Japan Open Poker Tour

Japan Open Poker Tour

POKER TOURNAMENT DIRECTORS ASSN.

2022年版 ルール Version 1.0, 2022年9月 推奨手順と追補例解を含む

Poker TDAは、2001年に設立されたポーカー業界の任意団体である。ポーカートーナメントルールの世界的な統一性を高めることが使命である。Poker TDAルールは、ハウスルールを補足する。ハウスルールとの競合があったとき、ハウスルールを適用する。

一般概念

1: フロアの決定

フロアは、その意思決定過程において、ゲームにおける徹底した利益と公平性を最優先する。通常と異なる状況では、公平性を考慮した常識的な決定が、技術的なルールよりも優先することがある。フロアの決定は最終となる。

2: プレイヤーの責務

プレイヤーは、登録データ及び席の割り当てを確認し、サブスタンシャルアクションが起こる前に正しい枚数のカードが配られたことを確認し、ハンドを保持し、自身の意図を明確にし、アクションを追い、順序にそって適切な用語とジェスチャーを使ってアクションし、アクションを起こす権利を守り、カードを見えるようにし、チップを正しく積み、ライブハンドを持っているときは着席状態を保ち、ショーダウンではすべてのカードを適切に開示し、ミスがあるときは声に出して指摘し、遅滞なくプレイし、正当なときにはクロックを要求し、速やかにテーブル移動し、他人と相談せず(ワンプレイヤーワンハンド)、ルールを習得した上でそれを順守し、適切なエチケットを守り、差別的または不快な行為を見たり経験したときはハウスに報告し、全てのプレイヤーが歓迎されていると感じられる、秩序のあるイベントに貢献することなどが挙げられる。

3: 公式用語とジェスチャー

公式のベッティング用語とは、ベット、レイズ、コール、フォールド、チェック、オールイン、コンプリート、ポット(ポットリミットのみ)など、シンプルかつ明白で、由緒ある宣言のことをいう。地域の用語も、この基準を満たすことがある。また、プレイヤーがアクションに直面したとき、ジェスチャーの使用に注意する必要がある: テーブルへのタップはチェックとなる。標準的ではない用語やジェスチャーの使用は、プレイヤーのリスクであり、プレイヤーの意図しない裁定が下されることがある。第2項第42項参照。

4: プレイヤーの本人確認

衣服やそのほかの携行品は、そのプレイヤーの本人確認を不明瞭にしたり、ゲームを妨げたりするものであってはならない。TDの独自の決定により、ハウス基準を適用する。

5: 電子機器および通信

プレイヤーは、テーブルで通話してはならない。着信音・音楽・画像・動画などは、他人に聞こえず、邪魔にならないようにしなければならない。ベッティングアプリやチャートは、ライブハンドを持つプレイヤーが使用してはならない。これらとあわせて、デバイス・ツール・写真・ビデオ撮影・通信は、迷惑をかけるほか、ゲームの遅延や競争上の優位性を生み出してはならず、ハウスとゲーミングの規制が適用される。本項に違反したとき、第71項の罰則の対象となることがある。

6: 公式言語

ハウスは、テーブルで使用できる言語を明確に掲示しアナウンスする。

シーティング、テーブルブレイクとバランシング

7: ランダムで正確な席

トーナメントとサテライトの席は、ランダムに割り当てる。正しいチップを持ち、誤った席で開始したプレイヤーは、いまの合計チップを持って正しい席へ移動する。

8: オルタネイト、レイトレジストレーションとリエントリー

A: オルタネイト(空席待ち)、レイトレジストレーションとリエントリーは、フルスタックが与えられる。彼らはニュープレイヤーと同じ方法で、同じシートプールからランダムにテーブルと席を引き、スモールブラインドとボタンの間を除いて配られる。

B: リエントリーイベントで、もしプレイヤーがチップを放棄して新たなスタックを購入することができるとき、放棄されたチップはプレイから取り除く。

9: 特別な支援

特別な支援が必要なプレイヤーには、可能な限り便宜が図られる。

10: ニュープレイヤーとブレイクしたテーブルからのプレイヤー

A: トーナメントに参加するニュープレイヤーとブレイクしたテーブルからのプレイヤーは、SBとボタンの間を除いて、スモールブラインド、ビッグブラインド、ボタンを含むどの席にも着くことができる。

B: テーブルブレイクのとき、プレイヤーには2段階のランダムプロセスによって新しいテーブルと席が割り当てられる。追補例解参照。

11: バランシングとプレイの中断

A: フロップゲームとミックスゲームでは、バランスをとるために、次にビッグブラインドになるプレイヤーは、最も悪いポジションに移動する。最も悪いポジションがスモールブラインドになることはない。スタッドのみのイベントでは、プレイヤーはポジションごとに移動する(ショートテーブルで最後に空いた席が埋まる)。

B: ミックスゲーム(例: H.O.R.S.E.)では、ゲームがホールデムからスタッドに変わるとき、ホールデムの最後のハンドのあとに、ボタンを次のハンドがホールデムのときの位置に移動させ、スタッド中はそこに留め置く。スタッド中に移動してきたプレイヤーは、そのハンドがホールデムであればビッグブラインドとする。ホールデムに変わったとき、ボタンは留め置かれていたところから始まる。

C: どのテーブルからプレイヤーを移動させるかは、あらかじめ決めた手順で指定する。

D: ブラインドの影響が出たとき、最も人数の多いテーブルより(敗退により)3人以上少ないテーブルではプレイを中断する(追補例解参照)。そのほかのフォーマット(例:6ハンド、ターボ)では、TDの決定でプレイを中断する。TDはプレイを中断しないことがあるが、これは裁量であり間違いではない。イベントが進むにつれて、TDがより緻密にバランスを調整することがある。

ポット/ショーダウン

12: 宣言。ショーダウンときのカードスピーク

勝敗は、カードスピークにより決定する。ただし、ハンドを偽って宣言すると、ペナルティとなることがある。ディーラーはショーダウンときにハンドの強さを読み上げ、アナウンスすべきである。プレイヤーは、ハンドの有無に関わらず、ハンドの読み間違いやポット計算、授与の間違いを見つけたら指摘すべきである。

13: カードの開示と勝ちハンドのキル

A: 適切な開示は、1)すべてのカードを表向きにテーブルに置き、2)ディーラーとプレイヤーがハンドをはっきり読めるようにすることの両方を指します。すべてのカードとは、ホールデムでは両方のホールカード、オマハでは4枚のホールカード、7スタッドでは7枚のカードすべてを意味する。

B: ショーダウンでは、プレイヤーはカードが読まれるまで待つあいだ、自分のハンドを保持しなければならない(第65項参照)。すべてのカードが完全に開示されないうちに、勝ったと思ってマックすることは、プレイヤーの自己責任となる。もし、ハンドが100%回収できず、識別できない状態で、TDが明確に読まれなかったと決定したとき、そのプレイヤーはポットを獲得する権利を持たない。ハンドが十分に開示されたか否かについてのTDの決定は、最終である。

C: ディーラーは、適切にハンドが開示され、明らかに勝者であるハンドをキルすることができない。

14: ショーダウンのときのライブカード

開示していないカードを裏向きに捨てても、自動的にカードがキルされるわけではない。100%識別でき、かつ回収できるカードは、プレイヤーは考えを変えて開示できる。カードがマックに押し込まれたり、回収ができなくなると、ディーラーによってカードはキルされる。

15: ショーダウンとカードの破棄の反則

A: プレイヤーが、勝つために必要なカードを1枚だけを開示したとき、ディーラーはそのプレイヤーに対してすべてのカードを開示するようアドバイスすること。もしプレイヤーがそれを拒否したとき、フロアが呼ばれる。

B: プレイヤーがベットしたあと、勝ったと思って(ほかのプレイヤーがまだハンドを持っていることを忘れて)カードを捨てたとき、ディーラーはカードを手で抑え、フロアを呼ぶこと(第58項の例外)。カードがマックされ、確実に取り戻すことや特定ができないとき、そのプレイヤーはアウトとなり、コールされたベットの払い戻しを受ける権利はない。カードがマックされ、誰にもまだコールされていないとき、コールされていないベット額は払い戻す。

16: オールインのときのフェースアップ

プレイヤーがオールインし、そのハンドに参加するプレイヤーの全てのアクションが終わったら、すぐに全てのハンドを開示する。オールインしているプレイヤーも、コールしたプレイヤーも、開示せずにハンドをマックすることはできない。メインポットとサイドポットに関わる全てのハンドは開示されなくてはならず、全て有効である。追補例解参照。

17: オールインのないショーダウンとショーダウンの順序

A: オールインのないショーダウンでは、カードが自然に開示されたり捨てられたりしないとき、TDはショーダウンの順序を強制することができる。最後のベッティングラウンド(最終ストリート)で最後にアグレッシブなアクションをとったプレイヤーが、最初に開示しなければならない。最後のストリートでベットがなかったとき、最終ストリートで最初にアクションするプレイヤー(例: フロップゲームではボタンの左側の最初の席、スタッドではハイハンド、ラズではローハンドなど)が最初に開示しなければならない。

B: オールインのないショーダウンのとき、1人以外がハンドを開示せず捨ててマックされると、残った1人がポットを獲得する。最後にライブカードを持っていたプレイヤーが勝ち、カードを開示する必要はない。

18: ハンドの開示要求

A:ショーダウンのときにカードを持っていないプレイヤーや、開示せずにカードを捨てマックされたプレイヤーは、ハンドを見る権利と見ることを要求する特権を失う。

B:リバーでベットがあったとき、コールしたプレイヤーは、自らのハンドを保持しているか開示していることが前提で、最後にアグレッシブなアクションをとったプレイヤーのハンド(「見るために支払ったハンド」)を開示させる譲ることのできないの権利があり、それを必要に応じて要求することができる。ほかのコールしたプレイヤーに対する要求や、リバーでベットがなかったときの要求など、そのほかについてはTDの裁量による。追補例解を参照(2013年採用)。

