500以上にレイズするのいずれかを選ぶことができる。BBはスムースコールし、アクションはAに移った。Aは一度アクションを起こしていて、フルレイズに満たない3500増加のベットに直面している。そのため、Aはフォールドか、3500を加えるコールしかできない。理由は「アクションが戻ってきたときに、少なくともフルベットに直面しているプレイヤー」になっていないためである。
例3-B: BBがミニマム(4000)の合計11500となるレイズをした。これはAに対して7500の増加分となっているため、フルミニマムレイズ額を越えていて、Aに対してはベッティングがリオープンされたため、Aはコール、フォールド、リレイズすることができる。
第51項: 拘束される宣言/順序に沿ったアンダーコール
例1: NLHEで、ブラインドは1000-2000。ポストフロップで、プレイヤーAが2000をベットし、プレイヤーBは8000にレイズした。そのあと、プレイヤーCは宣言せずに2000を押し出した。Cはアンダーコールとなる。ルール第51項-Bにより、Bはオープンしたプレイヤー(このときAである)ではなく、この状況ではマルチウェイである。TDの裁量により、Cは正しくコールするか、またはアンダーコールした2000を没収し、フォールドさせることもある。
例2: NLHEで、ブラインドは1000-2000。ポストフロップでプレイヤーが4人残っている。プレイヤーAは8000をベットし、Bは宣言せずに2000を押し出した。ルール第51項-Bにより、プレイヤーBはアンダーコールとなり、ベットされた8000を正しくコールしなければならない。
例3: NLHEで、ブラインドは1000-2000。プレイヤーAは、2000をベット、Bが8000にレイズした。Cは「コール」と宣言した。ルール第51項-Aにより、プレイヤーCは8000を正しくコールしなければならない。
例4: NLHEで、ブラインドは200-400。400のベットに対してプレイヤーAがレイズ1200、プレイヤーBが無言で500を1枚出した。ディーラーはBに1200であることを伝え、Bがフォールドする。TDの裁量で、Bは400を放棄し、100が返却される。
第52項-B: ポットリミットゲームにおける、不正確なベット額
例1: ポットリミットオマハで、ブラインドは500-1000。ポストフロップで、ポットは合計10500であった。プレイヤーAはポット額をベットするために、ディーラーにポットのカウントを要求したところ、ディーラーは「9500」と答えた。Aは9500を出し、Bはフォールド、Cは9500にコールした。最初の誤ったベット額のあとで、サブスタンシャルアクションが起こっている。この状況で、ディーラーが、Aのポットベット額を正しくは10500であることに気がついたとする。このとき、ディーラーが宣言した額は実際のポット額よりも低いものであり、サブスタンシャルアクションが起こったあとであるため、9500のベットは拘束力を持つものとなり、あとから10500に訂正することはない。
例2: 例1と同じ状況で、プレイヤーBがフォールドした直後に、ディーラーが正しい10500というポットベット額に気がついたとする。このとき、サブスタンシャルアクションが起こっていないため、Aはベット額を10500に訂正しなければなら
ない。
例3: ポットリミットオマハで、ブラインドは500-1000。ポストフロップで、ポットは合計10500であった。プレイヤーAはポット額をベットするために、ディーラーにポットのカウントを要求したところ、ディーラーは「11500」と答えた。Aは11500を出し、Bはフォールド、CとDはどちらも11500をコールした。ディーラーが、バーンを切り、次のカードを開く前に、Aのベットが適切でないオーバーベットであると気がついた。サブスタンシャルアクションが起こったかどうかにはかかわらず、そのベット額が適切でないためにそのストリートにおいてコールしたすべてのプレイヤーのコール額を10500に減らす。もし、次のカードが開かれたとき、その誤った額は保たれてしまう。
第53項-A: 順序にそわないアクション(OOT)
例1: ブラインドは、50-100。ポストフロップで、3番席のプレイヤーが300にオープン、4番席がフォールドした。そして、5番席のアクションの順序となったところで、6番席が「800へレイズ」と宣言した。
ステップ1: 300のベットを受けている正しい順序(5番席)のプレイヤーまでアクションを戻す。
ステップ2: もし、5番席がコールもしくはフォールドのとき、300のベットのアクションは変化せず、6番席の順序から外れた 800へのレイズも拘束力を持つ。しかし、5番席がレイズ(例えば 、600へのレイズ)をしたときには、6番席にたどり着くアクションは300から600のベットへと変わる。アクションが変わったとき、800のチップは6番席に返され、そのプレイヤーは、600へのコール、少なくとも900以上へのレイズ、フォールドのアクションも起こすことができる。
例2: ブラインドは、50-100。ポストフロップで、3番席のプレイヤーがチェック、4番席もチェックした。そして、5番席にアクションに直面したところで、6番席が「チェック」と宣言した。
ステップ1: ベットを受けていない正しい順序(5番席)のプレイヤーまで、アクションを戻す。
ステップ2: もし、5番席がチェックをしたとき、チェックのアクションは変化せず、6番席の順序にそわないチェックは拘束力を持つ。しかし、5番席がベット(例えば300のベット)をしたとき、6番席にたどり着くアクションは、チェックから300の
ベットへと変化する。アクションが変わったとき、6番席は、300へのコール、少なくとも600以上へのレイズ、フォールドのどのアクションも起こすことができる。
第53項-B: 実質的な順序にそわないアクション(OOT)
順序にそわないアクションにより飛ばされたプレイヤーのアクションを起こす権利は守られなければならない。合理的な時間がたって、アクションを飛ばされたプレイヤーがサブスタンシャルアクションまで指摘せずサブスタンシャルアクションが左で起きたとき、その順序にそわないアクションは拘束力がある。飛ばされたハンドをどのように扱うかを決めるためには、フロアを呼ぶ。
例1: NLHEで、ブラインドが100-200。3番席のUTGが600にレイズ。4番席が飛ばされ、5番席がOOTとして、600をコール。6番席は少し考えてからフォールドした。そのとき、4番席の左に、チップを巻き込んだアクション中のプレイヤーは2人いる。この2人のチップは残しプレイヤーのアクションは、サブスタンシャルアクションとみなす。(ルール第36項)また、4番席は、飛ばされたことを申告し、ディーラーの注意を喚起するのに十分な時間を持っていた。5番席によるコールは、順序にそわない(ながらも)サブスタンシャルアクションであるために、拘束力があり、6番席による順序にそわないフォールドも拘束力がある(ルール第58項)。4番席のハンドの運命は、決定を下すためにフロアが呼ばれる。
例2: NLHEで、ブラインドが100-200。4人のプレイヤーがターンを見るために残っている。ディーラーがターンのカードを開いたあと、UTG(3番席)のプレイヤーが600をベットした。4番席のプレイヤーのアクションが飛ばされ、5番席のプレイヤーがチェック、6番席のプレイヤーが600のベットという、OOTが起きた。4番席のハンドの運命について決定するために、フロアが呼ばれる。
出典
TDA Poker Rules
https://www.pokertda.com/poker-tda-rules/
翻訳
MIYATA Tatsumune
Japan Open Poker Tour / JOPT
Oct 30, 2024.
協力
Japan Poker Union / 日本ポーカー連盟