19: ショーダウンのときのボードプレイ

ボードプレイをするとき、プレイヤーは全てのホールカードを開示し、ポットの一部を得なければならない(第13項-A参照)。

20: 余ったチップの付与

まず、余ったチップはプレイ中の最も小さいデノミに分ける。A) ボードゲームで、ハイハンドまたはローハンドが2つ以上あるとき: 余ったチップはボタンの左側の最初の席に与える。B) スタッド、ラズ、スタッド/8で、ハイハンドまたはローハンドが2枚以上のとき: 余ったチップはスートの強弱を含む最も強い5枚のハイカードプレイヤーに与える。C) H/L(ハイ/ロー)スプリット: ポット全体で余ったチップは、ハイに与える。

21: サイドポット

サイドポットはそれぞれ別々に分ける。

22: 争いのあるハンドとポット

開示されたハンドの判定は、次のハンドが始まるまで争うことができる(第23項参照)。ポットの計算や受授の誤りは、次のハンドでサブスタンシャルアクションが起こるまで争うことができる。ハンドが休憩中に終了したとき、ポットが授与されてから1分後に争う権利を失う。

一般手続

23: 新たなハンドとレベル

新たなレベルは、クロックがゼロになったあとのアナウンスから始まる。新たなレベルは次のハンドから適用する。ハンドは、最初のリフル、シャッフラーボタンのプッシュ、またはディーラーの交代で開始する。間違えて前のレベルで始めてしまったとき、サブスタンシャルアクションが起きるとそのハンドは前のレベルで続ける(第36項参照)。

24: チップレース、予定されたカラーアップ

A: 予定されたカラーアップのとき、チップレースを1番の席からはじめ、最大1枚のチップをプレイヤーに与える。チップレースで最後のチップを失ったプレイヤーは、まだプレイしている最も低いデノミのチップを1枚与える。

B: プレイヤーは、すべてのチップが完全に見えるように置かなければならない。また、チップレースに立ち会うことを推奨する。

C: レース終了後、外されたはずのデノミのチップをプレイヤーが持っていたとき、そのチップはいまのデノミのチップと等価で両替する。カラーアップされたデノミのチップのうち、プレイされている最小デノミのチップの合計に満たないとき、補償せず取り除く。

25: カードとチップは。見やすく数えやすく管理する。裁量によるカラーアップ

A: プレイヤー・ディーラー・フロアは、チップの価値を妥当に見積もる権利がある。そのため、チップは数えやすいスタックで保持されるべきである。TDAは、同じデノミのチップを20枚ずつ積むことを標準として推奨する。高いデノミのチップは、常に見えるようにし、見分けられるようにしなければならない。もしフロアがチップスタックを見てその価値を素早く見積もることができなければ、プレイヤーも同様と思われる。

B: TDは、プレイ中のチップの枚数とデノミを管理し、いつでも自身の裁量で1人または複数のプレイヤーをカラーアップすることができる。カラーアップはアナウンスされなくてはならない。

C: プレイヤーは、ライブハンドを常に見えるところで保持しなければならない。

26: デックチェンジ

デックチェンジは、ディーラーの交代またはレベルアップのとき、もしくはハウスの指定で行う。プレイヤーはデックチェンジを要求できない。

27: リバイ

プレイヤーは、ハンドをプレイせずにやり過ごしてはいけない。新しいハンドの前にリバイの意思が表明されたとき、そのプレイヤーは、チップが後ろにあるものとしてプレイし、リバイをしなければならない。

28: ラビットハンティング

ラビットハンティング(ハンドが終わっていなければ来ていたカードを見ること)は認めない。

29: クロック要求

プレイヤーは、ゲームの合理的なペースを維持するためにも、遅滞なくアクションを起こすこと。TDが妥当な時間が経ったと決定するとき、TDがクロックを宣言することができるほか、そのイベントに参加するプレイヤーからのクロック要求を承認できる。プレイヤーがクロックを要求するためには、自分の席に着いていなくてはならない(第30項)。クロックが要求されたプレイヤーは、25秒とそれに続く5秒のカウントダウンのうちにアクションを起こさなければならない。そのプレイヤーが、ベットに直面したまま時間切れになったとき、デッドハンドとなる。ベットに直面していないときはチェックとなる。時間切れと同時だったときは、プレイヤーのアクションを認める。TDは、ゲームに合わせるためや、常習的な遅延行為をやめさせるために、アクションまでの時間を調整したり、そのほかの措置をとることができる。第2項第70項参照。

プレイヤーの存在/ハンドの資格

30: 席にいることとライブハンド

プレイヤーがライブハンドを持つためには、最初のディールですべてのプレイヤーに最後のカードが配られたときに、席にいる必要がある。そのとき席にいないプレイヤーは、ハンドを見ることはできず、キルされる。そのプレイヤーのブラインドとアンティはポットに入り、スタッドタイプのゲームではブリングインのカードが配られたとき、ブリングインをポストしなければならない。プレイヤーがクロックを要求するときは席にいる必要がある。「席にいる」とは、椅子に手が届く範囲にいることを意味する。本ルールはプレイヤーに対して、ハンドの参加中に席を立つことを推奨するものではない。

31: アクション継続中にテーブルにいること

プレイ中のハンドを持つプレイヤー(オールインしているプレイヤーや、ベットの機会がないプレイヤーを含む)は、すべてのベットラウンドとショーダウンが終わるまで、席にいなければならない。席を離れることは、ハンドを保持し、アクションを追うことと矛盾する行為であり、ペナルティの対象となる。

ボタン/ブラインド

32: デッドボタン

トーナメントにおいては、デッドボタンを採用する。

33: ブラインドの回避

意図的にブラインドをかわすプレイヤーは、ペナルティを負う。

34: ヘッズアップ時のボタン

ヘッズアップでは、SBをボタンとし、プリフロップでは最後のカードが配られ、最初にアクションを起こし、以降のベットラウンドでは最後にアクションを起こす。ヘッズアップを始めるとき、どちらのプレイヤーもBBが2回連続とならないようにボタンの位置を調整する。

ディールルール

35: ミスディールおよび不正なデック

A: ミスディールは以下のときに該当するが、これらに限定されない。1) 最初のディールで、2枚以上のカードがボックス(表裏が逆でデックに混入)されていたとき。2) 最初のカードが誤った席に配られたとき。3) ハンドを持つことができない席にカードが配られたとき。4) ハンドを持つことができる席にカードが配られなかったとき。5) 間違った枚数のカードがプレイヤーに配られたとき(第37項以外)。6) サブスタンシャルアクションの前に、ゲームの種別に対して標準ではないカードが見つかったとき(例: ジョーカー、ショートデックの2-3-4-5)。7) フロップゲームで、最初に配られる2枚のカードのどちらかまたは合計2枚のカードが、ディーラーのミスによりエクスポーズしたとき。ドローゲーム(例: ローボール)にはハウスルールが適用される。

B: プレイヤーはボタンで2枚連続でカードが配られることがある。第37項参照

C: ミスディールとなった時、再ディールは正確なリプレイとする。ボタンは動かさず、新しいプレイヤーは着席させずに、ブラインドも上がらない。ペナルティを受けているプレイヤーや最初のディールの際に着席していなかったプレイヤーにカードを配り(第30項参照)、その後それらのハンドを無効化する。最初のディールと再ディールはペナルティを受けているプレイヤーにとっての1ハンドとみなされ、2ハンドとはみなさないものとする。

D: 一度サブスタンシャルアクション(第36項参照)が起こると、ミスディールを宣言することはできない。ファウルデックが見つからない限り、ハンドは継続されなければならない。サブスタンシャルアクションのあとに標準ではないカードが見つかったとき、それは取り除かれる(例外: ファウルデック)。

E: 同じスーツとランクのカードが2枚以上あるとき、そのデックはファウルデックとなる。そのほかの条件は、その地域のゲーミング規制法およびハウスの方針によって定義されることがある。ファウルデックが見つかったとき、サブスタンシャルアクションの有無に関わらずプレイを止め、全てのベットは返却する。ハンドが終了したあとは、ファウルデックに基づく異議申し立ての権利は、第22項によって失う。

36: サブスタンシャルアクション(SA)

サブスタンシャルアクションとは、A) 少なくともどちらか片方がチップをポットに入れる、2つの順序にそったアクション(例:「2人がチェック」「2人がフォールド」以外の、任意の2つの順序にそったアクション)または、B) 順序にそった3つのアクションの組合せ(チェック、ベット、レイズ、コールやフォールド)をいう。ブラインドをポストすることは、サブスタンシャルアクションの遂行とはみなさない。第35項-D第53項-B参照。

37: 少ない枚数でのボタン

通常よりも少ない枚数しか配られなかったボタンのプレイヤーは、そのことをすぐに報告しなければならない。配られなかったボタンのカードは、行われているゲームタイプが許すときには、サブスタンシャルアクションが起こったあとでも配ることができる。しかし、カードの枚数が少ないまま、ボタンのプレイヤーがアクションを起こしたとき(チェックやベットをしたとき)、デッドハンドとなる。

38: サブスタンシャルアクションのあとのバーン

バーンカードは、スタブを守るために使われるもので、カードの順序を維持するためのものではない。サブスタンシャルアクションが起き、誤った枚数のカードのせいでキルされたとき、キルされたすべてのカードはマックされ、以降のディーリングには偶然性を適用する(推奨手順-14: 特別な状況ではランダム性が適用することがあるを参照)。そのスタブは、通常のスタブとして取り扱い、以降のそれぞれのストリートに対して、スタブから1枚だけをバーンする。バーンは常にストリートごとに1枚で、それ以上バーンすることはない。追補例解参照。

39: 不規則なフロップと早く配られてしまったカード

A: フロップが4枚のとき。フロップが3枚ではなく4枚のとき、エクスポーズされているかどうかに関わらず、また、ドアカードが分かっているかどうかに関わらずフロアを呼ぶ。そのあと、ディーラーが4枚のカードを裏向きで混ぜ、フロアが無作為に、その中のカードを1枚、次のバーンカードとして選び、残りの3枚をフロップのカードとする(推奨手順-14: 特別な状況ではランダム性を適用することがあるを参照)。

B: バーンをせず3枚のフロップが出されたとき。エクスポーズの有無に関わらず、また、ドアカードが分かっていたとしても、アクションが起きていなければ、3枚のカードを裏向きに混ぜ、1枚をバーンカードとして選ぶ。フロップは、残りの2枚とスタブの次のカードとする。何らかのアクション(1回のチェックでも)があったときは、最初の3枚のカードでプレイを進める。ターンは1枚だけバーンする。

C: 早くディールしてしまったカードの取り扱いは、推奨手順-5参照。

D: ハンド中のリシャッフル。ゲームの整合性を保つために、ハンドのプレイ中にスタブをリシャッフルする必要があるとき、常にカードはエクスポーズしないようにシャッフルしなければならない。例えば、早く配られてしまったカード(第39項推奨手順5)、順序が乱れたスタブ(推奨手順4)、スタッドカードでスタブが足りなくなったとき(推奨手順10-H)など。

プレイ: ベットとレイズ

40: ベットの方法: 声に出すこととチップ

A: ベットは、声に出すことおよび/またはチップを前に出すことで行われる。プレイヤーがその両方を行ったとき、先に行われた方がベット内容を決定する。同時に起こったとき、明確で合理的な声に出した宣言を優先するが、それ以外ではチップによるものが有効となる。はっきりしないときや声に出した宣言とチップが矛盾しているとき、TDはその場の状況と第1項を勘案して、そのベットを裁定する。追補例解、第57項参照

B: 声を出す宣言は、一般的な用語(コール、レイズなど)、額のみ(ワンサウザンドなど)またはその両方(レイズ、ワンサウザンド)で行うことができる。

C: すべてのベッティングルールにおいて、特定の額のみ声に出して宣言することは、その額のチップを黙って前に出したときと同じこととみなされる。例: 「ツーハンドレッド」と声に出して宣言することは、黙って200のチップを前に出すことと同じ。

41: コールの方法

標準的で好ましいコールの方法は、A) 「コール」と声に出す、B) コール額と同額のチップを前に出す、C) 黙ってコール額以上のチップ1枚を出す、D) 複数チップベットルール(第45項)に従い黙ってコールと同額の複数チップを前に出すことである。ベット額と比較してかなり小さな額のチップを前に出す(例: NLHEで、ブラインドが2,000-4,000。Aが50,000にベットしたあと、Bが1,000のチップを1枚出す)ことは標準的でなく、とても推奨されない行為であり、ペナルティ対象となる。フルコールとみなすかも含め、TDの裁量で解釈する。

42: レイズの方法

ノーリミットまたはポットリミットで、レイズは、A) 一回の動作で全額を前に出す、B) チップを前に出すより先に総額を声に出して宣言することである。自らの意思を明確に示すことは、プレイヤーの責務である。

43: レイズ額

A: レイズ額は、現行のベッティングラウンドにおける最大のフルベットまたはフルレイズの額と同額以上でなければならない。直前の最大ベットの50%以上かつミニマムレイズ未満のレイズをしたプレイヤーは、ミニマムレイズにしなければならない。もし、50%未満のレイズ額で最初にレイズを宣言しなかったとき、あるいは、そのプレイヤーがオールイン(第45項-B)ではなかったとき、それはコールとなる。額を声に出して宣言することと同額のチップを前に出すことは同じこととみなす(第40項-C)。例: NLHEで1,000のオープンベットのあと、「フォーティーンハンドレッド」と声に出して宣言することと、1,400のチップを前に出すことはどちらも、その前にレイズという宣言がなければ、コールとなる。追補例解参照

B: ほかに明らかにする情報がなければ、レイズの宣言額は、トータルベット額を指す。例: Aが2,000でオープン、Bは「レイズ8,000」と宣言。このときトータルベット8,000となる。

44: 大きな額のチップによるベット(オーバーチップ)

ベットやブラインドにおいて、プレイヤーが大きな額のチップ(最後のチップを含む)を1枚前に出したとき、先にレイズが声に出して宣言されなければコールとみなす。大きな額のチップ1枚でレイズをするとき、チップがテーブルに触れる前にレイズと宣言しなければならない。レイズが宣言されたが、額が宣言されなかったとき、そのチップで認められる最大額がレイズ額となる。ベットに直面していないとき、宣言なくオーバーチップを前に出すと、そのチップの最大額のベットとなる。

45: 複数チップでのベット

A: ベットに直面したとき、レイズやオールインが先に宣言されない限り、複数のチップ(最後のチップのベットを含む)は、どのチップもコールに必要なときはコールとなる。言い換えると、最も小さい額のチップを1枚のぞいてもコールの額未満のとき、コールとなる。例1: プレイヤーAが400にオープン。Bが合計1,100へとレイズした。Cは、1枚の500チップと1枚の1,000チップを黙って前へ出した。このときコールとなる。なぜなら、1枚の500チップを取りのぞくと、コール額となる1,100に満たない額となってしまうからである。例2: 25-50で、プレイヤーAがポストフロップで1,050にオープン。Bは、最後のチップである2枚の1,000チップを出した。このとき、レイズやオールインが最初に宣言されていなければ、コールとなる。

B: すべてのチップがコールするために必要ではないとき、例えば、最小単位のチップを1枚取りのぞいても、コール額以上のとき、1) プレイヤーの手元にチップが残っているとき、第43項の50%基準にしたがってそのベットを裁定する。2) プレイヤーのすべてのチップを使ってベットしたとき、それが50%基準を満たしているか否かに関わらず、オールインとなる。追補例解参照

46: さげられていない以前のベットでのチップ

A: 混乱を避けるためにも、レイズに直面しているプレイヤーは、以前のベットで出したチップで、まださげられていないものが残っているとき、以前のベットに新たなチップを加える前に、自分のアクションを声に出して宣言すべきである。

B: レイズに直面しているときに、前のベットで出したチップを明らかにさげる動作を行ったとき、コールまたはレイズのアクションが義務付けられ、そのチップを戻してフォールドすることはできない。

C: もし新たなチップが黙って足され、そのベットがハウスから見て曖昧であるとき、コールおよびレイズに関する第41-45項は以下のように適用する。1) もし以前に出されたチップがコール分を充たしておらず、なおかつ、そのまま残されているかまたは完全にさげられているかのどちらかのとき、額を越えるチップ1枚を出すとコールとなり、新たなチップを複数枚出すと50%レイズ基準(第43項)を適用する。2) もし以前に出されたチップが部分的にさげられている、または、以前に出されたチップがコール額を充たしているとき、最終的なチップ額の合計が50%基準(第43項および第45項)を満たしていればレイズとなり、もし満たしていなければコールとなる。追補例解参照

47: リオープンベット

A: ノーリミットとポットリミットで、オールイン(または複数のショートオールインによる蓄積)は、その合計がフルベットやフルレイズに達していないとき、すでにアクションを起こし、自分にアクションが再度戻ってきたときに、フルベットやフルレイズ以上の額に直面していないプレイヤーに対し、新たにベッティング機会(リオープン)を与えるものではない。もし複数のショートオールインがベットをリオープンするとしたら、そのラウンドの最後の有効なベットは常にミニマムレイズとなる(第43項参照)。

B: リミットでは、フルベットやフルレイズの50%以上がリオープンには求められる。追補例解参照

48: 許されるレイズの回数

ノーリミットとポットリミットでは、レイズの回数に制限はない。リミットでは、イベントの残りプレイヤー数が2人に減るまでは、ヘッズアップのときでさえレイズ回数が制限される。制限される回数は、ハウスが定める。

49: 受け入れられたアクション

ポーカーは、注意深く継続的に観察するゲームである。コールをする前に、相手のベット額を正しく把握することは、他人が何を言おうとコールする側の責任となる。コーラーがカウントを要求したものの、ディーラーやほかのプレイヤーから誤った情報を与えられ、その額のチップを前に出すかコールを宣言したとき、コーラーは完全な正しいアクションを受け入れたとみなされ、本来の正しいベット額やオールイン額は訂正される。すべての状況と同じように、TDの決定により第1項を適用することがある。推奨手順-12参照

50: 順序にそったアクション

A: プレイヤーは順序にそって、声に出した宣言および/またはチップを前に出すことで、アクションを起こさなければならない。順序にそったアクションは拘束力があり、投入されたチップはポットに入れられる。

B: プレイヤーはベットの額が明確になるまでは、自身のアクションを待たなければならない。例: NLHEで、プレイヤーAが「レイズ」と言ったものの、額は言っていないときに、Bがすぐにフォールドしてしまった。レイズ額が明確になるまでは本来、Bはアクションを起こさずに待つべきである。

51: 拘束力を持つ宣言/順序にそったアンダーコール

A: 順序にそって声に出した標準的な宣言(コールやレイズなど)は、そのプレイヤーにそのアクションを約束させる。追補例解参照

B: 最初に「コール」と宣言せずに、コールに必要な額よりも少ない額を宣言あるいはチップを前に出すことはアンダーコールとなる。プレイヤーが順序にそったアンダーコールを 1) ヘッズアップのあらゆるベットもしくは 2) あらゆるベッティングラウンドにおけるマルチウェイのオープニングベットに直面した状況で行ったとき、そのプレイヤーはフルコールをしなければならない。それ以外の状況は、TDの裁量で決定する。オープニングベットとは、それぞれのベットラウンドにおいて最初のチップによるベット(チェックではなく)である。ブラインドゲームにおいてポストされたBBは、プリフロップにおける、オープンベットとみなす。オールインボタンはアンダーコールの起こる頻度を減らすために効果がある(推奨手順1を参照)。このルールは、プレイヤーがフルコールしなければならない状況およびTDの裁量によりアンダーコールされた額を放棄した上でフォールドができるときに適用する(追補例解参照)。アンダーベット、アンダーレイズについては、第43項参照

C: 2人以上のアンダーコールが続けて起きたとき、1人目となるアンダーコーラーまでプレイを戻した上で、そのプレイヤーのベットアクションを、第51項-Bに従って、修正させなければならない。ほかのベッターのハンドの取り扱いは、TDが状況を鑑みて決定する。

52: 不正確なベット、足りないベット、レイズ

A: リミットとノーリミットにおいて、正しい最低限の額に達していないオープンやレイズは、そのストリートのどのときであっても、修正する(リバーのとき、ショーダウンの始まる前)。例: NLHEで、ブラインドは100-200。ポストフロップでAが600にオープンし、Bが(200だけ足りない)1000へのリレイズをした。CとDがコールしたあと、Eがフォールドし、その誤りが見つかった。ターンを始める前までは、すべてのベッターに対してベット額を合計1200に訂正し、ターンを始めたあとは、誤りを訂正しない。アンダーコールについては、第51項参照

B: ポットリミットにおいて、不正確なポットのカウントによって足りないポットベットがあったとき、ポットのカウントを本来より高く誤った(本来できないベット)とき、そのストリートにおけるどのときであってもすべてのプレイヤーに対し、その額を訂正し、ポットのカウントが本来より低く誤ったものなら、そのベット後のサブスタンシャルアクションが起こる前であれば、訂正する。追補例解参照

53: 順序にそわないアクション(アウトオブターン: OOT)

A: OOT(チェック、コール、レイズ)があるとき、正しい順序のプレイヤーまで、アクションを戻す。OOTは、ペナルティを受ける対象となり、またそのプレイヤーまでのアクションに変更がないとき、そのアクションは拘束力がある。本来の順序のプレイヤーのチェック、コール、フォールドは、アクションを変更するものではない。アクションが変わるとき、OOTに拘束力はなくなり、ベットやレイズはそのプレイヤーに一旦戻された上で、コール、レイズ、フォールドの、すべての選択肢がある。順序にそわないフォールドは拘束力がある。追補例解参照

B: OOTにより順序を飛ばされたとき、そのプレイヤーのアクションを起こす権利は守られなければならない。合理的な時間があったにも関わらず、順序を飛ばされたプレイヤーが、サブスタンシャルアクション(第36項)が起こる前に何も言わず、そのプレイヤーの後ろでOOTが起きたとき、OOTは拘束力を持つ。フロアはアクションを差し戻し、飛ばされたハンドをデッドハンドとするか、アグレッシブではないアクションに制限するかなど、状況をみて裁定する。追補例解参照

54: ポットサイズとポットリミットでのベット

A: プレイヤーは、ポットリミットゲームに限って、ポットのサイズのカウントを要求する資格がある。リミットとノーリミットゲームは、ディーラーがポットのカウントをすることはない。

B: プリフロップにおけるブラインドのショートオールインのとき、ポットベット額の算出に、その額は影響しない。ポストフロップでは実際のポットサイズをもとにポット額を計算する。

C: 「ポット額をベット」の宣言はノーリミットゲームでは有効なベットではないが、そのプレイヤーは有効な額をベット(少なくともミニマムベット)するよう拘束され、その行為は、ペナルティ対象となる。ベットに直面したプレイヤーのとき、有効なレイズを行なわなければならない。

55: 無効となるベットの宣言

ベットに直面していないプレイヤーが、A) 「コール」と宣言したときそれはチェックとなり、B) 「レイズ」と宣言したとき少なくともミニマムベットとなる。ベットに直面したプレイヤーが、「チェック」と宣言したとき、コールまたはフォールドとなるが、レイズはできない。

56: ストリングベット

ストリングベット/レイズの判定はディーラーが行う。

57: 標準的でない、不明確なベット

非公式なベット用語やジェスチャーは、プレイヤーのリスクのもとで使わなければならない。これらは、プレイヤーの意図する意味以外に解釈されることがある。また、宣言されたベットのサイズが法的に複数の意味を持つとき、ベットをする前のポット額*以下で考えられる最も高い合理的な額のベットと裁定する。例: NLHEで、ブラインドは200-400。ポットが5,000未満のとき、ここで「ベット、5」と宣言したとき、それ以外に明確な情報がないとき、ベット額は500とみなす。仮にポット額が5,000以上のとき、ベット額は5,000とみなす。*ポットの額は、それまでに行われ、プレイヤーの前に出されている、ひかれていないすべてのベット額の合計である。第2項第3項および第40項第42項参照。

58: 標準的でないフォールド

最後のベットラウンドが終わるまで、自分の番までのあいだにフォールドがないとき(チェックで回ってきたときや自分がポストフロップで最初にアクションを起こすプレイヤーのとき)に行う正しい順序にそったフォールドや、そもそも順序にそわないフォールドは、いずれもペナルティの対象となるうえ、そのフォールドは拘束力を持つ。第15項-B参照

59: 条件付きの、完了していない宣言

A: 将来のアクションに関する条件付きの宣言は、標準的ではなく強く推奨しない。そうした宣言は、TDの決定により、拘束力があり、かつ/またはペナルティの対象となることがある。例: 「もしベットするなら、私はレイズするよ」といった宣言。

B: プレイヤーAが、「ベット」もしくは「レイズ」を宣言したあとに、正確なベット額が知られる前に、プレイヤーBがコールしたとする。このとき、Bに対して任意の額へのコールの義務を課すという裁定を含めた、その状況に最適なベット額をTDが決定する。

60: 相手のチップスタックのカウント

プレイヤー、ディーラーおよびフロアは、相手のチップスタックを合理的に見積もる権利がある(第25項)。プレイヤーはオールインベットを受け、なおかつ自分がアクションに直面したときに限り、より正確なカウントを要求できる。オールインしたプレイヤーにはカウントの義務はなく、要求に応じてディーラーまたはフロアが数える。受け入れられたアクション(第49項)が適用する。チップスタックを見やすく数えやすくするためのルール(第25項)によって、カウントの正確性が大きく向上する。

61: お釣りを望んだオーバーベット

お釣りを得るためのベッティングアクションを起こしてはならない。意図したベット額以上のチップを前に出すと、周りのプレイヤーを混乱させることがある。宣言せずに出されたチップは、すべてベットの一部とみなされるリスクがある。例: オープンベットが325であり、プレイヤーAが200のお釣りを期待して、525(1枚の500と1枚の25)を宣言せずに出したとき、これは複数のチップルール(第45項)により、650へのレイズとみなす。

62: チップが後ろに残っているとあとで分かったオールイン

Aがオールインし、あるプレイヤーがそれをコールしたあとに、隠れたチップが見つかったとき、そのチップが許容されたアクションの一部になるか、TDが決定する(第49項)。アクションの一部とならないとき、Aが勝ったとしてもそのチップ分は得られない。Aが負けたときには、そのチップ分を節約することはできず、TDは勝ったコーラーにそれを渡すことができる。

プレイ: そのほか

63: 隠れているチップと移動中のチップ

プレイヤーは、チップを見えない状態で保持、移動してはならない。そのプレイヤーは、隠したチップを没収、失格処分となることがある。没収されたチップは、ゲームから除外する。チップを移動するとき、必要に応じてラックやバッグを提供することを、TDAは推奨する。

64: 遺失物のチップ

遺失物のチップが見つかり、誰のものかが分からないとき、プレイから除外し、トーナメント用備品に戻す。

65: 誤ったキル/反則/エクスポーズとされたハンド

A: プレイヤーは、ショーダウンのときに判定を待つまでのあいだも含めて、自身のハンドを常に保持しなければならない。ディーラーが、誤ってキルしたり、TDの決定でキルしたりして、100%の確実性を持って特定できないとき、プレイヤーはいかなる処置も受けず、ベット分を取り戻す権利もない。プレイヤーがベットやレイズし、まだコールされていないとき、そのベットやレイズ分のチップはプレイヤーに戻す。

B: 一度キルされたものの、それが特定可能であるとき、カードが開かれてしまったとしても、プレイの続行は可能である。

66: スタッドでのデッドハンドとマック

スタッドポーカーで、プレイヤーがアクションのときにアップカードを取り上げると、そのハンドはデッドハンドとなる。スタッドにおける正しいマックは、すべてのアップカードを裏にして前に出すことである。

エチケットとペナルティー

67: 情報開示の禁止、ワンプレイヤーワンハンド

プレイヤーは、トーナメントにおいて常にほかのプレイヤーのことを守らなければならない。そのためプレイヤーは、ハンドに参加しているかどうかに関わらず:

  1. ライブカードやマックしたハンドの内容を話してはならず
  2. プレイについて、いつでもアドバイスしたり批判したりしてはならず
  3. まだ開かれていないハンドを推測してはならない

ワンプレイヤーワンハンドを採用する。なかでも、特にこのルールでは、ほかのプレイヤー、アドバイザー、見学者に対して、ハンドを見せたり、戦略を議論することが禁止されている。

68: カードのエクスポーズと適切なフォールド

アクション保留中のハンドのエクスポーズは、そのプレイヤーが最後にアクションを起こすときを含めて、ペナルティの対象となることがあるが、デッドハンドにはならない。任意のペナルティは、そのハンドが終了したときから始まる。フォールドのとき、カードをテーブル上で低く出さなければならず、故意にそれをエクスポーズしたり、高く投げたりしてはならない。第66項参照

69: 倫理的なプレイ

ポーカーは、個人のゲームである。ソフトプレイはペナルティとなり、そのペナルティにはチップの没収やイベントの失格も含まれる。チップダンピングやそのほかの様々な共謀も失格の原因となる。

70: エチケット違反

エチケット違反は、第71項の強制的な執行の対象となる。たとえば、常習的なゲームの遅延、ほかのプレイヤーの身体やカードまたはチップへの不必要な接触、OOTの繰り返し、カードやチップを見えにくかったり数えにくい形での保持、ディーラーの届かない場所へのベット、罵倒行為、他者を不快にする体臭、および過度の私語を含むが、これに限らない。

71: 警告、ペナルティー、失格

A: 執行の選択肢には、口頭による注意、1ハンド以上の退席、1周以上の退席、失格が含まれるが、これに限らない。周回により執行するとき、ペナルティが与えられたときにテーブルにいたプレイヤー数に、ペナルティに対応した周回数をかけたハンド数を退席とする。度重なる違反はさらに重いペナルティの対象となる。退席しているプレイヤーからも、アンティやブラインドが出される。

B: アクション保留中にカードを見せ、カードを投げ、1プレイヤー1ハンドルールなどに違反するとき、エチケット違反(第70項)の対象となることがある。ペナルティは、ソフトプレイ、不適切行為、秩序を破壊する振舞いやチーティングのときにも課す。リバーにおいて最後のアクションを起こすとき、絶対的なナッツをチェックする行為は、自動的にソフトプレイによる違反にはならない。状況に応じてTDが裁定する。

C: ペナルティを受けたとき、テーブルから離れなければならない。カードは、そのプレイヤーの席にも配られ、ブラインドとアンティも出されるが、最初のディールのあとにキルする。スタッドでブリングインの対象となったとき、そのプレイヤーも、ブリングインをポストしなければならない。

D: 失格となったプレイヤーのチップは、取りのぞかれる。

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2022年版 ルール, Version 1.0, 2022年9月 推奨手順

TDA推奨手順は、エラーを減らしイベント管理を改善するための指針の提案である。また、多くのバリエーションがある状況のため、ひとつの共通的なルールでは対処できないときに適用する。このときの公正な決定には、第1項の指針のもと、複数のルールを使い、すべての状況を評価することが必要となる。

推奨手順-1: オールインボタン

オールインボタンは、プレイヤーが「オールイン」したことを、明確に示すためのものである。オールインボタンは(プレイヤーが持つよりも)ディーラーが預かっておくべきものである。プレイヤーがオールインしたとき、ディーラーはテーブルにいるほかのプレイヤーから見えるよう、そのプレイヤーの目の前にオールインボタンを置く。

推奨手順-2: ベットをブリンギングすることは推奨されない

ベットやレイズのたびに、そのチップから前のベット額を引くブリンギングは、ディーリングとしてよくない。ベットスタックを減少させることは、アクションに影響を与えたり、混乱を招いたり、エラーを増やしてしまう。アクションに直面するプレイヤーに限って、ディーラーにブリンギングを求めることができる。

推奨手順-3: 個人の持ち物

テーブル上はチップスタックの管理、ディーリング、ベッティングのための重要な場所である。テーブルと近くのスペース(足元と通路)は、不必要な私物で散らかしてはならない。各カードルームは、トーナメントエリアで許可する物を明確に表示するべきである。

推奨手順-4: 順序が乱れたスタブ

配られるカードが残った段階で、スタブを誤って落としてしまい、順序が変わったと思われるとき: 1) まず可能であれば元々の順序に再構築することを優先する。2) 不可能なとき、スタブのカードだけを用いて(マックやそれまでにバーンされたカードを混ぜずに)新しいスタブを作る。そのとき、しっかりシャッフル、カットをして作った新しいスタブを使ってプレイを進行する。3) 落としたスタブが、マックやバーンカードと混ざったとき、マックやバーンカードと一緒にスタブをよく混ぜ、シャッフル、カットして作った新しいスタブを使い、プレイを進行する。

推奨手順-5: 予定より早く出されてしまったカード

進行中のラウンドのアクションが終わる前に、誤って次のラウンドのボードやバーンカードが配られてしまうことがある。このとき、一般的な対処法は次の通り。

A: フロップを早々に開いてしまったとき、バーンとして使ったカードはそのまま正しいバーンカードとする。開いてしまったフロップは一度スタブに戻し、再度シャッフルして新しいスタブとし、バーンカードなしで新しいフロップを改めて開く。

B: ターンカードが早く出されたとき: ターンのバーンカードはそのまま残す。早く出されてしまったターンカードはスタブに戻し、リシャッフルする。新たにシャッフルしたスタブから(バーンを追加せず)ターンカードを配り直す。

C: リバーカードが早く出されたとき: リバーのバーンカードはそのまま残す。早く出されてしまったリバーカードはスタブに戻し、リシャッフルする。新たにシャッフルしたスタブから(バーンを追加せず)リバーカードを配り直す。

D: スタッドで早く出されたとき: 早く出されてしまったカードはスタブに戻し、リシャッフルする(推奨手順17: リシャッフル参照)。リシャッフル後のスタブから新しいストリートを配る(このとき、バーンはやり直さない)。

推奨手順-6: プレイヤーの効率的な移動

テーブルブレイクやバランスのときのプレイヤーの移動は、ブラインドを逃したり、ゲームが遅れないように迅速に行う。可能なら、チップの持ち運びにはラックが使われるべきである。プレイヤーが不必要に大量のチップを持ち運ぶことがないよう、チップのカラーアップを十分に行なう(第10項第11項第63項参照)。

推奨手順-7: ディーラー交代のタイミング

ディーラーの交代は、休憩やブラインドアップまでの90秒間は避けることをTDAは推奨する。ゲームの極めて重要な段階で、時間切れとなることを避けるためである。

推奨手順-8: ハンドフォーハンドの手順

A: 払い出しを受ける資格は、次のようなアナウンスで開始となる: 「現在プレイ中のハンドが終了後、ハンドフォーハンドとなります」。その進行中のハンドにおいて、インザマネーとなるのに十分な人数が負けて(バスト)しまったとき、バストしたプレイヤーも払い出しを受けることがある。例: 50人入賞のNLHEのトーナメントで、アナウンスが行われたときに52人が残っていて、そのハンドで3人が一度にバストした。これら3人のプレイヤーは、50位に払い出す額を分け合う。

B: ハンドフォーハンド中、実際にハンドがどれほどの時間をかけてプレイされたかには関係なく、それぞれのハンドに対し予め設定された時間を掛けて進める。TDA標準は1ハンドにつき2分である。2分進行はアナウンスの瞬間にプレイされているハンドから始まる。例: 「現在プレイ中のハンド終了後ハンドフォーハンドとなります」とアナウンスがあった瞬間、いまのレベルの残り時間が17:30だったとき、次ハンドの開始時間は15:30にセットされ、その次ハンドは13:30から始まる。

C: プレイヤーたちがレベルの変わるタイミングを明確に知ることができるよう、それぞれのハンドに対し、可能ならいつでも時計を2分減らす。

D: 1ハンド2分ずつの時間経過および新しいレベルに達したとき、ブラインドも上がる。

E: ハンドフォーハンド中、プレイヤーたちは自分の席にとどまることを推奨するものの、要求事項ではない。

F: ハンドフォーハンド中、オールインコールがあったとき、プレイ中であるすべてのプレイヤーのカードは裏向きで保持されなければならない。ディーラーは、指示があるまで追加のカードを配ってはいけない。

推奨手順-9: ファイナルテーブルの構成人数

9人テーブル(ナインハンデッド)および8人テーブル(エイトハンデッド)のイベントでは、5人プレイヤーの2テーブルから9人のファイナルテーブルへと統合する。7人テーブル(セブンハンデッド)および6人テーブル(シックスハンデッド)のイベントでは、4人プレイヤーの2テーブルから7人のファイナルテーブルへと統合する。

推奨手順-10: スタッドトーナメントのディーリング手順

A: 最初のディールのときに伏せ札(ダウンカード)が表向きに配られた(エクスポーズ)とき、それはそのプレイヤーの表向きカード(アップカード)として用いられ、サードストリートのカードがそのプレイヤーに伏せて配られる。そのプレイヤーはブリングインになり得る。

B: セブンスストリートのカードが表向きに配られたとき、もしまだベットアクションが残されていれば交換される。セブンスストリートのカードは、そのハンドでのベットアクションがもう残されていなくても伏せて配られるべきであり、オールインの状況では敗退の危機にないプレイヤーから先に開くべきである。

C: 席にいないプレイヤーへのカード(第30項参照)はキルされる。フォースストリートのカードは、ライブハンドのないプレイヤーには配られない。

D: スタッド(やスタッド8)のハイハンドやラズのローハンドで、みえている2人以上のハンドが同じとき、どちらのゲームでも、スートによるハイカードを持つプレイヤーからはじめにベッティングをスタートさせる。

E: ローカードを配られたプレイヤーがアンティでオールインとなるとき、ベットアクションは、そのプレイヤーの、左隣のプレイヤーからはじめる。チップを持つプレイヤーたちは、少なくともブリングインするか、フォールドしなければならない。

F: ペアが表にみえているときでも、フォースストリートでのベットは2倍にならない。

G: スタッドで、本来配られるべきときより前に配られてしまったカードの取り扱いについては推奨手順5-D参照

H: セブンスストリートでスタブが足りなくなったときの手続き。もしセブンスストリートまでにスタブが「必要とされる数」(残りのプレイヤー数+バーンカード+配られていない最後のカード)を下回ったとき、次のように進行する。A) もし必要とされる数がそこまでの3枚のバーンカード(フォース、フィフス、シックススストリート)を加えることで充たされるなら、そのスタブにそこまでのバーンカードを加えた上でスクランブルし、新たなスタブを作る。新しいスタブはカットされ、カード1枚がバーンされ、各プレイヤーに1枚ずつ配られる。B) もし、いまのスタブに最低3枚のカードが残っているが、これまでのバーンを加えても必要とされる数を充たさないなら、ディーラーはいまのスタブの一番上のカードをバーンして、その次のカードはテーブルの中央にコミュニティカードとしてディールする。C) もし、いまのスタブが3枚未満であるとき、それまでのバーンカード3枚を加えてスクランブルし、新しいスタブはカットされ、カード1枚がバーンされ、その次のカードがコミュニティカードとしてディールする。D) コミュニティカードが使われているとき、シックススストリートでの最初のプレイヤーがセブンスストリートで最初にアクションを起こすプレイヤーとなる。

推奨手順-11: アンティは減額しない

イベントの進行に伴う(ファイナルテーブルを含めて)、アンティーを減額すべきではない。

推奨手順-12: ディーラーはベットやレイズをアナウンスすべき

ディーラーは、オールインではないベットの額をテーブルでベッティングが進行しているあいだ、常にアナウンスし続けるべきである。オールインベットは、そのときアクションを起こすべきプレイヤーからの要求があったときのみ数える。受け入れられたアクションのルール(第49項)は、ここでも継続して適用する。スケジュールとして組み込まれた、あるいはその場の決定によるカラーアップは、ベットのカウントしやすさを向上させる。

推奨手順-13: ディーラーはスプリットポットゲームではチップをスタックにするべき

それが可能であれば、ディーラーはスプリットポットゲームでは、ポットを定期的にスタックにするべきである。チップをスタックにすることで、プレイヤーからの視認性を不明瞭にしたり、ゲーム進行の妨げになることは避けるべきである。

推奨手順-14: 特別な状況ではランダム性が適用することがある

TDAルールおよび手順の中で取り上げられていない誤りを修復する目的で、TDは解決法を編み出すに当たってランダム性の概念を用いることがある。

推奨手順-15: トーナメントスタッフの適切なコミュニケーション

A: テーブルを離れるディーラーは、交代するディーラーに対して、テーブルに関する適切な情報を引き継ぐ必要がある。例えば、ブラインドや警告・ペナルティを受けたプレイヤー、迷惑行為など。

B: ディーラーは、第2項(プレイヤーの責務)と第70項(エチケット違反)に抵触したり、今後抵触する恐れがあることについて、フロアに知らせるべきである。特定のプレイヤーやスタッフに対するものを含めて、一般的な差別的、攻撃的な行為は特に注目すること。

推奨手順-16: ブレイクするテーブルにいないプレイヤー

テーブルをブレイクする際、離席しているプレイヤーのチップはスタッフが新しいテーブルに移動するべきである。

推奨手順-17: トーナメントにおけるドローゲームのベッティング手順

リンプは全てのシングルドローゲームで許可されている。

推奨手順-18: ミックスゲームの順序

エラーを減らすため、ミックスゲームイベント(例:H.O.R.S.E.)において、スタッドとスタッド8は連続してプレイする必要はない。

推奨手順-19: 遅延行為の抑制

ハウスは遅延行為を抑制する意図をはっきりとアナウンスし、プレイヤーに遅滞ないプレイが望まれていることを理解させるべきである。それぞれのハウスは、遅延行為を減らすための創意工夫が求められる。TDAに加盟するハウスが行った方法には次のようなものがある。ランダムなテーブルのブレイク、レベルごとにハンド数を固定する、オービットフォーオービット、ソフトハンドフォーハンド、ショットクロックの追加など。

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2022年版 ルール, Version 1.0, 2022年9月 追補例解

Poker TDAは、2001年に設立されたポーカー業界の任意団体である。ポーカートーナメントルールの世界的な統一性を高めることが使命である。Poker TDAルールは、ハウスルールを補足する。ハウスルールとの競合があったとき、ハウスルールを適用する。

第10項: テーブルブレイクのときの2段階のランダムな手順

2段階のランダムや「ダブルブラインド」と呼ばれる方法により、新しい席の割り当てに不正のないような方法をとることができる。以下は例である。1) ブレイクするテーブルでプレイヤーにシートカードを見せたあと、それを裏向きにしてシャッフルし束にする。2) ディーラーは、プレイヤーに表向きでトランプを1枚ずつ配る。数字とスートの強いトランプを持っているプレイヤーからシートカードを配る。

第11項-D: テーブルバランスとプレイの中断

例: 9人制のNLHEで、Aテーブルが5人、Bテーブルが8人で最もプレイヤー数が多いとき。AテーブルでBBが空席にさしかかるとプレイを中断する。

第16項: オールインときのホールカードのフェイスアップ

このルールの意味することは次の通りである。少なくとも1人のプレイヤーがオールインをし、ほかのプレイヤーに、これ以上のベットアクションの機会がないとき、すべてのプレイヤーのホールカードを表向きにする。ショーダウンとなるまで、カードの開示を遅らせることもなければ、メインポットのみしか関与していないプレイヤーのカードの開示を、サイドポットの決着がつくまで遅らせることもない。ショーダウンの前のどのストリートにおいても、ベットアクションが完了したときに、カードをすべて表向きにしたあと、残りのコミュニティーカードをめくることになる。

例1: NLHEで2人のプレイヤーが残っている。ターンにおいて、スタックの少ないプレイヤーAがオールインし、それをプレイヤーBにコールされた。このとき、AとB両方のダウンカードを表向きにする。そしてバーンをし、リバーを開き、ショーダウンに進む。

例2: NLHEで3人のプレイヤーが残っている。プリフロップで、1番ショートスタックのプレイヤーAがオールインし、プレイヤーBとCの2人にコールされた。このとき、BとCの両方が、さらなるベットアクションの可能なチップを持っているため、カードはまだ表向きにしてはいけない。

フロップにおいてBとCがチェックをした。まだベットはできるため、カードは表向きにしない。

ターンでBがオールインをし、Cがコールした。このときこれ以上のベットアクションは起こらないため、A、B、Cのカードをすべて表向きにしなければいけない。バーンをして、リバーを開いて、ショーダウンに進まなければいけない。まず、BとCの2人のあいだのサイドポットを裁定し、そのあと、メインポットを与える。注意: BとCのあいだのサイドポットを裁定するまで、Aの持つカードを裏向きにしておくということはない。

例3: NLHEで3人のプレイヤーが残っている。プリフロップで、1番ショートスタックのプレイヤーAが700をオールインしたところ、数千チップを残しているプレイヤーBとCのふたりにコールされた。BとCは、さらにベットアクションができるチップを持っているので、ここではまだカードを表向きにしない。
フロップにおいて、BとCがチェックした。まだベットアクションができるため、カードは表向きにしない。

ターンにおいて、Bが1,000をベット、Cがコールした。BとCの両者はどちらもまだチップを持っていて、リバーカードが残っているため、ベットアクションは可能な状況である。そのため、ここではまだカードを表向きにしない。

リバーにおいて、BとCがチェックした。ベットアクションは終了し、ハンドがショーダウンの段階となっているため、AとBとCはハンドを表向きにしなければいけない。まず初めに、BとCのあいだの2,000のサイドポットを判定する。そのあと、メインポットの判定をする。注意: BとCのあいだのサイドポットを判定するまで、Aの持つカードを裏向きにしておくことはない。

第18項: ハンドの開示要求

例1: NLHEで3人のプレイヤーが残っている。リバーの段階で誰もベットやオールインをしていない状況である。ショーダウンで、プレイヤーAはカードを裏向きのまま投げた。ディーラーによって、それらのカードはマックされた。プレイヤーBはカードを表向きにし、プレイヤーCは裏向きのままカードを前に押し出した。このときBは自分だけがカードをみせたことになるため、Cにハンドを見せるよう要求することができる。しかし、この要求はTDの裁量に委ねられる。なぜならば、リバーの段階でプレイヤーBはベットしておらず、ハンドをみる権利がないとみなすためである。また、AとCは自分の持つハンドを見せておらず、またそのときにカードを持っていないため、ほかのプレイヤーにハンドの開示を求めることはできない。

例2: NLHEで4人のプレイヤーが残っている。リバーの段階でプレイヤーAは1000ベットし、Bはコールした。Cが5000にレイズしたあと、D、A、Bはそれぞれコールした。誰もオールインはしていない。Bがカードを表向きにし、トリップスをみせた。Dはすぐにカードを裏向きでマックし、それをディーラーがキルした。Cは裏向きでカードを押し出そうとした。このとき、AとBは、Cのハンドの開示を要求することができる。理由は以下の通りである。1) Cはリバーにおけるラストアグレッサーであり、AとBの2人は、Cのカードを見るために、コール分のお金を払っているため。2) AとBの2人は、自身のカードを所持しているためDは自身のカードを開示せずフォールドしたので、Cにハンド開示を要求する権利はない。この状況で、BがAのハンドの開示を要求するなどのほかの要求(ほかのコーラーのハンド開示要求)は、すべてTDの裁量に委ねられる。

第38項: サブスタンシャルアクションのあとのバーン

例1-A: ブラインドは、50-100。1, 2番席がSB, BBである。プリフロップで、すべてのプレイヤーに最初のハンドが配られた。3番席(UTG)がフォールド、4番席がコールをして、サブスタンシャルアクションが完了した。ここで5番席のプレイヤーが、自身のハンドに1枚のカードしかないことに気が付いた。このとき、そのプレイヤーのハンドはデッドハンドとなる。すでに、サブスタンシャルアクションが完了しているためである。このあとディーラーは、1枚バーンカードを出してからフロップを開く。カードを「元の順序へ戻す」ために2枚のカードをバーンすることはない。

例1-B: ブラインドは、50-100。1, 2番席がSB, BBである。プリフロップで、すべてのプレイヤーに最初のハンドが配られた。3番席(UTG)がフォールド、4番席がコールをして、サブスタンシャルアクションが完了した。ここで、5番席のプレイヤーが、自身のハンドに3枚のカードがあることに気が付いた。このとき、そのプレイヤーのハンドはデッドハンドとなる。すでに、サブスタンシャルアクションが完了しているためである。このあとディーラーは、1枚バーンカードを切って、フロップを開くことになる。5番席の3枚目のカードをバーンカードとして切り、スタブからはバーンを使わないといった取り扱いをすることはない。

第40項-A: ベットの方法: 不明確、あるいは矛盾しているベット

はっきりしないときや声に出す宣言とチップが矛盾しているとき、TDは、その場の状況と第1項を勘案して、そのベットを裁定する。追補例解参照

例1: リバーのヘッズアップにおいて、プレイヤーAが「フォーティトゥーサウザンド」と声に出して宣言をしつつ、5000チップを1枚しか出さなかった。テーブル全員が、声に出した宣言を聞いたわけではなかった。プレイヤーBはコールしようと5000チップを出した。両者がハンドをみせ、Aがベストハンドだった。裁定の基準は様々複合している: 声に出した宣言が先にあったが必ずしも明確ではなかった。チップでは5000のベットが示されている。こうした不明確で矛盾している状況のとき、TDは第1項を適用してできる限り公正な裁定を行う。

第43項: レイズ額「いまのベットラウンドにおける最大のベット額もしくはレイズ額」

この一説の意味するところは、いまのラウンドにおける、前のベッターによる最大の追加的なアクション、もしくは「適切な(額の)増分」を意味する。いまのラウンドとは、「いまのストリート」のことを意味し、ボードゲームであれば、例えば、プリフロップ、フロップ、ターン、リバーであり、7スタッドであれば、3rd-4th-5th-6th-7thストリートのことを意味する。

例1: NLHEで、ブラインドは100-200。ポストフロップにおいて、Aが600にオープンし、Bが1000を追加した1600のレイズをした。さらにCが、2000を増やした3600のリレイズをした。この状況でDがさらにレイズをしたいとき、彼は少なくとも「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」であるCの2000という額を上乗せしなければいけない。そのためDは、3600に2000を加えた、少なくとも5600以上の額にしなければならない。注意しなければいけないのは、Dが最低でも上乗せしなければいけない額が、Cのベット額全体の3600ではなく、Cが上乗せした額の2000であるという点である。

例2: NLHEで、ブラインドは50-100。プリフロップにおいて、UTG にいるAが、トータル150(ベット額の増分は50)のオールインをした。つまり我々にとっては、100のブラインド分のベット額に加えて、50の分だけ増えたオールインを受けていることになる。どちらの額が大きいだろうか。100という額が、「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」であるため、もしBがリレイズをしたいとき、少なくとも100を増分とした、250以上の額をトータルの額とするレイズをしなければならない。

例3: NLHEで、ブラインドは100-200。ターンにおいて、Aが300をベットした。Bは2枚の500チップで、合計1000のレイズ(増分は 700)をした。Cがコールをするときの額は1000 となる。Cがレイズをしたいとき、「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」は、Bのレイズの増分である700である。そのため、Cの最小のレイズ額は、700を加えた合計1700となる。彼の最小レイズのための増分は、Bのベット額の1000ではないことに注意してほしい。

例4-A: NLHEで、ブラインドは25-50。Aは75を加えた合計125のレイズをした。これは、50に75を加えた額であることに注意したい。このストリートにおいて、さらにレイズをしたいとき、「いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」は75である。そして今Bは、そのミニマムのレイズ分(75)を加えた200のレイズをした。そしてCはさらに、300を加えた500のレイズをした。いまの状況は、最初のベット額の50に対して、75の額の増加が2回あったあと、300の額の増加があった。もしDがリレイズしたいとき、「レイズの増加額は少なくとも、いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」 である、300を加えなければならない。そのため、Dは少なくとも300を加えた合計800のレイズをしなければならない。

例4-B: 4-Aと同じブラインドであり、Dまで500で回ってきた部分は同じであるものの、Aによって450の増分を加えた500のレイズがあり、BとCがそれにコールをした状況である。このとき、ブラインドのベット額である、50とレイズの増額が450である状況となっている。「レイズの増加額は少なくとも、いまのラウンドにおける、最大のベット額もしくはレイズ額」 であるため、今回それはAの増分である450となる。Dがコールをしたければ500のままであり、レイズをしたければ少なくとも450を加えた、950以上にしなければならない。

第45項: 複数チップのベッティング

A: ベットのとき、レイズやオールインを先に宣言することなく(最後のチップによるベットを含み)複数の同一単位のチップを押し出すことは、すべてのチップがコールをするために必要なとき、コールとみなす。B: すべてのチップがコールをするために必要ではないとき、たとえば最小単位のチップ1枚をのぞいたときにもコール額以上あるときには、1) プレイヤーの手元にチップが残っているときには、第47項の50%の基準に従って裁定する。2) プレイヤーの最後のチップを使ったベットであってオールインであったとき、50%の基準にたっしているかどうかで、オールインとなるかを裁定する。

例1: 1枚のチップを引いてもコールの額未満のときには、コールとみなす。

1-A: フロップでプレイヤーAが1,200ベットし、Bが宣言せずに1,000を2枚出したとき。これは、 どちらかのチップをのぞくと1,200を下回るため、コールとなる。

1-B: NLHEで、ブラインドは250-500。プリフロップでUTGがレイズ600•トータル1,100。次のプレイヤーが宣言せずに500点1枚と1,000点1枚を出した。これは、500点か1,000点のチップをのぞくと1,100を下回るため、コールとなる。

例2: 1-Bのとき、UTG+1のプレイヤーが宣言せずに1,000を1枚と100を5枚出した。このとき、コール額以外の4枚の100は取りのぞかれ、1,100のコール分を残す。さらに、第43項に従って、ミニマムレイズの増分は600の50%は300となる。このため、UTG+1はコール額の1,100に300を加えた1,400以上を出しているので、フルレイズの1,700となる。UTG+1はレイズしなければならない。

例3: 例2と同じように、UTG+1のプレイヤーが宣言せずに1枚の1,000と3枚の100を出した。このとき、1,100をのぞいた増分は200で、ミニマムレイズ額の50%の300にたっしていないため、コールとなり、200はプレイヤーに返す。

例4: すべてのチップによる複数ベットA) もしすべてのチップがコールに必要なとき、プレイヤーの手元にチップが残っているときと同じように取り扱う(例1参照)。B) 最小単位のチップ1枚を取りのぞいてもコール額以上のとき、そのベット額が50%のレイズ基準にたっしているかどうかに関わらず、そのプレイヤーはオールインをしたものとみなす。

例4-A: Aが1,400にオープンし、(手元にまだ多くチップの残る)Bが宣言せずに1枚の1,000チップと3枚の500チップを出した。このとき、強制的に2,800のミニマムレイズとなる。なぜなら、50%の基準値である2,100(1,400+700)にたっしている額であるためである。

例4-B: 同じように1400へのオープンに対し、Bが1枚の1,000チップと2枚の500チップを出した。このときコールとなる。なぜなら、50%の基準値である2,100には満たない額であるためである。注意: 4-A, 4-Bどちらの例でも、プレイヤーがすべてのチップを使ってそのベットを行ったとき、オールインとなる。

第46項: さげられなかった前のベットのチップ、状況例

シチュエーション1: 前のベットのチップがコール額を満たさない状態でそのまま置かれているとき。

例: NLHEで、25-50、BBが2枚の25をポストしていて、ボタンが600へとレイズした(BBに550を上乗せ)ケース。

1: 1枚のオーバーチップを加えるとコールとなる(2枚の25 チップに対し1枚の1,000チップを入れるとき)。

2: 複数枚の新しいチップを加えたときで、新たに加えたチップすべてがコールに必要ならコール。a) 2枚の25チップに対し、2枚の500チップを加えたとき、b) 2枚の25チップに対し、1枚の100チップと500チップを加えたとき。上記の例2つは、それ以前のチップに合算されたとき、新たに加えたチップすべてがコールに必要である。

3: 新たに加えたチップのうち、最小単位のものがコールに必要のない分として1枚以上あったとき、第45項の複数チップでのベットとなる。(2枚の25チップに対して1,000と500を1枚ずつ入れ、合計1,550のベットをしているとき)第45項の複数枚のチップによるベットとなる。第45項にしたがって、宣言せずに出された複数枚のチップによるベットは、それが50%の額にたっしているときにはレイズとなり、それ以外はコールとなる。

シチュエーション2: 前のチップがコール額を満たすとき、新たに加えられたチップは、第45項複数チップでのベットとなる。例: NLHEで、50-100、BBが1,000チップ1枚をポストしている。プリフロップで700へとレイズ(BBに600上乗せ)。前の1,000チップはそのレイズをカバーしているので、そこに新たなチップを足すことは第45項にしたがってすべてのチップがベットされていることになる。

シチュエーション3: 以前のチップがすべてさげられているとき:

1) 前のチップをすべてさげ、1枚のオーバーチップを出すとコール(2枚の25チップをさげて、1枚の1,000チップを出す)。

2) 前のチップをすべて一度さげ、複数枚の新しいチップを出すと、第45項にしたがったベットとなる(2枚の25チップをさげて、2枚以上の新しいチップを出す)。

シチュエーション4: 前のチップが部分的にさげられたとき

1) 前のチップを部分的にさげること(1枚の25をさげ、別の25が残ったまま、新しいチップを加える)は、第45項にしたがって複数枚のチップによるベットとなる(もし50%にたっしていればレイズ、それ以外はコール)。

シチュエーション5: 上記にかかわらず、すべてのチップを合わせてから、押し出したり前に投げたりするジェスチャーは、第45項にしたがって、すべてのチップでベットする意図と解釈されることがある。

第47項: ベットのリオープン(再オープン)

例1: 複数のショートオールインが累積でフルレイズと同額にたっし、ベッティングがリオープンするケース

NLHEで、ブラインドは50-100。ポストフロップ、Aが100のミニマムでオープンベット。
Bが125をオールイン、Cが125をコール。

Dがトータル200となるオールインをし、Eが200をコール。

Aにアクションが戻り、Aは合計100のレイズに直面している。100はフルレイズの額を満たしていて、Aに対してベッティングがリオープン(再オープン)されているため、Aはフォールド、コール、レイズのいずれも行うことができる。注目すべき点は、Bの増加分25とDの増加分75は、ともにそれだけではフルレイズに満たないが、それらが合わさることでフルレイズとなり、したがって「アクションが戻ってきたときに、少なくともフルレイズに直面しているプレイヤー」に対してベッティングがリオープンしていることである。

例1-A: 例1で最後にAが合計200をスムースコール(100を加えた)した。Cのアクションであるが、このとき、Cが直面しているのは75の増加分のみである。Cは前のアクションで125コールしていて、彼が直面しているのは合計200(75の増加分)である。Cがベッティングをリオープンするためには少なくとも合計225に直面していなくてはならない。75はフルレイズに満たないため、Cに対してはベッティングがリオープンされておらず、Cは75を加えてコールするか、フォールドすることができるが、レイズはできない。

例1-B: 例1で最後に、Aがミニマムレイズ(100)行い、Cに対して合計300へとベットした。Cはすでに125をコールしていて、コールにはCは175を加えることになる。175はフルレイズ額を越えている。したがってCはすでにアクションを起こしていて「アクションが戻ってきたときに、少なくともフルレイズに直面したプレイヤー」となるため、ベッティングがリオープンされていて、フォールド、コール、リレイズができる。

例2: 複数のショートオールインがあり、ミニマムレイズは最後の有効なフルベットまたはフルレイズであるとき。
NLHEで、ブラインドは50-100。ポストフロップでAが300へとオープン、Bが合計500をオールイン、Cが合計650をオールイン、Dが合計800をオールイン、Eは800をコール。プレイヤーFにとってのミニマムレイズはいくらか? オープンベット(300)が最初のミニマムレイズ額を設定する。どのプレイヤーも単独では300を越えるオールインとなっていないため、Fにとってのミニマムレイズは300のままである。Fは800をスムースコールするか、あるいは最低1100へとレイズできる。追補例解第43項例2参照

例3: ショートオールインでの2つのシナリオ

NLHE、ブラインドは2000-4000。プリフロップでAがBBの4000をコール、Bがフォールドし、Cが合計7500となるオールイン(4000に対して3500の増加分)をした。SBまでフォールドで回り、SBもフォールド。

例3-A: まだアクションを起こしていないBBに対しては3500が上乗せされている。BBは、フォールド、3500をスムースコール、最低4000を加えた合計11500以上にレイズするのいずれかを選ぶことができる。BBはスムースコールし、アクションはAに移った。Aは一度アクションを起こしていて、フルレイズに満たない3500増加のベットに直面している。そのため、Aはフォールドか、3500を加えるコールしかできない。理由は「アクションが戻ってきたときに、少なくともフルベットに直面しているプレイヤー」になっていないためである。

例3-B: BBがミニマム(4000)の合計11500となるレイズをした。これはAに対して7500の増加分となっているため、フルミニマムレイズ額を越えていて、Aに対してはベッティングがリオープンされたため、Aはコール、フォールド、リレイズすることができる。

第51項: 拘束される宣言/順序にそったアンダーコール

例1: NLHEで、ブラインドは1000-2000。ポストフロップで、プレイヤーAが2000をベットし、プレイヤーBは8000にレイズした。そのあと、プレイヤーCは宣言せずに2000を押し出した。Cはアンダーコールとなる。第51項-Bにより、Bはオープンしたプレイヤー(このときAである)ではなく、この状況ではマルチウェイである。TDの裁量により、Cは正しくコールするか、またはアンダーコールした2000を没収し、フォールドさせることもある。

例2: NLHEで、ブラインドは1000-2000。ポストフロップでプレイヤーが4人残っている。プレイヤーAは8000をベットし、Bは宣言せずに2000を押し出した。第51項-Bにより、プレイヤーBはアンダーコールとなり、ベットされた8000を正しくコールしなければならない。

例3: NLHEで、ブラインドは1000-2000。プレイヤーAは、2000をベット、Bが8000にレイズした。Cは「コール」と宣言した。第51項-Aにより、プレイヤーCは8000を正しくコールしなければならない。

第52項-B: ポットリミットゲームにおける、不正確なベット額

例1: ポットリミットオマハで、ブラインドは500-1000。ポストフロップで、ポットは合計10500であった。プレイヤーAはポット額をベットするために、ディーラーにポットのカウントを要求したところ、ディーラーは「9500」と答えた。Aは9500を出し、Bはフォールド、Cは9500にコールした。最初の誤ったベット額のあとで、サブスタンシャルアクションが起こっている。この状況で、ディーラーが、Aのポットベット額を正しくは10500であることに気がついたとする。このとき、ディーラーが宣言した額は実際のポット額よりも低いものであり、サブスタンシャルアクションが起こったあとであるため、9500のベットは拘束力を持つものとなり、あとから10500に訂正することはない。

例2: 例1と同じ状況で、プレイヤーBがフォールドした直後に、ディーラーが正しい10500というポットベット額に気がついたとする。このとき、サブスタンシャルアクションが起こっていないため、Aはベット額を10500に訂正しなければならない。

例3: ポットリミットオマハで、ブラインドは500-1000。ポストフロップで、ポットは合計10500であった。プレイヤーAはポット額をベットするために、ディーラーにポットのカウントを要求したところ、ディーラーは「11500」と答えた。Aは11500を出し、Bはフォールド、CとDはどちらも11500をコールした。ディーラーが、バーンを切り、次のカードを開く前に、Aのベットが適切でないオーバーベットであると気がついた。サブスタンシャルアクションが起こったかどうかにはかかわらず、そのベット額が適切でないためにそのストリートにおいてコールしたすべてのプレイヤーのコール額を10500に減らす。もし、次のカードが開かれたとき、その誤った額は保たれてしまう。

第53項-A: 順序にそわないアクション(OOT)

例1: ブラインドは、50-100。ポストフロップで、3番席のプレイヤーが300にオープン、4番席がフォールドした。そして、5番席のアクションの順序となったところで、6番席が「800へレイズ」と宣言した。

ステップ1: 300のベットを受けている正しい順序(5番席)のプレイヤーまでアクションを戻す。

ステップ2: もし、5番席がコールもしくはフォールドのとき、300のベットのアクションは変化せず、6番席の順序から外れた 800へのレイズも拘束力を持つ。しかし、5番席がレイズ(例えば 、600へのレイズ)をしたときには、6番席にたどり着くアクションは300から600のベットへと変わる。アクションが変わったとき、800のチップは6番席に返され、そのプレイヤーは、600へのコール、少なくとも900以上へのレイズ、フォールドのアクションも起こすことができる。

例2: ブラインドは、50-100。ポストフロップで、3番席のプレイヤーがチェック、4番席もチェックした。そして、5番席にアクションに直面したところで、6番席が「チェック」と宣言した。

ステップ1: ベットを受けていない正しい順序(5番席)のプレイヤーまで、アクションを戻す。

ステップ2: もし、5番席がチェックをしたとき、チェックのアクションは変化せず、6番席の順序にそわないチェックは拘束力を持つ。しかし、5番席がベット(例えば300のベット)をしたとき、6番席にたどり着くアクションは、チェックから300のベットへと変化する。アクションが変わったとき、6番席は、300へのコール、少なくとも600以上へのレイズ、フォールドのどのアクションも起こすことができる。

第53項-B: 実質的な順序にそわないアクション(OOT)

順序にそわないアクションにより飛ばされたプレイヤーのアクションを起こす権利は守られなければならない。合理的な時間がたって、アクションを飛ばされたプレイヤーがサブスタンシャルアクションまで指摘せずサブスタンシャルアクションが左で起きたとき、その順序にそわないアクションは拘束力がある。飛ばされたハンドをどのように扱うかを決めるためには、フロアを呼ぶ。

例1: NLHEで、ブラインドが100-200。3番席のUTGが600にレイズ。4番席が飛ばされ、5番席がOOTとして、600をコール。6番席は少し考えてからフォールドした。そのとき、4番席の左に、チップを巻き込んだアクション中のプレイヤーは2人いる。この2人のチップは残しプレイヤーのアクションは、サブスタンシャルアクションとみなす。(第36項)また、4番席は、飛ばされたことを申告し、ディーラーの注意を喚起するのに十分な時間を持っていた。5番席によるコールは、順序にそわない(ながらも)サブスタンシャルアクションであるために、拘束力があり、6番席による順序にそわないフォールドも拘束力がある(第58項)。4番席のハンドの運命は、決定を下すためにフロアが呼ばれる。

例2: NLHEで、ブラインドが100-200。4人のプレイヤーがターンを見るために残っている。ディーラーがターンのカードを開いたあと、UTG(3番席)のプレイヤーが600をベットした。4番席のプレイヤーのアクションが飛ばされ、5番席のプレイヤーがチェック、6番席のプレイヤーが600のベットという、OOTが起きた。4番席のハンドの運命について裁定するために、フロアが呼ばれる。

出典

Tournament Directors Association
http://www.pokertda.com/

翻訳・制作

Tatsumune Miyata
Event Director
Japan Open Poker Tour Co.,Ltd.
https://twitter.com/munewwo

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